浜離宮朝日ホールの他、ぎふ清流文化プラザも予定されていましたが、岐阜県が「まん延防止等重点措置」地域として指定(8月20日〜9月12日)、さらに「緊急事態宣言」の対象地域に指定(8月27日〜9月12日)されたため、開催中止になってしまいました。
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会場の浜離宮朝日ホールは、朝日新聞東京本社の新館2階にある客席数552席のホール。音響の良さに定評がある。今回は、このホールのリニューアルを記念したコンサートシリーズの一環。ピアノはSteinway。客入れに流れていたのはNilssonかな(懐かしの”Everybody's Talkin'”を確認)。
まずは、新アルバムから糸井重里作詞の2曲。最初のMCでは、これが1年9ヶ月ぶりの「フルに客を入れた」公演であることを明かす。確かに、ブルーノート東京も含め、間引きされた観客席での公演が続いていた。それに応える拍手が、とても綺麗に響く。極めて音響の良いホールであることを実感する。
さらに、糸井氏が詞を書いた「春咲小紅」、細野さんの「相合傘」と続き、フジファブリックの「Bye Bye」、糸井氏の「わたしがうまれる」と、前半は矢野さん完全オリジナルの作品無しのセットリスト。「Bye Bye」演奏後、フジファブリックは解散したんじゃなかったっけ、と矢野さん。
全体に、ブルーノート東京よりもリラックスした感じ。時間も長目なためか、MCも饒舌だ。「わたしのバス(Version 2)」の演奏前には、「そのうち、『愛の除雪車』なんて曲を作るかも」
今回の来日では、練習スタジオに置いてあったピアノが Bösendorfer。ブルーノート東京は C. Bechstein。ビルボードライブ大阪にはヤマハ CFXを入れてもらい、今日は浜離宮朝日ホールご自慢のSteinway。入国後の2週間の隔離の辛さも、これだけ良いピアノを弾けたのでチャラになるとのこと。ただ、私が勝手に抱いた印象では、今回のSteinwayとは、仲良くなるまでに結構苦労されたような気がする。
新旧織り交ぜての選曲だが、特に、ラスト近くの「音楽はおくりもの」の演奏・歌唱が熱い。そして、本編ラストは「ひとつだけ」。
アンコールで登場した矢野さん。まずは「皆さんにお詫びがあります。フジファブリックは解散していませんでした。」 そして、モニタースピーカーの音量チェックをした流れで、自分の生声が、このホールでどう響くのか確認しつつ、「ラーメンたべたい」の演奏になだれ込む。これが、ブルーノート東京で聴いたときよりも、さらに攻めたアレンジ。凄い。
ということで、久しぶりの(観客席も演奏時間も)フルサイズの公演終了。アレンジ、歌唱、選曲、そしてMC。全てにおいて、自由度がとても高いパフォーマンスだったと思う。
これで、この夏の来日公演は全て終了。野外での上原ひろみ嬢との共演や、地方でのソロ公演(都内の小規模ホールとは、かなり違う雰囲気になっていたと想像する)が飛んだのは残念至極だが、バンドとソロの両方を堪能。この充実ぶりからすると、年末のさとがえる&鎌芸が、とんでもないことになりそうで、今から超絶楽しみなのである。