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キャスターの車輪部分が加水分解してしまい、スムースに動かなくなってしまったエレクターのキャビネットが2組。組立から21年が経過しているので仕方ないのですが、他の部分は、全くガタが来ていない。そこで、新しくキャスターだけを買ったところ、微妙に仕様が変わっているようで、新キャスターに付属しているスパナーだと、古いキャスターが取り外せない。これは落とし穴でした。
最近のIN
Keith Jarrettの2枚組のライブ・アルバム「Köln 75」の録音の舞台裏を描いた映画を観てきた。邦題は「1975年のケルン・コンサート」。
このアルバムは、1975年1月24日に、当時の西ドイツ、ケルンのオペラハウスで録音された完全即興演奏によるもので、同年11月30日にリリース。伝説的名盤と言われている作品だ。
コンサートを企画したのは、当時18才の学生、Vera Brandes。ジャズ・フェスティバルでKeith Jarrettの即興演奏を聴き、衝撃を受けた彼女が、様々なトラブルに見舞われながらも、コンサートの実現に奔走する。これが、実際にあった出来事だというのが驚きだ。
ただ、私は、この主人公に全く感情移入出来なかった。生意気で跳ねっ返りで向こう見ずで我が強い。個人的には、近くに居て欲しく無いタイプ。というか、この映画自体が、Vera Brandesが、若き日の武勇伝を自慢げに語っているという感じで、正直、鬱陶しくさえ感じてしまう(18歳の彼女だけで無く、50歳の彼女が登場するパートがあり、エンディング・クレジットの前には、ご本人の映像もある)。
しかし、Keith Jarrettが登場するシーンが、すこぶる興味深い。まさに、全身音楽家。彼のヨーロッパ・ツアーだけを描いたロード・ムーヴィーが観たいぐらいだ。
なお、映画で描かれるのは、コンサートの実現に向けての奮闘であって、コンサートそのものは映像化されていない(Keith Jarrettの許可が下りなかったらしい)。が、それは正解のような気がする。いくら名盤といっても、あくまでも”ジャズの世界”での話。2枚組LPに、
「Köln, January 24, 1975 Part I」
「Köln, January 24, 1975 Part IIa」
「Köln, January 24, 1975 Part IIb」
「Köln, January 24, 1975 Part IIc」
4編の即興演奏が収録されているだけというのは、大衆受けするものではない。また、今では名盤として評価が定まっているが、発売当時は賛否両論だった(私も、昔に聴いた時は、ピンと来なかったな)。その一部だけを映画で流しても、あまり意味は無かっただろう。
18世紀後半の京都の画家、長沢蘆雪の展覧会を観に、府中市美術館に行ってきた。
以前、山種美術館で観た「菊花子犬図」が印象的だったのだ。あのモフモフは、多くの人を惹きつけるようで、入場まで20分以上の行列が出来ていた(一般観覧料 800円というのは、さすが、市立美術館らしい安さでありがたいが、その分、オンライン予約などは無い)。
予想以上に、充実したヴォリュームの展覧会だ。師匠の円山応挙譲りのカッチリした絵から、どこか脱力感漂うユルい絵、現代の漫画に通じるような諧謔味のある絵、そしてカワイイが溢れすぎてる子犬の絵。全70点ほど。なお、会期が前後期に分かれていて、両方合わせると、141点の作品が展示されたことになるようだ。
私が訪れた後期の見どころは、「無量寺の竜と虎を考える」。串本・無量寺の竜と虎の襖絵だ。大画面の迫力有る竜虎なのに、可愛さが漏れ出しているところが、さすが、蘆雪(なお、前期の見どころは「子犬の絵の歴史と蘆雪」だったそうで、こちらも観たかった…)。
展示室内は写真撮影不可だったが、特設グッズ売り場の裏側の壁に、長沢蘆雪の作品が描かれていた。江戸時代に、この可愛さはズルい。何とも癖になる筆致で、20分待ちの行列も納得だ。
なお、展示品リストを見ると、府中市美術館の収蔵品は無く、その多くが個人蔵となっている。これだけの質・量の作品を集めてきた美術館スタッフの努力に、感謝である。
ジャズ・ハープ奏者、Brandee Youngerの公演を観に、ブルーノート東京に行ってきた。
全く知らなかったミュージシャンなのだが、ジャズ・ハープという一点で興味を惹かれた。上原ひろみとの共演で知ったEdmar Castanedaが好印象だったが、果たして、彼女はどんな音なのか。
パフォーマンスは、トリオ編成。
・Brandee Younger(harp)
・Rashaan Carter(b)
・Allan Mednard(ds)
まずは、Brandee Youngerがハープを奏ではじめる。トリッキーなEdmar Castanedaとは違い、正統派っぽいハープの調べ。そこにベース、そして、ドラムスがフェードインしてくる。
間近で観ると、ハープの足下にペダルがあり、それを頻繁に使ってサウンドをコントロールしている。また、手元には(恐らくリバーブ系の)エフェクターがあり、曲毎に細かく調整もしている。
ただ、ハープの音自体は、ダイナミックさにはイマイチ欠けるように思う。その分、演奏が単調になりそうなところ、ドラムスが豊かな表情を加えている。そして、安定感のあるベースがしっかり支えていて、トリオとしてのまとまりがとても良い。癖の強いドラムソロの後にカットインするハープの流麗な響きには、テンションが上がる。
ソウルフルなニュアンスと、スピリチュアルな味わいが同居する、個性的なサウンド。前日に、付け焼き刃で新アルバム1枚を予習しただけで臨んだライヴだったが、大正解だ。
昨年末から始まっている清水ミチコのツアー、初日の浦安市文化会館、正月の日本武道館、2月の厚木市文化会館、3月の清水文化会館マリナートに続いて、5本目の参戦、市川市文化会館に行ってきた。ツアー日程発表直後、とりあえず行けそうな所を全て押さえたのだが、その後、もっと近くで追加公演が発表され、ここまで遠出する必要は無かったなと思いつつ、市川へ。
最寄り駅は、JR総武線 本八幡駅。初めて訪れるところだったので、ホールに行く前に、八幡の藪知らずに立ち寄ってみた。一度、観てみたかったのだが、名称から漂うおどろおどろしさは、皆無。幹線道路に面したちょっとした木立。まぁ、何事も、自分の目で見るにこしたことはない。
閑話休題。文化会館へ。大ホールのキャパは、1,758席。満員だ。
全体の構成は、これまでと同じだが、色々とアップデートされている。特に、先月の清水で初めて観たホルムズ海峡ネタ(「ホルムズ海峡 浮遊景色」)が、大幅にブラッシュアップされているのに爆笑。
後半の、高田漣 & 実弟 ICHIRO氏とのセッション。今回は、松田聖子の”ため”が、これまで以上に溜めまくっているのに笑い、アコースティクYMOメドレー(「Rydeen」~「中国女 (La Femme Chinoise)」~「Tong Poo」)の、さらに練度の高まった演奏に感動。このパートは完全に音楽ライヴだ。
怒濤の終盤戦から、アンコール、そして、Wアンコール。非常に盛り上げ上手な客層で、会場爆笑、総立ち & ブラボーの連呼で、全編終了。このツアー参戦は、今回で最後だが、この3人(& ユキヒロ代わりのメトロノーム)によるアコースティックYMOは、どこか別の機会に、ガッツリやってもらいたいと熱望。
ダメ元で、エレクターの公式サイトに、仕様が変わったのか? と問い合わせたところ、数時間後には「変わっています。古い仕様に合ったスパナーを送ります」との返答。そして、翌日にはスパナーが届きました。このサポートには、驚くやら、有り難いやら。これで、新品同様に復活したキャビネット、あと20年は楽勝で使い続けられそうです。
しかし、これだけ丈夫で長持ちしてしまうと、新規購入の機会は当分無さそう。それなのに、昔の客にこのサービス。値段が高いのも納得だし、次に機会があれば、類似品では無くエレクター一択だなと思った、今日この頃です。
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