IN/OUT (2026.11.1)

急に、朝晩は冷え込んできました。これまで面倒くさがっていたのですが、大慌てで掛け布団を引っ張り出す事に。


in最近のIN

「Clayface」 (26.10.31)

TOHOシネマズ上野DC Universeの新作を観てきた。Batmanシリーズのヴィラン、Clayfaceの誕生を描くということだが、それって、「Joker」&「Joker: Folie à Deux」の焼き直しでは? という嫌な予感を抱えつつ、映画館へ。

Tom Rhys Harriesが演じる主人公は、映画賞にノミネートされるなど成長著しい若手俳優。しかし、女性絡みのトラブルで大物ギャングの怒りを買い、顔面を切り裂かれてしまう。お金をかけた整形手術でもその傷は癒えない。築き上げてきたキャリアも富も名声も失った彼は、未認可の再生治療に頼ろうとするが…

肉体の変容と、それが精神に及ぼす影響を描く悪夢的ストーリーは、David Cronenbergっぽいが、本作にそこまで深い洞察が有るわけでは無い。また、ヴィランの誕生を描くといっても、Jokerのような辛気くさい掘り下げも無い。浅くて軽いと言えばそれまでだが、むしろ、ホラー系娯楽作に振り切った展開が心地良い。ジャンル映画として、良くできた作品だと思う。ただし、肉体損壊系の描写は、かなりグロいが…


「多田美波―光、凛と ゆれる」@ 東京都現代美術館 (26.10.31)

東京都現代美術館抽象彫刻家、多田美波(1924–2014)の大規模回顧展を観に、東京都現代美術館に行ってきた。彼女の作品は、品川時代の原美術館にあったのを覚えている。

東京都現代美術館最初期の平面作品。

東京都現代美術館よくモチーフにしていたのが、変電所。

東京都現代美術館1960年代に立体作品を作るようなったのは、幼少期から油彩画を描いていたため、手癖がついてしまい、自由な表現ができなくなったからだという。

東京都現代美術館「周波数3730~」と名付けられた作品群。アクリルの造形の表面にアルミを蒸着している。タイトルは、彼女の名前「ミナミ・タダ」の語呂合わせ。周囲が映り込むことで完成する立体作品をいろいろな角度から眺めるのは飽きない。

東京都現代美術館屋外にプールを作って設置された作品。元々、この美術館の一部だったかのように溶け込んでいる。

東京都現代美術館天井高19mのアトリウム空間に並んだ大型作品は圧巻。特に、天井から吊された「翔」は大迫力。かつて、南足柄市庁舎に設置されていたが、防災上の理由から撤去されたものを、この展覧会のため(安全には留意の上)吊したそうだ。

東京都現代美術館リーガロイヤルホテル大阪のメイン・ラウンジのシャンデリア「瑞雲」の再現などが吊された展示室も印象深い。

東京都現代美術館最後の展示は晩年の作品。油彩画を転写した陶板。

見応えのある作品群を、時系列で分かりやすく展示するだけでなく、学芸員による的確なオーディオ・ガイドを無料で用意。東京都現代美術館の良心が詰まったような展覧会だ。


「MOTコレクション いつかの光を今みている」@ 東京都現代美術館 (26.10.31)

東京都現代美術館多田美波の回顧展と同時に、東京都現代美術館のコレクション展も観てきた。「光」と「時間」に焦点を当てた展示となっている。

草間彌生、小瀬村真美、篠原有司男、杉本博司、松本陽子、横尾忠則などなど、錚々たる作家達の作品が並ぶ。どれも、素晴らしい作品なのだが、展覧会の流れの中では、いまいちピンとこない…。

東京都現代美術館そんな中、初めて見た熊谷亜莉沙(1991年生まれ)の作品が、印象的。美術館にとっても、収蔵後、初の展示とのこと。

東京都現代美術館そして、「光」と「時間」がテーマの展覧会の最後に控えるのは、常設展示の宮島達男「それは変化し続ける それはあらゆるものと関係を結ぶ それは永遠に続く」。
この美術館に来る度に観ている作品だが、いつも以上に鮮烈に見える。今回の展覧会は、この作品に導くために構成されたような気がする。


「JAZZ-FUSION SUMMIT 2026」@ Kanadevia Hall (26.11.1)

Kanadevia Hall日本のジャズ・フュージョン界を代表するアーティストが集結するイヴェントを観に、Kanadevia Hallに行ってきた。今年で4回目の開催だが、私は、一昨年のTOKYO DOME CITY HALL、昨年の日本青年館ホールに続いて3回目の参加。

ステージ上は、セット・チェンジの時間を省くため、初めからビッグ・バンド用の座席が用意され、ドラム・セットも4組、キーボードも多数並んでいる。

15時、開演。今回の出演は5組。まずは、

T-SQUARE
伊東たけし(sax, NuRAD)/ 坂東慧(ds)/ 田中晋吾(b) / 長谷川雄一(key)/ 亀山修哉(g)
若手のキーボードとギターを加え、70代・40代・20代の3世代が揃った今の構成になってから発売されたアルバム「VOYAGE」と「TURN THE PAGE!」からの選曲が多いが、50年間、一貫して明朗快活な”J-Fusion”を徹底していることに感心。

演奏後、若手の長谷川雄一と亀山修哉が残り、次の出番の増崎孝司と3人でセッション。こういう事が、さらっと出来てしまうのが、フュージョン系ミュージシャンの強みだな。

DIMENSION
増崎孝司(g)/ 勝田一樹(sax)/ 友田ジュン(key)/ 大津惇(ds)/ 小栢伸五(b)
こちらも、結成35周年のベテラン。と言っても、正式メンバーは増崎孝司と勝田一樹の2人。後はサポート・メンバーだが、友田ジュンには、DEZOLVEとして出演して欲しかった。演奏の方は、T-SQUAREとは一線を画す、音圧高めで尖った、攻撃的サウンド。カッコ良し!

本田雅人BAND
本田雅人(sax)/ 梶原順(g)/ 松本圭司(key)/ 須藤満(b)/ 則竹裕之(ds)
本田雅人が率いるバンドは、若手のサポート・メンバー無し。50代の松本圭司以外は60代のベテランのみの編成で、さすがの安定感。スラップ奏法で弾けまくる須藤満など、盛り上げ方も巧み。

最後に、伊東たけしと勝田一樹を呼び込み、「MEGALITH」。トリプル・サックスの厚みが堪らない。

ここで、25分間の休憩

沖仁 with 小沼ようすけ & 石塚隆充
沖仁(g)/ 小沼ようすけ(g)/ 石塚隆充(cante,palma)
フラメンコ・ギタリスト、ジャズ・ギタリスト、そして、フラメンコ歌手という組み合わせ。前半からは一転して、少人数のアコースティック味のある編成だが、これも「ジャズとフラメンコの"fusion"」なのだ。素人がイメージする通りのフラメンコもあれば、Larry Carltonのギター曲もある。とにかく、沖仁と小沼ようすけ、鬼のようにギターが上手い。さらに、ベースの川村竜をサポートに呼び込んで、渡辺香津美の「Unicorn」(沖仁は、2024年のこのイベントで彼と共演予定だった…)。さらに、Chick Coreaの「Spain」。どちらも、まさかのフラメンコ歌唱も入る新鮮なアレンジだが、超絶技巧に支えられた名演。

BLUE NOTE TOKYO ALL-STAR JAZZ ORCHESTRA directed by ERIC MIYASHIRO
エリック・ミヤシロ(tp,conductor)/ 本田雅人(sax)/ 青柳伶(sax)/ 小池修(sax)/ 陸悠(sax)/ 鈴木圭(sax)/ 具志堅創(tp)/ 川上鉄平(tp)/ 山崎千裕(tp)/ 宮城力(tp)/ 鹿討奏(tb)/ 藤村尚輝(tb)/ 奥本洋章(tb)/ 小椋瑞季(tb)/ 宮本貴奈(p)/ 川村竜(b)/ 川口千里(ds)
彼らのテーマ曲「Blue Horizon」で始めた後は、Snarky Puppy色が強いセットリスト。小池修、本田雅人、宮本貴奈、川口千里といったお馴染みのソリストの他、今回はサックスの陸悠とトロンボーンの鹿討奏がソロを取る場面があった。何故か、エリックのMCがグダグダ気味だったのだが、演奏のまとまり具合は素晴らしい。特に、「Lingus」は、何度も聴いてきた曲だが、今回がベストだったように感じた。

そして、フィナーレは、本日の出演者が勢揃いして、Marcus Millerの「Run for Cover」。4人のベーシストのスラップ奏法の競演や、4人のドラマーのアドリブ合戦などなど、全員にそれぞれ見せ場を作るソロ回しが楽しい。

ということで、15時開演で、終演は19時30分。聴き応えたっぷりの楽しいイベントだった。



寝具だけでなく、衣類の整理もどうにも苦手なのですが、クリーニング屋の半期毎の割引セールのお知らせのおかげで、半ば強制的に衣替えをすることになるのは、ありがたいなと思う、今日この頃です。