AKIKO YANO TRIO featuring WILL LEE & CHRIS PARKER
2016年、沖縄県 浦添市てだこホール / ビルホードライブ大阪 / Blue Note Tokyo公演


誤りのご指摘、追加情報等あれば、送って頂けると助かります。

メンバー
2016年8月11日(木):沖縄県 浦添市てだこホール(大ホール)
2016年8月13日(土):ビルホードライブ大阪
2016年8月14日(日):ビルホードライブ大阪
2016年8月16日(火):ブルーノート東京
2016年8月17日(水):ブルーノート東京
2016年8月19日(金):ブルーノート東京
2016年8月20日(土):ブルーノート東京

button メンバー

Will Lee(bass

沖縄から始まった今年のツアー。先に石垣島に行って、ダイビングを楽しんだ"Dive Master"としての顔もお持ちです。

Chris Parker(drums

こちらは、沖縄でも絵を描かれていたそうです。今年も、団扇などの作品の販売も行っておられました。さらに、タップダンサーとしての顔もお持ちだとか!

矢野顕子(piano, keyboard

「もうちょっときちんと弾いたら上原ひろみになる」の至言有り。40周年記念の「矢野山脈」、最後まで正確な値段も収録曲数も把握されていなかったような…

ページ先頭へ ページ最後へ

button 2016年8月16日(火)

buttonセットリスト

2nd Show
  1. そりゃムリだ
  2. 自転車でおいで
  3. Georgy Porgy(TOTO
  4. Rockin' Pneumonia and the Boogie Woogie Flu(Huey 'Piano' Smith
    曲中、"Firecracker" by Martin Denny / Yellow Magic Orchestra
  5. やめるわけにゃいかないわ
  6. ゴジラ(伊福部昭
    モスラの歌
  7. ラーメンたべたい
アンコール
  1. ひとつだけ
  2. 在広東少年

buttonReport

今年のカクテルは「愛はすべてをこえるのさ」。矢野さんは、ピアノの他にNord Electro 4 HPも使用。

まずは、最近、オープニングに取り上げることが多い「そりゃムリだ」からスタート。Willのシンセベース&コーラスが良い感じ。続く「自転車でおいで」、Willのベース&口笛と矢野さんのエレピ・サウンドの響きが泣かせる。

じっくり聴かせる演奏が続いたと思ったら、一転、TOTOのカバー。矢野さんがWillのヴォーカルをフィーチャーするためにリクエストしたそうだ。「Georgy Porgy」は、TOTOのナンバーでも個人的ベストなので、とても嬉しい。因みに、2012年にコットンクラブで観た"WILL LEE'S FAMILY featuring STEVE GADD & CHUCK LOEB"公演でも、この曲が演奏されていた。というか、Willの1st ソロアルバム(1993年発売「OH!」)にも収録されている曲なのだ。矢野さんのコーラスは、TOTOのオリジナルとは違うタイプだが、これもまた良し。このトリオでの演奏を聴くことができるとは、つくづく、嬉しいサプライズだ。

さらに、Huey 'Piano' Smithの1957年のヒット曲のカバー。Johnny RiversやAerosmithもカバーしている名曲だが、間奏にYMOの"Firecracker"を挟むという工夫が! Willのアイディアらしい。矢野さんは「皆が知っている曲なので、間違えないように気を遣った」とおっしゃっていたが、これまた楽しいサプライズだ。

5月に亡くなられた冨田勲さん作曲の「やめるわけにゃいかないわ」では、WillとChrisのソロがたっぷり。聴き応え十分。

続いては、あの咆哮が再生され、超ノリノリの「ゴジラ」のテーマに突入。滅茶苦茶カッコ良いアレンジなのだが、私の頭の中には「ゴジラゴジラゴジラとメカゴジラ」の歌詞が流れていた…。そこから、ノンストップで「モスラ」になだれ込む怒濤の展開。矢野さん曰く「怪獣大戦争」。

本編ラストは、熱い「ラーメン」。そして、アンコール一曲目は、意外にもこのトリオで演奏するのは初めての「ひとつだけ」。心地よいスピード感溢れるアレンジだ。そして最後は「在広東少年」の大熱演で終了。

様々なサプライズに満ちた、熱い公演だった。このトリオの引き出しの多さには、8年目の今年も、驚かされるばかりだ。

ページ先頭へ ページ最後へ

button 2016年8月17日(水)

buttonセットリスト

2nd Show
8月16日と同じ。

buttonReport

私が観戦するのは二日目だが、ツアーは終盤の五日目。しかも、明日は休演日ということもあってか、昨日とセットリストは同じだが、三人の掛け合いがさらにパワーアップしたような演奏だ。

「自転車でおいで」では、Willに日本語コーラスも期待したいところだが、それは無理かな(「そりゃムリだ」のコーラスは完璧なのになぁ…)。「Georgy Porgy」での三人のプレイのカッコ良いこと。ギター無しの編成でこの曲を演奏するために、よく練られた構成だと、改めて感心。

「Rockin' Pneumonia and the Boogie Woogie Flu」でのノリノリの掛け合い、そして演奏終盤に繰り広げられた、歌詞に引っかけたWillと矢野さんの台詞の応酬も楽しい(今回、調べたところ、この曲が日本に紹介された時「ロッキン肺炎ブギウギ流感」とう直訳邦題が、本当に付けられていたみたいだ)。

この曲の後、矢野さんの販促コーナーとなるのだが、40周年記念グッズの黄色い手ぬぐいに、何故か絡んでくるWill。昨日は、腰に巻いて怪しい踊りで矢野さんを呆れさせていたが、今日は、色合いが"Girly"ということで、姉さん被りを披露。このミニコーナー、どう発展していくのか楽しみだ。

「新日本紀行のテーマ A.K.A. やめるわけにゃいかないわ」の演奏前には、富田さんのハーレー(サイドカー付き)の思い出話を披露。演奏では、間奏でしっかり「新日本紀行」のオリジナルの雰囲気のピアノを聴かせてくれました。

怪獣大戦争からアンコールまで、まさに息をもつかせぬ怒濤の展開なのだが、今回のトリオ公演では、懐かしの曲については、オリジナルのレコード・バージョンの雰囲気を大切にしたアレンジになっていると思う。それは、アレンジだけで無く、「自転車でおいで」のエレピや口笛、「Firecracker」のシンセサウンドなど、音色にも言える。耳に染みついたあの音色が蘇ってくるのだ。そして、様々なアレンジで披露されてきた「ラーメンたべたい」が、「オーエス オーエス」収録バージョン通りのアレンジだったのが、特に嬉しい。一周回って、やっぱり、これだよね、という感じ。

さらに、「在広東少年」も、ギター無しの三人だけの演奏なのに、KYLYN LIVEやYMOのワールドツアーのの熱い雰囲気を、スケールアップさせて再現したような感じ。やっぱり、このアレンジだよなぁ。今日も、大満足でした。

ページ先頭へ ページ最後へ

button 2016年8月19日(金)

buttonセットリスト

2nd Show
8月16日・17日と同じ。

buttonReport

一日休みを挟んでの、ブルーノート東京三日目。三人とも、コンディションをバッチリ整えてきたのか、とにかく演奏がキレキレ。まずは三曲目、「Georgy Porgy」の終盤のプレイで、そのキレ具合を実感。

さらに、「ロッキン肺炎ブギウギ流感」ラスト近くの、WL「あー、風邪引いた」、AY「医者に行けば?」、WL「医者じゃ駄目だ」「そうだ、一番の治療法はこれだ」で、再度「Firecracker」を、というくだり、完璧にハマっている。

矢野さんの販促コーナー。トークも冴える。そして、今日も40周年記念グッズの黄色い手ぬぐいに絡むWill。今回は、手ぬぐいを使って驚愕の手品を披露!

「やめるわけにゃいかないわ」では、Willのベース・ソロに、思わずコーラスを付ける矢野さん。それがハマってしまい、二人でスキャット、さらに観客も巻き込んでのコーラスへと、自然発生的に発展。これぞ、ライヴの醍醐味だ。

「ゴジラ → モスラ」の演奏も大盛り上がり。シンセに仕込んだゴジラの咆哮を、多めにぶちまけるWill。そして、「モスラの歌」の間奏に「ゴジラ」のフレーズを挿入する矢野さんのピアノがカッコ良し。

本編ラスト「ラーメンたべたい」からアンコール二曲。とにかく、矢野さんのピアノがキレまくる。あまりの超絶演奏に、歌がついてこないという感じもあったが、それほどの入魂ピアノ・プレイだと感じた。近年でも屈指の名演だったのではないだろうか。演奏終了後の矢野さんの表情にも充実感が溢れていたと思う。素晴らしいライヴに居合わせることが出来、本当に嬉しい&楽しい。

なお、「ひとつだけ」の演奏中、Willが鳩を飛ばす仕草をしたり、アンコールが終わり、矢野さんが先にステージを下りた後、ステージ上に残ったWillとChrisが小芝居をするのも、すっかり恒例になっている。あれだけの熱い演奏を繰り広げながら、こういう余裕を感じさせるところも、つくづく、凄いトリオだと思う。

ページ先頭へ ページ最後へ

button 2016年8月20日(土)

buttonセットリスト

1st Show & 2nd Show
8月16日・17日・18日と同じ。

buttonReport

まず、昨日の追記。矢野さんのTwitterによれば、休演日の18日、WillとChrisは、上原ひろみ嬢とのリハーサルを行っていたとのこと(明日、日曜日、サマーソニック大阪に、上原ひろみ The Trio Projectが出演予定だったのが、Simon PhillipsとAnthony Jackson、二人とも体調不良でキャンセル。急遽、代役として出演することになった)。それで、二人のテンションが上がっており、それに煽られて矢野さんも、あの熱演になったようだ。なるほど! 演奏のクオリティということでは、今回のブルーノート公演の白眉だったな。

さて、最終土曜日。15時40分頃ブルーノート近くを歩いていると、近くの店のショーウィンドウを覗いているWillとChrisに遭遇。仲良し感が溢れているなぁ。

1st Show。一曲目から、非常にまとまった演奏という印象。そして、「Georgy Porgy」後半のエレピのソロ辺りから、グングン加速してきた感じ。そして、4曲目と5曲目の間の販促コーナー。最終日ということで、Willがノリノリ。今日も、40周年記念手ぬぐいに絡む。たっぷり前置きをして、手品。さらに、今回は、クリアファイルにも絡む。彼が提案するその使い方とは、頭に被って日蝕観察に用いるというもの…。脱力する矢野さん。もちろん、その後は怒濤の展開へ。ということで、このステージは、演奏はしっかりまとめてきながら、曲間にはたっぷり遊びを入れるという感じだった。

そして、2nd Show。1stの流れそのままに、エンターテインメントとしての完成度を上げてきた雰囲気。「Rockin' Pneumonia and the Boogie Woogie Flu」は、曲の冒頭に、Willが「New Orleansに行こうぜ。Gumboの香りがするぜ」と矢野さんを煽り、ラスト近くの風邪に引っかけた台詞&小芝居も、見事に決まる。その後の、販促コーナーでも、Willの手ぬぐいネタが五連発で炸裂。とにかく楽しい。

「やめるわけにゃいかないわ」の後半のソロでは、Willは客席とコーラスの掛け合いを楽しむパターン。そして、Chrisは、今年のブルーノートで観た中では、最高に決まったドラム・ソロ。実に良い。

そのまま怒濤の終盤になだれ込み、大盛り上がりになるのは、やはり最終日・最終公演。矢野さんが飛ばしまくりだ。ただ、過去観たような、三人揃って暴走し、突き抜けてしまうような激しさというより、テンションをギリギリまで高めながらも、きっちり演奏を仕上げてきたという印象だ。いずれにせよ、あー、楽しかった。

それにしても、今回のトリオ公演、本当に良かった。まず、セットリストが素晴らしい。スタートは新しい作品。二曲目は1987年の作品を叙情性たっぷりに。Will Leeをフィーチャーした三曲目に続けて、楽しさ満載のロックンロールにYMOの味付け。今年亡くなられた冨田勲さんの曲で、WillとChrisのソロをたっぷりと聴かせた後は、まさかの「怪獣大戦争」。本編ラストは、原点回帰アレンジの「ラーメンたべたい」。そして、アンコールに、このトリオで演奏するのは初めての「ひとつだけ」と、超絶盛り上がりの「在広東少年」でバシッと締める。完璧な流れだ。そして、ご自身の作品には、オリジナルのアレンジと音色を大切にしたような仕上げを施す一方で、「Rockin' Pneumonia and the Boogie Woogie Flu」と「怪獣大戦争」は、まさに意表を突くアレンジ。「Firecracker」と「在広東少年」は、YMOを凌ぐド迫力。客を楽しませることを真剣に考えてくれたのだなというのが伝わってくるステージだ。そして、もちろん、そうした構成・企画を具現化する、三人の圧倒的な演奏能力。本当に、素晴らしいショーを観させていただいた。ありがとうございました!

ページ先頭へ ページ最後へ


Liveへ戻る ホームページへ戻る

メールはこちらへ