IN/OUT (2014.3.23) |
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駅前広場の雑居ビルの壁面に、大型の広告ディスプレイが取り付けられました。渋谷のスクランブル交差点だと、多数のディスプレイに映し出される広告映像と満員電車並みの人混みが、なんとも独特の世界を作っている訳ですが、うちの近所のショボい駅前だと、なんか、貧乏くさくて見苦しい…。 最近のIN「驚くべきリアル / MOTアニュアル2014 フラグメント―未完のはじまり」 (14.3.22)東京都現代美術館で開催中の展覧会に行ってきた。 まずは、スペイン、ラテンアメリカの現代アートを紹介する「驚くべきリアル」。慶長遣欧使節団派遣400周年を記念した「日本スペイン交流400周年事業」の一環として、カスティーリャ・イ・レオン現代美術館(MUSAC)のコレクションから27作家・46点の作品を展示。 ヴィデオ、絵画、インスタレーションと作品の幅は広く、気に入った物もあれば、ピンと来なかった物もある。そんな中、一番、グッときたのは、Carlos Garaicoaのインスタレーション「地はなぜこんなにも自らを天に似せようとするのか(II)」。暗い室内に入ると、眼前に広がる光が、上空から見下ろした地上の夜景のようでもあり、天空の星空のようでもあり。写真撮影自由だったので、撮ってみたけど、縮小画像じゃ、あの衝撃がさっぱり伝わらないな… Javier Téllezのヴィデオ作品「保安官オイディプス」も興味深かった。ギリシャ神話「オイディプス」の物語を、ストーリー自体は結構忠実に、しかし舞台を開拓時代のアメリカに置き換え、西部劇仕立てにした作品。さらに驚かされたのは、登場人物が日本の能面を付けて演技をすること。動かないはずの能面が、場面毎、表情豊かに感じられるのに驚く。ギリシャ神話×西部劇×能のミックスが、違和感なく観られるのが楽しい。 続いて、もう一つ開催中の「フラグメント―未完のはじまり」。日本の6組の若手アーティストの作品を紹介する展示だ。これは、どの作品も大いに楽しめた。特に、高田安規子・政子の一卵性双生児ユニットによる、軽石、苔、吸盤などありきたりの物を、全く異なる美しさを持った別の物に変換させた作品群と、本、文字、消しゴムなどに繊細かつ執拗な細工を加えた福田尚代の作品群が、秀逸。「フラグメント(=断片、かけら)を通して世界を捉えなおそうとする試み」という展覧会のテーマに見事に沿った世界を見せてくれた。 「ペンギン・カフェ新作リリース記念 トーク&ライヴ ~サンドッグ~」 (14.3.23)Penguin Cafeの新アルバム「The Red Book」の発売記念イベントを観に行ってきた。会場は、南青山、SPIRALの地下にあるCAY。タイ料理を中心とした食事を出すライヴ・スペースだが、今回は、特別イベントなので料理は無し。テーブルも片付けられて、ぎっしりと椅子が詰まったレイアウトになっていたが、ワン・ドリンクでビールを頼んだら、シンハが出てきた。さすが、タイ料理屋。 イベント前半は、Penguin Cafeのリーダー、Arthur Jeffesと、ピーター・バラカンによるトークショー。いきなり、新曲"Solaris"のPVに出てくるピアノが、日本では滅多に見かけないBluethnerだという、ピーターのマニアックな指摘からスタート。Arthurの曾おばあさまの最初の夫が、あの南極探検家のRobert Scottだっという家族秘話から、新アルバムの曲紹介まで、なかなか濃い話が続く。内容もさることながら、英語でインタビューしながら、適宜、日本語で観客に要旨を伝えるピーターのテクニックに、感心(と同時に、自分のヒアリング力の低下も実感…)。 そして、後半はArthur JeffesとOli Langford(バイオリン)の二人による演奏。Oliは、Penguin Cafeのメンバーで、かつ、Arthurと二人でスピンオフのプロジェクト"Sundog"を一緒にやっているそうだ。しかし、現在のPenguin Cafeは、11人編成。果たして、二人でどこまで、あのサウンドを再現できるのかと不安もあったが、聞いてびっくり。驚くほど素敵な演奏だった。Penguin Cafe Orchestra(Arthurの父、Simon Jeffesが率いていた音楽集団)の曲、Penguin Cafe(Simonの病死後、Arthurが復活させたプロジェクト)の曲、そしてSundogの曲。どれも、ミニマルで心地よくて、ちょっとエスニックなPenguin Cafeの世界だ。 元々は、このイベントに行けば、本公演はパスしても良いかなと思っていたのだが予想を超える演奏に浸った結果、会場で先行発売されていた9月の来日公演のチケットを購入してしまった。 もちろん、それなりに乗降客がいる駅なので設置したのだと思いますが、あまり広告主にはアピールしていないようです。ディスプレイに映し出されているのは、各社のCMよりも、「このディスプレイに広告を出しませんか」という、自らの宣伝の方が多いという、皮肉な状態に… |