矢野顕子 & オーケストラ・アンサンブル金沢



button スケジュール

公演日会場
2004年7月31日(土)石川県立音楽堂コンサートホール
2000年8月1日(日)ポートピアホール

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button メンバー

渡辺俊幸

矢野さんとは青山学院高等部時代の同級生。「赤い鳥」のドラマーとしてプロデビューし、さだまさしさんのアレンジャー / プロデューサーとして活躍された後、米国で作編曲と指揮法を学ばれ、多くの映画やテレビドラマの音楽を手がけています。OEKとはNHK大河ドラマ「利家とまつ」の音楽を担当してからのご縁だそうです。(ちなみにNY在住の矢野さんはその話を知っても、「りけとまつ」?と、どこで区切って読むかも分からなかったそうな…

オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK

1988年設立。音楽監督は岩城宏之氏。金沢に拠点を置きながらも、国内外で精力的な活動を行い注目を集めるオーケストラ。

矢野顕子

滅多にない、フル・オーケストラとの本格的共演という機会に、とても嬉しそうでした(同時に、ジャズ・スタンダードの歌唱ではずいぶんと緊張もされたそうですが)。

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button セットリスト

第一部:渡辺俊幸指揮・オーケストラ・アンサンブル金沢(両日共通
  1. ファンファーレ・フォー・ザ・セレブレーション(渡辺俊幸
  2. 大地の子(渡辺俊幸
  3. スターウォーズより メインテーマ(ジョン・ウィリアムズ
  4. E.T.より フライングテーマ(ジョン・ウィリアムズ
  5. シンドラーのリストより メインテーマ(ジョン・ウィリアムズ
  6. ジュラシック・パークより テーマ(ジョン・ウィリアムズ
  7. 交響的幻想曲「能登」(渡辺俊幸
第二部 矢野顕子を迎えて
7月31日 ソロ
  1. あたしンち
  2. ニットキャップマン
  3. Night Train Home(新曲
8月1日 ソロ
  1. 電話線
  2. あたしンち
  3. Night Train Home(新曲
OEKとの共演(両日共通
  1. おおパリ
  2. LOVE LIFE
  3. MY ROMANCE(ジャズ・スタンダード
  4. ひとつだけ
アンコール
7月31日 ソロ
  1. GREENFIELDS
8月1日 ソロ
  1. SUPER FOLK SONG
渡辺俊幸指揮・オーケストラ・アンサンブル金沢(両日共通
  1. 利家とまつより「颯流」

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button レポート

button7/31、石川県立音楽堂ホール

第一部は、渡辺俊幸氏指揮によるOEKの演奏。渡辺氏の作品と、ジョン・ウィリアムスの作品が披露された。個人的には、フル・オーケストラの生演奏で聴くスターウォーズに燃えた。条件反射的にオープニングの文章が流れる映像が浮かんでくる。それだけ、OEKの演奏が上手いということだろう。20分の休憩後、渡辺氏の紹介によって矢野さん登場。

最初は、ピアノ・ソロ。演奏の調子は非常に良い。特に「Night Train Home」が秀逸。良い曲だと改めて思う(因みに、初めて聞いたときは、歌詞中、勾配の単位が%になっていたのが、ちゃんと‰に訂正されていた

続いて、オーケストラが入り、渡辺氏とのトークの後、「おおパリ」と「LOVE LIFE」。矢野さんの演奏スタイルとオーケストラの組み合わせに不安も感じていたのだが、全くの杞憂だったようだ。とても丁寧で、矢野さんの良さを活かすオーケストラ・アレンジが施されていると感じた。ジャズ・スタンダード「MY ROMANCE」は、オーケストラをバックに、矢野さんはスタンディングで歌唱に専念。OEKとの共演の最後は「ひとつだけ」。これに関しては、割と「普通」のポップス・アレンジという印象で、もっとオーケストラらしさを強調しても良かったのではないかと感じた。

渡辺氏と矢野さんが舞台袖に引っ込んでは、拍手に促されてすぐに再登場、を繰り返す、クラシック・コンサートでの文法に則ったアンコールでは、ソロで「GREENFIELDS」。本当は、この曲こそオーケストラとの共演で聞きたかった。最後に渡辺氏指揮、OEKの演奏で「利家とまつ」。

渡辺氏の編曲と、OEKの演奏能力の高さが、矢野さんの世界ときれいに融合した、予想以上に良い演奏だった。ただ、事前準備の問題があるから仕方ないのだろうが、共演が4曲だけというのは、物足りなさが残る。

さらに、石川県立音楽堂の音響・雰囲気が実に素晴らしかった。地方都市でありながら、高い実力を誇り商業的にもがんばっているオーケストラを維持し、駅の真ん前に、こんなに立派なコンサートホールを造ったということは、石川県の文化度の高さを物語っていると思う。因みに、この日は金沢の花火大会だったせいか、浴衣姿の女性観客もちらほら。

button8/1、ポートピアホール

ここは、神戸、ポートピアホテル内にあるホールだが、ホテル併設の施設とは思えない規模のホールだった。ただし、前日の石川県立音楽堂に比べると、雰囲気、音響とも一歩譲るという感じではある。

第一部は、昨日と同じ。
矢野さんのソロの調子の良さは、「Night Train Home」が始まる前のピアノをつま弾きながらのMCの充実に現れていたと思う。

OEKとの共演は、私が聞き慣れたという要因もあったとは思うが、昨日よりも一層、まとまりが出ていると感じられた。「おおパリ」の演奏は、特に充実し、オケ全体と本当に息が合ったものだったと思う。さらに、昨日はちょっと否定的な感想も抱いた「ひとつだけ」も、今日の演奏は「このポップ感を押し出した世界を提示したかったのか!」と納得させられる力のこもったものだった。

4曲だけではもったいない、是非、次の機会を楽しみにしたい企画だった。

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