公演日 | 会場 |
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2000年7月6日(木) | 名古屋センチュリーホール |
2000年7月7日(金) | フェスティバルホール(大阪) |
2000年7月9日(日) | Zepp Sapporo |
2000年7月11日(火) | 東京国際フォーラム・ホールA |
2000年7月12日(水) | |
2000年7月14日(金) | 仙台サンプラザ |
2000年7月16日(日) | 広島郵便貯金ホール |
2000年7月17日(月) | 福岡サンパレス |
2000年7月18日(火) | 大阪国際会議場 |
髪を染め、派手な服装で張り切っておられました。年長組代表として、責任感を持って、穏やかに全体をまとめていたという感じでした。
凛としたたたずまい。美しい歌唱と対照的な低音の地声。控えめながら、実は三人の男達(三羽の雄ウサギ)をきっちり操っているという存在感のあるお姿。ジョイントコンサートでも完璧主義に妥協無し、という姿勢を感じました。
黄色い声援担当。5人の中では一番生真面目っぽい雰囲気でしたが、「ほぼ日」に掲載された「熱唱するとすごくなる」表情で意外な笑いを取っていました。「ムナシー」類似バンドのRKの物真似も異様にはまっていましたね。
5人の中の「やんちゃ担当」としての自らのポジションをわきまえた言動で、おいしいところをさらっていました。声援は多いけど「黄色くない」ところが、The Boomとのファン層の違いなのでしょうか。
今回のメンバーの中心人物であり、このコンサートの言い出しっぺ。そして、実質的なバンマス。そうした立場からか、あまり前面に出てこられなかったようにも見受けられましたが、楽しそうに踊りながら、締めるべきところでビシッとサウンドをコントロールするかっこよさ。さすがでした。
矢野さんのバックということだと、グラノーラ・ツアー以来でしょうか。相変わらずかっこよいベースラインが懐かしくも、嬉しかったです。
ブラジリアン・スタイルのギター。物静かながら、存在感あるフレーズを聴かせてくれました。
ヴァイオリン、トランペット、マンドリン、コーラス、と、まさに八面六臂の活躍。実は一番音数が多かったのはくじらさんだと思う。
特に女性ファンの熱い声援を浴びるセッション・ドラマー。その風貌と言い、ドラムのスタイルといい、意識的にモテモテ光線を発射していると感じたのは、私のひがみか? 小原さんとのリズム隊は実に強力でした。
『たったった』 by 奥田・鈴木
奥田民生『GOLDBLEND』
『Sweet Bitter Candy』 by 鈴木・奥田
シングル『Sweet Bitter Candy・秋〜冬 - featuring 奥田民生』 / ムーンライダーズ『月面讃歌』
『月にハートを返してもらいに』 by 鈴木
鈴木慶一『SUZUKI白書』
『横顔』 by 大貫・矢野
大貫妙子『ミニヨン』
『Mon doux Soleil』 by 奥田・大貫
大貫妙子『LUCY』
『遠い町で』 by 宮沢・奥田
宮沢和史『Sixteenth Moon』
『突然の贈りもの』 by 大貫
大貫妙子『ミニヨン』
『Rain』 by 宮沢・大貫
大貫妙子『LUCY』
『抜殻』 by 宮沢
宮沢和史『Sixteenth Moon』
『二人のハーモニー』 by 宮沢・矢野
矢野顕子 & 宮沢和史シングル曲 / THE BOOM『Singles+』 / 矢野顕子『The Very best of Yano Akiko』
『ピーターラビットとわたし』 by 全員
大貫妙子『クリシェ』
『イオン』 by 奥田・矢野
奥田民生『GOLDBLEND』
『ラーメンたべたい』 by 奥田
矢野顕子『オーエスオーエス』
矢野ソロ
7/ 6 名古屋『中央線』
7/ 7 大阪『さようなら』
7/ 9 札幌『どんなときも どんなときも どんなときも』
7/11 東京『すばらしい日々』
7/12 東京『さようなら』
7/14 仙台『ひとりぼっちはやめた』
7/16 広島『しようよ』
7/17 福岡『ひとつだけ』
7/17 大阪『すばらしい日々』
『ニットキャップマン』 by 鈴木・矢野
ムーンライダーズ『Bizzare Music For You』
『塀の上で』 by 全員
はちみつぱい『センチメンタル通り』
『さすらい』 by 全員
奥田民生『股旅』
『それだけでうれしい』 by 全員
THE BOOM & 矢野顕子シングル曲 / THE BOOM 『Singles+』
ツアー終盤の広島と福岡の公演を観覧してきたのだが、演奏の出来やメンバーのほぐれ具合など、いずれも福岡の方が良かったように感じた。以下、福岡での印象を中心に、感想を書いてみたい。
オープニングは、民生氏と慶一氏の組み合わせ。民生氏の迫力ある歌声は、つかみにはピッタリである。
この組み合わせで2曲演奏した後は、慶一氏のソロ。個人的には、とても印象深い演奏で感銘を受けたが、会場全体のノリとしては、まだ暖まっていないという感じもした。ムーンライダーズの曲を聴いたことがなく初めて慶一氏のボーカルに接した人は、その個性に驚いたのかもしれない。
続いて、矢野さんのピアノをバックに大貫さんの『横顔』。演奏のラスト近く、矢野さんのコーラスが入ってくるところで、しびれまくり。さらに、民生氏が大貫さんの曲をカバー。熱唱する民生氏と、控えめにタンバリンを振る大貫さん。対照的な二人ながら、演奏の出来は素晴らしい。その後、ようやく宮沢氏登場。顔を歪めながらの熱唱。
と、この辺までは、個々のミュージシャンのファンが、それぞれお目当ての人の時に盛り上がり、他の人の演奏は「ほほぅ」という感じで聞いている、という雰囲気だったのだが、宮沢氏 & 矢野さんの『二人のハーモニー』で、ブレイク。ノリノリで歌いまくり & 踊りまくる矢野さんに引っ張られ、ついに会場が一つになったという印象である。そのノリのまま、初めて全員が揃って『ピーターラビットとわたし』。
続くパートでは、民生氏がフィーチャーされ、『ラーメンたべたい』をギター弾き語り。矢野さんのオリジナルバージョンでは、もう少しニュアンスがあるというか「ラーメンをたべたいという衝動の裏」を勘ぐりたくなる気がしていたのだが、民生氏の熱唱は、もう、そうしたことは吹っ飛んで、とにかくラーメンがたべたい、という魂の叫びのようで、ガンガン響いてくる。このコンサートをきっかけに「他人の曲、民生が歌えば民生の曲」という格言が産まれた(嘘。今、勝手に思いついただけですが)。
矢野さんは唯一、演奏曲が固定せず、会場毎に自由な弾き語り。福岡の『ひとつだけ』も、もちろん良い演奏だったが、これに関しては、広島の『しようよ』。初めて矢野さんのライブを聞いた人の度肝を抜いたに違いない、とニヤリとしてしまう。
慶一氏と矢野さんで演るならこれしかない、という『ニットキャップマン』の後、糸井重里氏が書いた詩に、5人それぞれが曲を付けたという『Beautiful Beautiful Songs』のお披露目。演奏順はジャンケンで決定。どの曲も各人の個性が反映されていたが、曲の完成度ということだと大貫さん。個人的にツボにはまったのは慶一氏かな。
そして、いよいよラスト近く。名曲『塀の上で』を全員で。これ、鳥肌もののかっこよさ。そして、『さすらい』で場内総立ち。
アンコールは『それだけでうれしい』。慶一氏と大貫さんの、妙に微笑ましいデュエットも挟みながら、本当にみんな嬉しそうだ。場内も大合唱。いつまでも終わって欲しくない、と思わせる演奏も、矢野さんの振り上げる腕の合図で見事に締まって、公演終了。この時点では「楽しい」しか頭の中には無い。
演奏以外でも、メンバーが楽しんでいる雰囲気が随所に伝わってきた。場内から「MIYAAAA」と黄色い声が飛ぶのを受けて、大貫さんも小声で「ミヤ」と呼びかけて照れてみたり、『Beautiful Beautiful Songs』の他人の演奏中、やはり大貫さんが民生氏の脇腹をつついていたり。さらに、『ピーターラビット』で「おなかこわし」たウサギのあてぶりをする慶一氏と、それを見て爆笑している民生氏。などなど。
場内には様々なファンがいたわけで、早すぎる拍手のタイミングや、お目当てのミュージシャン以外の演奏中に会話する人達には、当初、猛烈な違和感を覚えていたが、会場を包み込む楽しさに、そういうのもやがて気にならなくなった。
最初に、この5人でジョイント・コンサートを演ると聞いたとき感じたのは
ジァンジァンの興奮がまとめて追体験できるのは楽しそうだけど、それだけじゃ、大ホールは辛いかもしれない。皆、ツアー直前まで個人の活動が忙しそうだし、下手したら、5人それぞれ持ち歌を披露して、最後に合唱して終わり、みたいな新鮮味のないコンサートになるのではないか?
という危惧だった。しかし、実際のコンサートは、こちらの予想を大きく上回るクオリティの高さで、実力・技能に裏打ちされた、本物の個性を持ったミュージシャンの凄さ、というものを改めて認識させられた。さらに記憶すべきは、このコンサートが、企業とのタイアップや、何かのプロモーションの一環としてではなく、あくまでもミュージシャン達主導で実現したと言うことだ。「金のために音楽やってんじゃないよ」という思いを同じにする彼らだからこそ、この楽しさとクオリティを達成し得たのだ。
そうは言っても、このメンバーなら、もっともっと楽しくて凄い試みも出来そうに思う。なかなか実現は難しいだろうが、二回目、三回目に期待してしまう。
ほぼ日刊イトイ新聞を参照させていただきました。
おかっぴ@広島さん、あいちゃんさん、まめさん、かのさん、井上雅夫さん、ありがとうございました。