IN/OUT (2024.10.13)

スポーツの日。毎年、確実に三連休になるのはありがたいとは思うものの、やはり、自分には、10月10日が体育の日というのが染みついているなぁとも思います。最近では、学校の運動会も春開催が増えているようですが、それも違和感。常識のアップデートは、難しい。


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オーディオ沼に近づきかける24.10.13

先週、デスクトップ・オーディオ用のUSB DACとアンプを新調したのだが、それに付随して、あれもこれもイジりたくなってしまった。

まずは、音楽再生ソフト”foobar2000”。かなり長期間使い続けているが、2023年4月に、久々のメジャー・バージョン・アップしたのに気づいていなかった。このタイミングで認識し、V.2.1.6にバージョンアップ。ついでに、ユーザーインターフェースやアドオンのコンポーネントを色々と見直す。このソフト、高音質・高機能でありながら軽量。しかも、フリーソフトと良いことずくめなのだが、いかんせん、設定がマニアック。カスタマイズするのが分かりづらく面倒くさいのだが、同時に、存分に楽しい。

あと、スピーカーの下のインシュレーターを見直した。これで、音がスッキリした(ような気がする)。

RX-Audio Petit Susieそうこうしている内に、USB DAC用の別売電源アダプターを、値段にひるんで購入を見送ったのが、何だか気になってくる。電源ノイズの呪いにかかってしまったのだ。

で、見つけたのが、FX-AUDIOのDC電源ノイズクリーナー。iFi audioの純正アダプターの1/4以下の値段で、それなりの効果が期待できそうだ。

ただし、注意すべきは、この手の「クリーナー」とか「フィルター」と名前がつくものは、「オーディオ・オカルト」の典型ということだ。ネット上で見つけたこの製品のレビューにも、眉唾物の絶賛が多数。しかし、かかってしまった電源ノイズの呪いを払うには、とにかく導入して、精神衛生を保つべきだろう。で、購入。

ムムッ、効果有り。音がグッと前に出てきた感じだ。むしろ、出過ぎぐらいの勢いを感じる。もちろん、見るからに怪しいパーツを装着したので、壮大なプラシーボ効果が発動しているのかもしれない……。

デジタルとアナログ(そして、少々のオカルト)の狭間であれこれイジるのは、やはり楽しい。が、オーディオ沼の周囲はウロウロするに止め、これ以上は深入りしないようにするのが吉と、自制するのである。


”Late Night with the Devil”24.10.9

オーストラリア製のホラー映画を観てきた。邦題は「悪魔と夜ふかし」。悪くない邦題だと思う(日テレの某番組名に寄せている感じはあるが)。

1977年のハロウィン。ニューヨークの放送局の深夜のトークショーの司会者は、ライバルに視聴率で負け続け、切羽詰まっている(私の世代だと、”Late Show with David Letterman”と”The Tonight Show with Jay Leno”が競っていた様子を思い出す。米国TVのレイト・ショーって、独特の文化だよなぁ)。そんな彼が、起死回生を期してハロウィンの夜にゲストに招いたのは、霊媒師、(James Randiをモデルにしたような)疑似科学批判家、そして、集団自殺した悪魔教団の唯一の生き残りの少女と彼女を保護した科学者。しかし、その生放送は予想外の展開となり、惨劇が起こる。この映画は、その時のマスターテープ(放送された映像だけでなく、舞台裏も映っている)が発見されたという体裁、いわゆる「ファウンド・フッテージ」という奴だ。

全体にチープな感じはあるのだが、生放送番組を、時間経過もそのまま、映画にするというアイディアが光る。"The Exorcist”(1973年)を筆頭に、オカルト映画がブームになった1970年代という時代設定も上手い。悪魔に取り憑かれた少女役のIngrid Torelliの怪演は、見ているだけで楽しい。怖さと笑いのバランスも、私には丁度良い(ガチのホラー・マニアには、肩透かしかも)。惜しむらくは、背景にある悪魔崇拝に関するところが、伏線の張り方が弱く、ラストでのカタルシスが薄い。

何よりも楽しいのが、1970年代の米国深夜番組の再現度だ。映画の冒頭から、エンド・クレジットに流れる音楽まで、完璧!アイディア一発の低予算映画ではあるが、見事にまとまっていてお勧め作だ。


「建物公開2024 あかり、ともるとき」@ 東京都庭園美術館24.10.12

東京都庭園美術館東京都庭園美術館=旧朝香宮邸の建築としての魅力自体が展示対象となる「建物公開展」を観てきた。

建物公開2022 アール・デコの貴重書」、「建物公開2023 邸宅の記憶」と、このところ毎年通っている企画だが、今回は、「照明」にフォーカスしている。奇遇にも、私がこの美術館にハマった最初期「アール・デコの館 -東京都庭園美術館建物公開」を訪れたときは、もっぱら照明の写真ばかり撮っていたことを思い出す。

東京都庭園美術館美術展ではあるが、絵画のような展示は無く、建物と調度品の魅力だけで勝負するこの企画。毎回、新たな調度品を工夫されたレイアウトで展示してくれる。その引き出しの多さには、いつも驚かされる。

そして、一つ一つの照明に、工務店の人向けのようなマニアックな説明が付いているのが楽しい。

東京都庭園美術館何度も足を運んでいると、見慣れてしまっっているが、大食堂の照明や壁のレリーフなど、本当に手が込んでいることに、改めて感嘆。

東京都庭園美術館1階奥の階段下のこの照明は、やはり、フォトジェニック No.1だな。

東京都庭園美術館絵画の展示では閉じられていることが多い窓が開け放たれているのも、嬉しい。

東京都庭園美術館照明だけで無く、天井取り付け部の造作にも抜かりなし。

東京都庭園美術館吊り下げ式じゃない照明も、凝っている。

東京都庭園美術館階段下の手洗い場の照明にも、手抜き無し。

東京都庭園美術館そして、この美術館お馴染みの「三羽揃ペリカン」。どこに置かれているのか探すのも、密かなお楽しみなのである。朝香宮夫妻が大正14年にヨーロッパから持ち帰った、ロイヤルコペンハーゲン製品。当時はまだペンギンが知られておらず、宮務官が間違えて、収納されていた木箱の側面に「丁抹國製陶器 三羽揃ペリカン」と書いてしまったもの。

ということで、今年も、旧朝香宮邸の魅力をたっぷりと堪能。


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”Joker: Folie à Deux”24.10.12

"Joker"の続編を出てきた。タイトルは、複数人で同じ妄想を共有する精神障害の意味だが、疾患名を使うのが憚れたのか、そのままカタカナの「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」が邦題になっている。監督のTodd Phillips、Joker役のJoaquin Phoenixは、前作から続投。そして、今作では新たに、Lady GagaがHarley Quinn役で参加。

えーと、どこを楽しめば良い映画なのかが分からない……。Joaquin Phoenix = JokerとLady Gaga = Harley Quinnは、お互いのことを理解し合っている訳では無く、それぞれが、相手の中に自分の理想を勝手に見つけた気になっているだけ。そして、その思い込みによって、それぞれの狂気が高まっていく。単に、狂人×狂人で、面倒くさいことになりました。というだけに見えてしまう。どこに、感情移入しろと言うのか?

さらに、映画を面倒くさくしているのが、中途半端なミュージカル展開だ。Lady Gagaにアカペラを歌わせたいというのは分かるが、それが効果的に機能しているとは思えない。

映画の中では、Harley Quinn以外の大衆にも、Jokerの狂気は伝播する。結果、自分が溜め込んだ不満の解消を、勝手にヒーローに祭り上げた他者に託すが、その他者が自分の期待通りに動いてくれないと、簡単に手のひらを返すという、今のSNS社会で顕著になっている集団心理に対する異議申し立てというメッセージは、一応、伝わってくる。

が、何だか、大した内容でも無い事を、やたらと大袈裟に表現しているだけという印象は拭えない。何よりも、このJoker とHarley Quinnが、Batmanの宿敵になるとは思えないところで、映画の存在意義自体が疑問になってくる。1作目でも、その底の浅さに辟易したが、続編は、それを超える珍作だと思う。



今週は、コードレス掃除機のバッテリーが逝ってしまいました。既に、メーカー純正の交換バッテリーは終売となっており、中華互換バッテリーを買うか、このタイミングで新機種に買い換えるか、悩ましい今日この頃です。