番外編、ピアノ弾き語りバージョンと、渋谷クアトロに行きました。
誤りのご指摘や追加情報等あれば、送っていただけると助かります。
地区 | 公演日 | 会場 | 備考 |
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愛知 | 2014年5月13日(火) | 名古屋クラブクアトロ | |
大阪 | 5月14日(水) | 梅田クラブクアトロ | |
神奈川 | 5月17日(土) | モーション・ブルー・ヨコハマ | ピアノ弾き語りバージョン |
東京 | 5月21日(水) | 渋谷クラブクアトロ | |
5月22日(木) |
渋谷一日目は、白のキャップを飛ばし、必死の形相でドラムを叩きまくる姿が印象的でした。二日目は、帽子は飛ばさず。でも形相の凄さはそのまま。矢野さんへの貢ぎ物は、ふなっしー。
渋谷一日目は、帽子はかぶらず、クールにベースを弾きまくる姿が印象的でした。二日目は、黒のキャップで、やはりクールにベースを弾きまくっていました。矢野さんへの貢ぎ物は、リラックマ。
ツアーグッズの営業トークが、すっかり上手くなっています。「人生の最初と最後に矢野顕子(恋愛に夢中の、中間の世代は置いといて)」なる名言も飛び出しました。
ゲスト・アクトとして参加。インドア派っぽいサウンドとは裏腹に、身長184cm。出身地、福島のからっ風で指先がささくれになっていたこと。アンダーグラウンドで活動していたので、その"U"。そして、"K"は本名から。というのが名前の秘密。持ちネタになった、皇族の方ような上品な手の振り方は、最終日には封印されていました。
横浜赤レンガ倉庫にあるモーション・ブルー・ヨコハマ。この日は初夏を思わせる好天に恵まれ、周囲の公園の気持ちよいこと。私は初めて訪れるライヴ・レストランだが、ブルーノート東京と比べると、座席のレイアウトはかなり窮屈な感じかな。
1st Showの開始は17時。アルバムと同じく「電話線」からスタート。ただし、アレンジは、「飛ばしていくよ」版とも「JAPANESE GIRL」版とも違うもので、新鮮。「飛ばしていくよ」の収録曲をピアノ弾き語りで演じるのは、これが初。作り込まれたトラックをバックに歌うのとは違い、歌唱にもピアノにもアドリブが入るのが楽しい。
このツアーでの物販は、「マフラータオル」と「鼻のど甜茶飴」。マフラータオルについては、この夏までには、お客さんが一斉にタオルを放り上げたり、グルグル回したりできるような曲を作りたいとのこと。一方、鼻のど甜茶飴は、以前のコンサートのMCでも、森山良子さんから紹介されたという話をされていたが、なんと生産中止になってしまっていたらしい。しかし、森山さん自ら森下仁丹に乗り込んで、めでたく復刻されたとのこと。その効果は、今日の矢野さんの歌声が何よりの証明ということか、1st Showで既に売り切れになっていた。
「在広東少年」のアレンジは「Home Girl Journey」収録版に近いものだが、スケール感がさらにアップした熱演。そして、ピアノソロでどのように演じるのか興味津々だった「飛ばしていくよ」には、なるほど、こう来たか!と唸らされました。ラストの決め「take flight」のカッコ良いこと!
アンコール一曲目は、客席に「PRAYER」、「David」、「セラピー」のどれが良いかを問いかけた結果の選曲。夕方という時間帯にも、一番、合っていたと思う。そして、アルバムのアレンジをさらに強力にした「YES-YES-YES」で終了。
続いて、2nd Showへ。1stで、あまりよく見えない場所取りになってしまった反省を踏まえ、サイドの一段高くなった座席を選択。矢野さんの真後ろに当たる場所で、ピアノを弾く手元が良く見える。
全く同じ構成でやるのかと思っていたが、微妙に曲順や選曲が変わっている。また、1st Showで演った曲でも、アレンジを変えてきたり、ちょっとした趣向を入れてみたり。これらの曲を弾き語りで演奏するのは、まだ場数をこなしていないからか、矢野さん自身、色々と試しているという感じだ。
中でも「在広東少年」のスケール感が大幅にアップしたような熱演は、相当体力を消耗したようで、ご本人の休憩用(!?)に「David」を挟むことに。その分、本編ラストの「飛ばしていくよ」は、さらに飛ばしまくった演奏に! アンコールの「YES-YES-YES」も、終盤、怒濤のアバンギャルドなピアノ・プレイに大興奮。いやぁ、楽しいライブだった。
「飛ばしていくよ」という、ピアノ弾き語りとは正反対のようなアルバムの収録曲を取り上げながら、これだけのクオリティで、本当にピアノ一台で演りきってしまうとは。改めて、恐れ入りました。
* は、sasakure.UKさんと共演
久しぶりのクアトロ。階下がパルコからブックオフに代わったためか、整理番号順に階段に並ぶことは無くなったのね。場内に入ると、客入れのBGMは、YMO! ステージ向かって左に、矢野さんがプレイするYAMAHA CP1。奥にベース、右手にドラムス。そして、中央にはsasakure.UKさん用の機材が積み上げられている。
ほぼ定刻、矢野さん達登場。まずは「かたおもい」。AZUMA HITOMI嬢製作のトラックをバックに歌い始めるが、途中でガツンと入ってくる神谷洵平さんのドラムの迫力に驚く。続く「在広東少年」は、バックトラックは使わず、ベース、ドラム、ピアノの生プレイで勝負。これが、カッコ良い。圧倒的なバンド・サウンドだ。このライヴ、あくまでも、バンドによる演奏なのだな!
「おおきいあい」は、ハラカミさんのトラックをバックに、リズム隊の音が加わる構成。「愛の耐久テスト」は、三人のバンド・サウンドで、後半の矢野さんのピアノ・ソロが切れ切れ。とにかく、一曲毎のクオリティが凄い。
ここで、一旦、三人が退場し、sasakure.UKさん登場。ソロを披露した後は、矢野さんと共に、アルバム収録の三曲を演奏。どれも、単純にアルバムを再生するようなものではない。コンピューター・サウンドだけど、温もりとライヴ感を感じさせるアレンジと演奏だ。
矢野さんが、ツアーグッズの営業トークをしている間に、sasakure.UKさん用の機材が撤収され、再び、バンドでの演奏に。やはり、バックトラックを使わず、バンドの音に拘ったプレイが続く。特に、矢野さん曰く「不遇なアルバム、reverb」収録の「Happiest Drummer」でのリズム隊二人の活躍には目を見張る。
本編ラスト「飛ばしていくよ」、そして、アンコールの「YES-YES-YES」の白熱ぶりは、もう強力無比の極み。打ち込み系主体のアルバムの発売記念ツアーを、ベースとドラムとピアノだけのバンド・サウンドで演ってしまう。それも、予想を遙かに上回る迫力の演奏で、オール・スタンディングの会場を沸かせるとは、さすが矢野さん!(しかも、番外編は、まさかのピアノ弾き語りだし)
唯一、気がかりだったのは、喉の調子が、絶好調だった土曜日からは、少し落ちていたかな、という気がしたこと。さすがに、これだけの迫力のライヴを繰り広げていたら、鼻のど甜茶飴の効果にも限界があるのかしらん?
昨日とは、14番後の整理番号だったが、全く同じポジションを確保。sasakure.UKさんの正面で、矢野さんの表情も良く見える好位置。恐らく、セットリストは昨日と同じだろうと予測し、曲名を控えるための手帳はしまい込んで、完全集中。
矢野さんの喉の調子は、昨日より良かったと思う。曲の合間に「のど飴を溶かした水」を飲む回数も、ずっと多かったかな。PAのバランスも良くなり、もちろん、爆音なのだが、聞きやすくなったと思う。こちらが慣れたせいかもしれないが。
最終日なので、演奏が盛り上がるのは、当たり前。リズムを刻む矢野さんの足。そして、演奏の終盤、中腰になってドラムスとアイ・コンタクトを交わす姿。カッコ良すぎである。
二回目を聴いて、改めて、今回の構成の妙には感心させられた。トラックとの同期は、最小限に止め、あくまでもバンド・サウンドを主体にしたアレンジ。特に、「在広東少年」は、一切バック・トラックを用いず、ギター・パートも矢野さんのピアノで置き換えた、ゴリゴリのバンド・サウンド。一方、sasakure.UKさんの温かみのあるサウンドは、ご本人を呼んでの演奏。さらには、シークレット・ゲストで、ハラカミさんまで登場。そして、本編ラストとアンコール曲の飛ばしっぷり。最強である。常々、矢野さんはCDで聴くよりもライヴの方が遙かに素晴らしいと実感しているのだが、今回の「飛ばしていくよ」に関しては、この公演を観るまでは、ライヴでは難しいのでは?と勝手に思っていた。しかし、さすがは矢野さん。やはり、CDの数段上を行くプレイを見せてくれた。
そして、ダブル・アンコール。一人で登場した矢野さん。「歌詞が頭に入っていなくても、これなら」ということで、全員で「いもむしごろごろ」を歌う。会場が、ひたすら「いもむしごろごろ・ひょうたんぽっくりこ」を繰り返す中、即興のピアノとスキャットで絡む矢野さん。文句なく楽しい。ああ、良いライヴを体験させていただいた。それにしても、あれだけ飛ばしまくったライヴの締めに「ひょうたんぽっくりこ」って皆で歌うって、知らない人には説明しても分かってもらえないだろうなぁ…