IN/OUT (2016.5.1)

ゴールデン・ウィーク突入。といっても、特に大きなイベントが控えている訳でもありませんが。


in最近のIN

"Captain America: Civil War"16.4.23

"Marvel Cinematic Universe"の最新作を観てきた。

Avengersのメンバーが、スーパーパワーを持つからこそ国際機関の管理下に置かれるのもやむなしとするIron Manと、あくまでも独立性・主体性を重視するCaptain America、それぞれが率いる二つの勢力に分裂し戦うというストーリー。新たに、Black Pantherが加わり、別作品でデビュー済みのSpider-ManとAnt-Manも参戦するという賑やかさだ。発想としては、主人公同士を戦わせちゃえという男子中学生的なものだが、原作コミック(登場するスーパーヒーローの数は、映画世界よりも遙かに多い)は、911以降の米国の変化、特に「USA PATRIOT Act(米国愛国者法)」との関係で、政治的寓話として捉えられることが多い問題作だ。

ただし、映画化に当たって製作者側は政治的文脈で捉えられることを回避しようとしたようで、原作で鍵となる米国の法律「Superhuman Registration Act(超人登録法)」ではなく、117ヶ国が参加する国際協定「the Sokovia Accords(ソコヴィア協定)」を持ち出し、さらに、思想信条による分裂よりも、Captain America、Winter Soldier、そしてTony Stark/Iron Manの個人的因縁を前面に出している。まあ、娯楽大作として映画化するためには理解できる改変ではある。

大量のスーパーヒーローを戦わせながら、それぞれの見せ場をちゃんと用意した演出の手際は良いのだが、強大な敵を相手にするのでは無く「内輪もめ」なので、燃える要素が少ない気がした。こと、戦闘シーンにおいては"Batman v Superman"の方が、熱くなったかな。

いよいよ、「大河ドラマ」感が高まってきた"Marvel Cinematic Universe"だが、いささか風呂敷が拡がりすぎて、ついていくのに疲れる感じもする。そんな中、原作者にしてMarvel Mediaの名誉会長 Stan Lee(御年93歳)が、カメオ出演(台詞有り!)しているところで、大いに和んでしまった。


"The Sea of Trees"16.4.30

Gus Van Santの監督最新作を観てきた。主演はMatthew McConaughey。そして、渡辺謙が重要な役柄で出演。邦題は「追憶の森」。オリジナル・タイトルは、舞台となった青木ヶ原樹海のことである。

妻を失い、"the best place to die"を検索して辿り着いた青木ヶ原樹海で自殺を図るMatthew McConaughey。森の奥で道に迷っている渡辺謙に出会い、一旦、自殺を棚上げし、彼を手助けしようとするが、二人は樹海に囚われ、出口は見つからない。徐々に明かされる、McConaugheyと死んだ妻(Naomi Watts)の物語。果たして、二人は樹海を脱出できるのか? そして、渡辺謙演じる謎の男、ナカムラ・タクミの正体は?というストーリー。

主要登場人物は、回想シーンのNaomi Wattsを含めて三人だけ。それぞれ名優だけに、演技の密度が濃い。Gus Van Santの詩的な画面構成も美しい。心にしみいる人間ドラマであり、ファンタジー映画だ。

ただ、ファンタジーをファンタジーたらしめるための伏線が、いささか安易な感じもする。特に、日本人には、一番重要な伏線の意味が早い段間で分かってしまうのが難点か。でも、良心的な作品ではあるな。


Celebrate "International Jazz Day" with
BLUE NOTE TOKYO ALL-STAR JAZZ ORCHESTRA
directed by ERIC MIYASHIRO
with special guest BENNY GOLSON, LISA ONO & ASAKO TOKI
16.4.30

4月30日の国際ジャズ・デーを記念した公演を観に、ブルーノート東京に行ってきた。世界中でジャズ・イベントが開催されたこの日、ブルーノート東京のこの公演も、インターネットで世界へ向けて同時配信されていた。

演奏するのは、ハワイ出身のトランペット奏者 エリック・ミヤシロ率いるブルーノート東京オールスター・ジャズ・オーケストラ。14人のホーン・セクションに、ピアノ、ベース、ドラムスを加えたビッグ・バンドだ。「オールスター」と名乗るだけに、メンバーは、サックスの本田雅人、トロンボーンの村田陽一など、私でも名前を知っているスタープレーヤーばかりだ。そこに、ゲストが加わるのが本日のライヴのお楽しみ。

まずは、このメンバーだけでの演奏。クオリティの高いホーン・サウンドが心地よい。続いて、最初のゲスト、土岐麻子登場。Stevie Wonderの"Sir Duke"、ジャズ・スタンダードの"All of Me"と"Smile"。元々、ポップスだけでなく、ジャズも守備範囲としているだけに(お父様はチキンシャックでも活躍された有名ジャズ・サックス奏者、土岐英史氏)、初めてのバックバンドとの共演ということだが、堂々たる歌いっぷりだ。

続いてのゲストは小野リサ。ベテランの域に達したボサノバ・シンガー。ラテンの有名曲をメドレーで。彼女の場合、その歌声自体が、私の考えるボサノバのスタンダードになっているな。

そして、ジャズ界のレジェンドと呼ぶにふさわしいサックス奏者、Benny Golson登場。御年 87歳だが、実に若々しい。スムースなその音色も素晴らしいが、曲の解説を丁寧な英語で分かりやすく観客に話しかけてくれるところや、演奏後にバンド・メンバーに敬意を表する仕草などに、人柄の良さが滲み出ているようだ。

本編ラストは、ゲスト三人が揃って「イパネマの娘」。とても楽しい演奏だ。土岐麻子も善戦していたが、やはり、二人が掛け合いで歌うと、小野リサのヴォーカリストとしての存在感が圧倒する感じ。

アンコールで、もう一曲、ビッグバンドだけで演奏して、終演。普段、積極的に足を運ぶタイプの音楽とは少し違うが、ホーン系の楽器とヴォーカルが中心となった演奏というのは、とても人間味溢れるものだと感じた。



お仕着せの大型連休よりも、個人の裁量でのバケーションを取りやすくする方向に持って行って貰いたいと、常々思ってはいますが、このところ色々と飽和状態になっている事も多かったので、まあ、有り難く休みますかね。