|
勤務先の夏期休暇と同時に、夏の矢野顕子強化月間前半の開始。まずは、毎年吉例、八ヶ岳高原音楽堂へ。今年は、ちょうど夏季休暇と被ったので、高原ロッジに1泊。
最近のIN
話題になっている「ちいかわ」の映画を観てきた。
夏休み中の平日ということで、館内にはお子様も沢山。上映前はかなり騒がしく心配したのだが、映画の間は、皆、良い子にしてくれていて、安堵。
私は、主要キャラクターの見分けが付く程度の予備知識で観たのだが、特に鑑賞に支障は無い。中々、良く出来たストーリーの映画で、大人達にも好評なのは良く分かる。
物語自体は、良くある"人魚を巡る奇譚"。要所要所に伏線が張られ、ミステリーとしての完成度も高い。もっとも、対象年齢の広い作品なので、謎解きがとても分かりやすく説明されているのは、底が浅いとも言えるか。まぁ、やたら勿体を付けた製作者の自己満足のような凡百のスリラーに比べると、圧倒的に好ましい。
話題になっているという事に関しては、結局、可愛い絵柄で、おどろおどろしい奇譚を語るギャップが、ネット上に考察や絶賛を溢れさせているのだと思った。過大評価と感じるものも多いが、そうした考察に耐えうる奥行きのある背景を、一見子供向けの作品に遠慮無く盛り込んだ原作者と製作陣の力量と覚悟は、確かにすごい。
話題作を押さえるという邪心ではあったが、観ておいて損の無い映画だった。また、ハードな面もある作品だが、こういう、色々考えることができる作品を小さなお子さんが観るのも良いだろうなと思う(映像は問題ないが、1箇所、トラウマになりそうな鈍器の音はあったが…)。
以前から行きたいと思っていたアサヒグループ大山崎山荘美術館を訪れた。
ここは、関西の実業家であった加賀正太郎が大正から昭和初期にかけて建てた「大山崎山荘」を、紆余曲折の末、アサヒビールの企業メセナ活動として保存することになり、1996年4月に開館した美術館。本館などの建物は、国の登録有形文化財に指定されている。
阪急京都線の大山崎駅から、無料の送迎バスで美術館へ(徒歩10分程度だが、上り坂がきついので、行きはバスを利用するのが吉)。バスを降り、トンネルをくぐり、坂道をさらに登ると、山荘が見えてくる。
建物内は一切撮影禁止なのが残念だが、想像を遥かに超える、趣のある山荘だ。凝った木造建築の中には、意匠を凝らした照明や、ステンドグラス。ドイツのPOLYPHON社製の円盤オルゴールの豊かな響き。なんとも贅沢な空間だ。
本館では「共鳴 河井寬次郎×濱田庄司」と題した展覧会。アサヒビール初代社長・山本爲三郎が支援した民藝運動の中心人物、河井寬次郎と濱田庄司の陶芸作品が並ぶ。「海鼠釉片口」など、陶芸には疎い私でも綺麗だと思える作品多数。
そして、もう一つの展示が「没後100年 クロード・モネ展」。この美術館が所蔵するClaude Monetの作品 全8点の内6点が、別館「地中の宝石箱」に飾られている(会期中に展示替えがあり、8点全てが飾られる予定)。安藤忠雄設計による地下の展示室は、美術館の開館時、「睡蓮」のために作られたもので、クラッシックな木造の本館から一転、コンクリート打ち放しの円形の空間になっている。Monetの作品自体は、あちこちの展覧会で観てきたが、この独特の空間での鑑賞体験もまた、格別。
レトロな喫茶室で休憩後、庭園を散策。また違う季節に、機会を見つけて再訪したいと思いつつ、帰りは徒歩で坂を下る。東京都庭園美術館の建物公開のような、建物自体にスポットを当てた展覧会があっても良いのにな。
弾き語り形式のインドア・フェス「Baby Q」。矢野顕子目当てで、金沢市文化ホールに行ってきた。他の出演者は、青葉市子と長岡亮介。私がこのフェスに参戦するのは、2022年の横浜場所 & 大阪場所以来だ。
会場の金沢市文化ホールは、1982年11月にオープンした多目的ホール。キャパ899席。客席が扇形に広がる綺麗なホール。椅子のクオリティも高い。私の席は、前方の中央。良いポジションだが、矢野顕子鑑賞の観点では、ピアノを真横から観る角度になり、手元が見えないのがちょっと残念。
17時30分、トップバッター 青葉市子。繊細なギター(一部、キーボードも演奏)に、ハイトーンのウィスパー・ヴォイス。独特の存在感を放つシンガーソングライターだ。囁くように、時には、歌うように語られるMCや、舞台上に置かれたキャンドル風の照明も相まって、彼女独自の世界をステージ上にしっかり構築している。終盤のクセ強歌唱がやみつきになる「さよならペンギン」や、「悲しくてやりきれない」を挟んでの「もしもし」など、鮮烈な印象が残った。
セット・チェンジがあり、2番手は長岡亮介。東京事変のギタリスト。私は、「SPEEDSTAR RECORDS」のイベントで、星野源と共演したのを観たことがある程度。これまで、ほとんど聴いたことがミュージシャンだ。自身のオリジナル曲と、「Miss The Mississippi and You」や「Long Black Veil」などのカントリーのカヴァー。当たり前だがギターは上手く、歌唱も聴きやすい。ただ、私にとっては、オリジナル曲に(クオリティは高いのだが)個性が感じられず、むしろ、本当に好きなのが伝わってくるようなカントリー・ソングの方が好印象だった。
グランドピアノと特注の椅子がセットされ、お目当ての矢野顕子。出だしのPAが、ヴォーカルにリヴァーブが効き過ぎている印象で、ちょっと不安を覚える(その後、改善されたが)。新アルバムから「DO YOU LOVE ME?(愛されたいおれら)」で始まり、安定の「David」で、出だし好調だったのだが、3曲目に「YOU ARE SPECIAL TO ME」を演りかけたところで、キーを見失い、結局、演奏継続を断念。勝手知ったる「ごはんができたよ」に切り替えるハプニング。その後の「THE RIVER」、「TONG POO」で持ち直したかと思ったところで、早くも6曲目に「ラーメンたべたい」(今回は、最近の歌唱では珍しく”ニンニク入り”)。そして「ひとつだけ」で終了。矢野顕子のパートは全7曲、50分間ほど。まぁ、このイベントでは1人当たりの持ち時間はこの程度ではあるのだが、アンコール無しでイベント全体があっさり終わったのは、ちょっと物足りない。前に観たBABY Qでは、アンコールで矢野顕子と大橋トリオが共演したのだが、今回は、他の出演者との絡みもなし。やや時間が押し気味だったせいもあるのかもしれない(20時終了予定とアナウンスされていたが、矢野顕子の部の開始が19時20分過ぎ。スケジュール自体に無理があったか…)
ということで、やや残念感もあったのだが、地方遠征して矢野さんのソロ公演を観るのは、それだけで楽しいので、無問題なのだ。
金沢に遠征に来たので、少し、観光地も巡ってみた。到着したのは、コンサート前日の午後。宿泊したホテルのプランが、バスの1日フリー乗車券付きだったが、翌日に使うことにし、まずは徒歩で会場の金沢市文化ホールの場所を確認(コンサート後、北陸新幹線の最終に乗らなければならず、下手したら途中退席でダッシュする可能性もあるので、道に迷うわけにはいかない)。
文化ホール確認後、香林坊の方に出てみた。街中では、「金沢ゆめ街道2026」なるイベントが開かれていて、マーチング・バンドが練り歩いたりしているが(Van Halenの”Jump”の鼓笛隊アレンジが可愛い)、私の苦手なYOSAKOIソーランの演舞もあるらしく、早々にその場を離れ、近江町市場を通り抜け、ひがし茶屋街まで歩く。
ひがし茶屋街。重要伝統的建造物群保存地区ということで、確かに風情のある町並みが残っている。軒に吊されたトウモロコシの魔除けなど、伝統が息づいているのも興味深い。
が、当然、観光客も多い。和風のお洒落な飲食店に心惹かれるが、全てスルー。とりあえず街を一巡りし、制覇した気になる。
そこから、翌日のランチを予約した寿司屋の場所まで確認がてら歩いて行き、金沢城公園と兼六園の間を通り抜ける。どちらも有名観光地ではあるが、夏場、広大な園内を散策するのは体力を削がれそうなので、結局素通り。
金沢城公園の近くの尾山神社へ。1873年創建の、前田利家と妻のまつを祀る神社。
なんと言っても見どころは「神門」。神社の門とは思えない和洋折衷のデザイン。最上階には色ガラスがはめ込まれ、キリスト教会のようでもある。
なお、色ガラスの様子は、境内側から見た方が良く分かる。東京国立博物館で観た前田家の威光を、現地で実感である。
尾山神社は、金沢市文化ホールの近く。ということで、結局、3時間弱、バスを使わず、ぐるっと一周の徒歩旅行。これで、金沢で行ってみたいと思っていたところの大部分は網羅してしまった。
翌朝は、バスのフリー乗車券を使い、国立工芸館へ。旧陸軍の建物を再利用した落ち着いた館内に渋い工芸品が並ぶ。その地味さ故か、観覧者は多くなく、ゆったり過ごすことが出来る。
そこから、金沢21世紀美術館に歩いて行ってみたが、予想通り、もの凄い人出。開催中の企画展が、あまり興味を惹くものではなかったので、こちらは早々に退散。その後、それ以上の観光は入れず、午後は体力温存モードで過ごす。
なお、Gemini先生に教えてもらって夕食に訪れたビストロ & バー。さらに、日頃お世話になっているお店の系列店の寿司屋での昼食と、食に関しては、満足度の高い金沢訪問だった。
例年よりも少し早い、真夏の時期の八ヶ岳高原。このタイミングだと、花やキノコがあまり見られないのが残念。それでも、夜空の星の美しさや、早朝の美鈴池の心地よさなど、大いにリフレッシュできました。
|