2011年11月23日発売
UCCT-9022 SHM-CD+DVD(初回限定盤)/ UCCT-1233(通常盤)
Produced by Akiko Yano & Hiromi
公開録音でも1曲目に演奏した曲でした。透明感溢れるイントロに一気に心を持って行かれます。ここだけ聴くと、ちょっとプログレっぽいと感じたりもしましたが、その後にお二人ならではの怒濤の掛け合いが展開。演奏中に唸る上原さんの声も、(当たり前ですが)ちゃんと録音されてますね。
わらべうたに John Coltraneの演奏でお馴染み「AFRO BLUE」で味付けした演奏は、これまでの共演でも披露されていましたが、見事なアイディア&再構築です。矢野さんがパーカッションのようにピアノを叩く音も入っていますが、この辺のパフォーマンスは上原さんの影響でしょうか。
上原さんのオリジナルに矢野さんが新たに詞を付けた、アップテンポでノリの良い作品。CAPE COD Potato Chipsは、アメリカで有名なポテト・チップス。これを曲のタイトルにしたのは、矢野さんのラーメンへの対抗か?ライヴでは良く聞き取れなかったのですが、歌詞も良いですね。
アメリカのシンガーソングライター、ビル・ウィザースの代表曲の一つをアレンジ。美しいポップ・チューンの趣ですが、お二人にかかると、やはりそれだけでは終わらない中盤の展開が待っています。
これまで、何度か矢野さんのライヴで演奏されていた新曲が、上原さんとの共演という形でレコーディング。上原さんのうなり声、直接ピアノ線を引っ掻く演奏、そして矢野さんのスキャット。楽しさてんこ盛りの演奏です。
グレン・ミラーの演奏などでお馴染み"Don't Sit Under the Apple Tree (With Anyone Else But Me)"と「リンゴの唄」が、リンゴ繋がりで合体。ライブでは、これが本編ラスト。たっぷり10分間、楽しくて、エキサイティングで、驚きに満ちた、このライヴの全てが詰まったような演奏です。
ライヴでのアンコール・ナンバー。Miles Davisの"So What"を取り入れたお二人ならではのアレンジで始まり、終盤はオリジナルのアレンジを活かしながらも想像を超えた次元にまで突入するとんでもないピアノの掛け合いになだれ込む、大興奮曲。