四公演中、調布と秋川に行くことができました。
誤りのご指摘や追加情報等あれば、送っていただけると助かります。
公演日 | 会場 |
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8月7日(木) | 調布市グリーンホール |
8月9日(土) | 秋川キララホール |
8月20日(水) | アクトシティ浜松 |
8月21日(木) | アイザック小杉文化ホール |
会場は、昔ながらの市民会館という風情で、座席が小さめだったりするが、素直な音響のホールだ。
まず、「時節柄」の曲からスタート。4曲目の後には、シューマンの曲を軽く弾きながら語ったり、「Saginaw, Michigan」の前後には歌詞の意味を解説したり(英語の歌詞自体も、ブルーノート東京公演より分かりやすい発音にされていたようだ)、緊張感の高かったブルーノート東京とは一転、リラックス・ムードだ。
しかし、「When I Die」から、一気に演奏のテンションが上がったように思う。やはり、Marc Ribot氏とがっぷり組んで演ってきた曲なので、プレイの完成度が違うという感じ。新しい曲が続く中、織り込まれた「終りの季節」も、間奏のピアノ演奏は「ブルーノート仕様」だと感じる迫力のあるものだった。そして、「股旅(ジョンと)」で本編終了。
新曲の多い公演だったので、ブルーノート東京で予習してきて良かったと思ったが、知人には、新曲をいきなりギター有りの演奏で聴くよりも、最初にピアノ・ソロで聴いて、それからアルバムでギターなどが入ったヴァージョンを聴く方が、楽しみが増えると言われ、なるほど、と感じたりもする。
前半のリラックス・ムードと後半の温度差、さらに、結局は予定調和的なアンコールで終わることが、ちょっと気になったりもしたが、やはり、結論としては「これでいいのだ」なのだ。
会場は、あきる野市にあるキャパ702席のホール。なお、このホールでは、2000年6月20日にもリサイタルが開催されたことがあり、その時とは演奏曲がダブらないように気を配ったという矢野さんだが、「あきる野市」という地名が覚えられず、MCの途中でカンペを見る場面も。
演奏は、夏の定番曲「CHILDREN IN THE SUMMER」から始まったが、私が今まで聴いた中では、一番印象的な演奏だ。さらに、二曲目はピアノ弾き語りで聴くのは初めての「ただいま」。嬉しい驚きの選曲だ。また、「きよしちゃん」の、非常に胸を打つ演奏の後、「今日は電話してみようかな」という語りが泣かせる。終始、高レベルの演奏が続き、アンコールの「ラーメンたべたい」の少し新しい感じのアレンジ、そして定番「ひとつだけ」にてコンサート終了。
調布の時のような、既存曲と新曲との温度差を感じることもなく、近年のリサイタルの中でも出色の出来映えだったと思う。あるいは、調布の時は、私自身の体調が万全ではなく、また、ブルーノート東京での緊迫した演奏が染みついていて、ピアノ弾き語りモードに自分がついて行けてなかっただけかもしれないが…。
いずれにせよ、ピアノの響きも良い感じだったし、これだけの高水準の演奏で、新曲や久しぶりの曲も聴けて、非常に満足度の高いリサイタルだった。