IN/OUT (2018.9.2) |
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夏の矢野顕子祭が終了し、9月になりました。カレンダー年で言えば、2/3が終了。会計年度で言えば、そろそろ上期が終わり。早いですね。 最近のIN"Ant-Man and the Wasp" (18.9.1)Marvel Cinematic Universeの新作を観てきた。"Captain America: Civil War"の後、FBIに拘束され、"Avengers: Infinity War"では不在だったAnt-Manが、その間に繰り広げた活躍を描く作品。女性の相棒、The Waspも登場。 MCUの中でAnt-Manはお気楽キャラクターの位置付けだ。演ずるのはコメディ系の印象が強いPaul Rudd。今作でも、世界征服を狙うような巨大な敵と戦う訳じゃないが、テンポの良い展開、アイディア満載のアクション、気の利いたクスッとさせてくれる台詞で、安定のMCUクオリティに仕上がっている。そして、Avengersの次回作へもしっかり結びつけてくるところも巧み。 ということで、とても良く出来た娯楽作だ。MCUの作品はこれが20作目。巨額の予算をかけたアクション大作を立て続けに製作し続けながら、ハズレ無し。こちらの期待値がどんどん上がっていっても、それを裏切る事はないという、物凄いシリーズだ。ただ、こちらもそれに慣れてしまって、驚きがなくなっている気もする。贅沢な事だが、これだけの作品を観ても普通に感じてしまうのは、良いんだか、悪いんだか。 出演者では、Michelle PfeifferとMichael Douglasが、実にカッコ良い年の取り方しているのが印象的。娘役のAbby Ryder Fortsonのキュートさも際立っていた。そして、恒例、Stan Leeのカメオ出演。今回は、中々印象的な台詞を聞かせてくれるのも楽しい。 "Magadheera" (18.9.1)あの超絶傑作「Baahubali」の日本での大ヒットを受け、S.S. Rajamouli監督の2009年の作品が公開される事になり、さっそく観てきた。邦題は「マガディーラ 勇者転生」 400年前、愛し合いながらも結ばれる事無く無念の死を遂げた王女と戦士。そして、王女に横恋慕した挙げ句、二人を死に追いやった王女の従兄弟にあたる軍司令官。彼らが、現代のインドに転生し、繰り広げる恋とアクション。 とにかく濃い映画だ。開始直後、ぶっ飛んだダンスシーンが延々と続くところが踏み絵かもしれない。最近のボリウッド作では減ってきたダンスシーンだが、この映画のは凄い。正直、インド映画を相当観ているつもりの私でも、これはついてこられる人が少ないのではと心配になるクドさだ。と同時に、この作品が、Baahubaliのような国際水準の作品ではなく、本来の王道テルグ語映画であることを痛感させられる。しかし、このシーンについて行ければ、後は、強引かつ荒唐無稽なインド映画の魔力にとらわれたまま2時間半を過ごす事が出来ると思う。 転生した三人に、前世の記憶はない。彼らが、どのように出会い、そして過去の因縁を思い出すのかがお楽しみ。主人公を演じるのは、Ram Charan。伝説の戦士にしては、ちょっと軽いかな、という感じもするが、実の父親であるChiranjeeviも出演しているのが、インド映画好きには楽しいところ。ヒロイン役のKajal Aggarwalは、文句なしに可愛い。 基本、舞台は現代のインドだが、400年前の出来事もたっぷり描かれる。そこに、6年後のBaahubaliの原点を、多数、見いだせるのも興味深い。逆に言えば、Baahubaliが、如何に洗練され、パワーアップした演出になっているのかも実感できるということだ。そういう意味では習作的な雰囲気も感じるこの作品だが、現代を舞台にすることによる軽妙さが、独自の良い味を出していると思う。 酷暑は治まりつつあるようですが、まだまだ台風は多そうで、困ったものです。 |