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メンバー | |
2009年8月20日(木) | 18:00 - / 20:45 - |
2009年8月22日(土) | 18:00 - / 20:45 - |
2009年8月23日(日) | 18:00 - / 20:45 - |
ベース演奏だけでなく、歌い、叫び、跳ねる! パワーとサービス精神に満ちたスタイルを見せつけてくれました。その名前は、1977年発売の「いろはにこんぺいとう」以降、様々なアルバムにクレジットされていますが、ライヴで観るのはこれが初めて。
Drummerだけでなく、Painterとしてのキャリアも長く、さらに、鉛管工、屋根葺き職人、シェフ、プール清掃人などもこなせる器用人。ライヴで観るのは、1991年のLove Life Tour、1994年のElephant Hotel Tourに参加されて以来。
Will Leeと、Chris Parker。それぞれ、矢野さんとの共演歴は長いが、三人でのステージはこれが初めて。果たして、どのような演奏になるのか期待していたが、一曲目「BAKABON」から、パワー炸裂。AnthonyとCliffのさとがえるトリオが、求道者的ストイックさで音楽の深みを見せつけるタイプなら、今回のトリオは、もっと直球勝負のロック・バンドという感じ。矢野さんのヴォーカルにも勢いがある。
以前にも披露したことのある The Rascalsのナンバーをフィーチャーした「あたしンち」。ここでは、一部、Willが歌ったのだが、この時の矢野さんがカッコ良い。こういう、ロック・バンドのサポートに回った時の矢野さんのプレイは、かなり私のツボなのだ。
ご本人も、「何でも出来るトリオ」と語っていたが、さすが強者ベテラン・ミュージシャン。まったくスタイルの異なるプレイヤーによって録音された「akiko」からの曲も、見事に自分たちのものにしている。
「若い人達にリズムの神髄を見せつけてやる」ために、このトリオで作ったという新曲がまた良い感じ。三人のテクニックが絡まり合うのだが、それがぶつかり合いじゃなくて、綺麗に調和している。この三人は「トリオ」というより「バンド」と呼びたいところだ。
「変わるし」の途中でメンバー紹介とソロ回し。Willが、途中、別の曲を挟んだり、ステージ前に進み出て観客を煽ったりと、エンターテイナーぶりを発揮する。さすが、米国人気TV番組 "Late Show with David Letterman"で鍛えただけのことはある。
アンコールでもThe Rascalsの曲を取り上げ、大盛り上がりのうちに1st Show終了。最初から最後まで飛ばしっぱなしの、筋肉質でスパルタンなパフォーマンスだった。
2nd Showとの合間、ロビーにはChrisの姿が。握手や写真撮影のお願いに気さくに応えていた。
そして、2nd Show。ひたすら突っ走った1stに対し、もう少しバリエーションを付けたという感じ。「きよしちゃん」のラストに「雨上がりの夜空に」の一部が出てくる泣きの要素と、さらにパワーアップしたソロ回しでのWillの弾けっぷり。そして、アンコールでのThe Rascalsナンバーの、1st以上に熱い演奏。堪能した。本当に、凄腕ミュージシャン達だ。
因みに、今年のオリジナル・カクテルは、モヒートのような「トントン拍子」。
最終日。1st冒頭から、ものすごいグルーブの演奏が続く。特に、Chrisのドラムの切れが格段に素晴らしいと感じる。昨日も凄い演奏だと思ったが、今日の演奏は完全に桁違いだ。The Rascalsを絡めた「あたしンち」、そして、トリオの新曲。三人とも、ものすごい勢いである。
さらに、ソロを挟んだ後半。「すばらしい日々」のWillの口笛も、後半の盛り上がりも、本当に良い感じ。そして、最高潮は、アンコールの「People Got to Be Free」。Willと矢野さんのヴォーカル & コーラスの掛け合いもバッチリだし、間奏では、左手でピアノ、右手でキーボード(オルガン風サウンド)を同時に弾きまくる矢野さんのプレイが、格好良すぎ。まさに、若い奴には出せないグルーブ感。これだけ飛ばして、果たして三人の体力が2ndも持つのか? ペース配分を無視しているんじゃないかと心配になるほどの迫力。圧倒的なパフォーマンスだった。
1stが、あまりの熱演に長引いたため、定刻を少し遅れて2ndが始まる。矢野さんのヴォーカルのテンションが、尋常じゃ無く高い。どの曲も、全てを出し切るかのような迫力。このトリオの新曲では、演奏後に矢野さん自身が「あー、かっこいい!」と口走るほど。
毎回、趣向を凝らした「変わるし」でのWillのソロも、最終公演と言うことで、サービス精神全開。ビートルズ・ナンバーを次々と繰り出し、会場を盛り上げる。
アンコールまで、テンションが落ちることなく突っ走り、今年のブルーノート東京公演、終了。楽器演奏に限って言えば、1st Showの方が完成度が高かったと感じたのだが、2ndは三人のテンションが凄かった。Willは、ベーシストとしてだけでなく、ヴォーカリスト、さらにはエンターテイナーとしても見事なパフォーマンスだし、Chrisの「New Stuff」でのソロは、鳥肌モノ。そして、矢野さんの超ハイテンションのプレイ。最後は、場内が明るくなり、前方スクリーンに今後の出演ミュージシャンの紹介ビデオが写され出しても、アンコールの拍手が鳴り続けたほどの盛り上がり。
最近は、技巧派で個性的なミュージシャンとの真剣勝負のような共演が多い矢野さんだが、今回は、グルーブ感重視のストレートなバンド・サウンドを展開。しかも、バックは、わざわざこのために、TVのレギュラー番組に代役を立てて来日してくれたWill Leeと、その的確なドラムで、弾けまくる二人を見事に支えたChris Parker。二度と見ることのできない貴重なライヴだったと思う。その最高に盛り上がった最終日の目撃者となれたことが、本当に嬉しい。
佐藤@(20世紀)ベース少年さん、ありがとうございました。