IN/OUT (2024.8.18)

金曜日は台風が接近。この辺りは特に激しい風雨ということはありませんでしたが、職場がテレワークを気兼ねなく使える環境になって、無理に出社する必要が無くなったのは、コロナ禍の良い置き土産です。


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「髙田賢三 夢をかける」@ 東京オペラシティ アートギャラリー24.8.17

東京オペラシティ アートギャラリーファッションデザイナー 髙田賢三の回顧展を観に、東京オペラシティに行ってきた。

1970年からパリを拠点に活動し、国際的に活躍する日本人デザイナーの先駆けとなった「世界のKENZO」。2020年の逝去後、初の大規模回顧展となる。彼については、2016年12月に掲載された日経新聞「私の履歴書」がとても読み応えがあったのも印象深い。

東京オペラシティ アートギャラリー冒頭で目を引くのが、花をテーマにしたウェディング・ドレス。彼自身が20年をかけて蒐集したリボンを 200m使ったという代表作。その構想力と、膨大かつ繊細な手作業の結晶は、確かに見応え有り。
東京オペラシティ アートギャラリーさらに、ショーでそれを着用した山口小夜子の存在感の凄さよ。

東京オペラシティ アートギャラリー1979-80秋冬コレクションの「BDルック」は、いかにもKENZOらしいと思うと同時に、懐かしさを覚えるな。

東京オペラシティ アートギャラリーもちろん、彼の代名詞とも言える「フォークロア」と「花柄」は、大々的にフィーチャーされている。

ただ、最近多い、ハイブランド系の展覧会、例えば東京都現代美術館での「クリスチャン・ディオール、 夢のクチュリエ」などと比べると、規模も展示の工夫も、やや見劣りする感じもある。それでも、親しみやすさということでは、DCブランドブーム世代の私にはKENZOの服の方が馴染みやすいのである。

東京オペラシティ アートギャラリー因みに、アートギャラリーでは、「となりの不可思議」と題された収蔵品展も同時開催されていた。幻想的な作品が集められている。個人的にヒットする作品は少なかったが、加藤清美の作品は印象的だった。


"The Fall Guy"  (24.8.17

TOHOシネマズ日比谷Ryan Goslingの主演作を観てきた。

共演にEmily Blunt。2人とも、王道の大作よりも、B級臭も漂うような癖あり映画で輝くタイプだし、むしろそういう映画を積極的に選んで出演している印象がある。そして、監督はDavid Leitch。"Atomic Blonde", "Deadpool 2", "Bullet Train"など、捻ったアクション映画の才人。この3人がそろい踏みということで、期待大なのだが、果たして…

Ryan Goslingが演じるのは、ハリウッドのスタントマン。撮影中の事故で現場を離れたのだが、その時以来疎遠になってしまった恋人が初監督作を撮影しているということで、やり手プロデューサーから強引に撮影現場に呼び戻される。しかし、現場では、主演俳優が行方不明になるというトラブルが発生。果たして彼は、そのトラブルを解決し、元恋人とのよりを戻し、彼女の初監督作品を成功に導くことが出来るのか? というお話。

映画の宣伝を観ると、アクション&コメディの能天気作品かと思っていたのだが、これが、予想を遥かに超える大傑作!映画撮影現場を舞台に、全編に溢れる映画愛!! スタントマン出身であるDavid Leitch監督の情熱がみなぎっている。

主演のRyan Goslingがハマり役なのはもちろんだが、Emily Bluntが実にキュート。特に、彼女がカラオケで Phil Collinsのあの名曲を熱唱するシーンが、本当に素晴らしい(歌詞が映画の内容と見事にシンクロしているのだ)。音楽で言えば、全編に渡ってKissの”I Was Made for Lovin' You”が効果的に使われているのも、燃える。

Jason Momoaが意外な役で美味しいところを持っていくのも楽しく、エンディングのクレジットで、本作の(実際の)スタントマン達への賛辞が映されるのも憎い演出だ。

とにかく、アクション映画が好きな人には必見の傑作だと思う。あと、犬映画としても痛快!



しかし、今回の台風は、爽やかで涼しげな晴天という置き土産とは無縁。台風一過で、余計に暑さが増すのは勘弁してもらいたかった。