IN/OUT (2021.4.11)

緊急事態宣言の次は、蔓延防止等重点措置。飲食店の経営を圧迫する割には、効果が有るんだか無いんだか…


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「大西順子カルテット」@ブルーノート東京21.4.7

大西順子が昨年12月に結成したカルテットの公演を観に、ブルーノート東京に行ってきた。ベースの井上陽介、ドラムスの吉良創太という昨年見たトリオ に、パーカッションの大儀見元が加わった布陣である。

舞台前方、向かって左にパーカッション。右にピアノ(演奏中、観客に背中を向けっぱなし)。左奥がドラムスで右奥がベース。彼女独特の変則的な配置だ。上原ひろみの爆発的なプレイとは対照的な、クールな印象の大西順子。それだけに、一般的なトリオ編成にパーカッションをプラスした事がどう作用するのか、楽しみだ。

オリジナル作「 Golden Boys」から演奏開始。ベースの見事な裏方仕事ぶりに支えられ、大西順子のピアノが軽やかな響きを聴かせる中、主役を張るのはパーカッションとドラムスだ。様々な得物を駆使して多彩な音色を繰り出すパーカッションが目立つのは当たり前として、カルテット最年少のドラムスの演奏が熱い。パーカッションとの的確な絡みが実にエキサイティングだ。そして、演奏終盤にはピアノもベースも一気に熱量を高めて大団円となる構成に引き込まれる。2曲目以降も、どの曲も素晴らしい演奏だ。

アンコールは、なんとパーカッションの大儀見元 がヴォーカルで「Promise Me You'll Remember」。意外なほどの美声でしっとり聴かせて、ラストのアップテンポなエンディングにつなげる構成もお洒落。

残念ながら、平日の2nd show(19時45分開場 / 20時30分開演)は、食事も酒類も無しの、ソフト・ドリンクのみの提供。そのせいか、客の入りは、超満席という訳にはいかなかったようだ。自宅でくつろいで飲食しながらライヴ配信を観るか、ミネラル・ウォーターだけで我慢しながら会場で観るか、という選択肢なら私は断然後者を選ぶし、選んで大正解のライヴだった。


”Freaky”21.4.10

女子高生と殺人鬼の魂が入れ替わるという、コメディ風味のホラー映画を観てきた。邦題は「ザ・スイッチ」

男女の魂が入れ替わるという設定は、まあ、有りがちである(古今東西、繰り返されてきた「女子の身体に入った男は、まず胸を揉む」というお約束もしっかり)。最近の日本のテレビドラマでもあったやに聞く。しかし、この映画の場合、ポイントとなるのが、女性がキュートな高校生なのに対し、男性が、中年の、ガチのサイコ殺人鬼と言うことだ。

殺人鬼役は、Vince Vaughn。“Dodgeball: A True Underdog Story”でのお人好し演技が印象的な彼が、この映画では、女子高生の魂が入ってしまった中年おじさんを器用に可愛く演じている。一方、映画の大半では、おじさんの魂が入ってしまったKathryn Newton嬢がノリノリで殺人シーンを演じることになる。しかも、R15+指定らしい、エクストリームな身体損壊シーン満載の大量殺人だ。

ホラーだけど笑える展開の中、主人公の女の子の精神的成長も描くという構図は、Christopher Landon監督の前作 "Happy Death Day 2U"、前々作 ”Happy Death Day"と共通だが、さらに本作では、父親を亡くして以来壊れかけていた家族の再生を描くというハートフルな展開もある。ハチャメチャな映画の割に、ラストは、結構、グッと来る。

主人公を支える親友二人が、黒人の女の子とゲイの男の子というのも今時の映画という感じ。それも、無理にポリティカル・コレクトネスに気を遣ったという感じではなく、おじさん姿の女子高生とのチームワークが最高。殺戮シーンがもう少しマイルドなら、万人に超お薦めできるのだが…



私の勤務先ではすっかりテレワークが定着していますが、通勤ラッシュは元に戻ってしまっているようですし、飲食店以外の対策無しじゃ、どうにもならないような気がします。それにしても、20時ラストオーダーと19時ラストオーダーの違いは大きい。