IN/OUT (2018.4.29) |
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大型連休が始まりました。開業から一ヶ月あまりの東京ミッドタウン日比谷は、相変わらず、エスカレーターに乗るにも行列が出来ているほどの大混雑。ここに入っているTOHOシネマズ日比谷は、設備面では都内トップクラスのシネコンなのですが、4Fのフロアに辿り着くまでに予想以上の時間が掛かるのがネックです。 最近のIN"Ready Player One" (18.4.28)Steven Spielberg監督の新作を観てきた。ついこの前、"The Post"を観たばかり。70歳を超えても衰えない製作意欲、それも、社会派ドラマの前作から、SFX超娯楽作の今作までの振り幅の極端さ。つくづく凄い映画人だ。。 物語の舞台は2045年。人々は荒廃した現実世界から目を背け、VRで楽しめる仮想空間"OASIS"に入り浸っている。そのOASISの開発者が死亡する際、仮想空間内に隠された「イースターエッグ」を探し出した者に全遺産とOASISの運営権を与えると遺言したことから、世界中の個人や企業が、仮想空間内の宝探しに必死になる。 粗筋だけを聞いたときは、仮想空間内だけで話しが進む"TRON"的な映画かと思ったのだが、全く違った。絶妙に現実世界と繋がり持たせたストーリーになっている。それも、「仮想現実」<「本当の現実」みたいな薄っぺらさに流れることが無いバランス感覚が見事だ。主人公達が繰り広げるドラマも熱いが、本筋の裏側にある、OASISの開発者の人生を巡る物語も深い。実に見応えのある快作だった。 そして、この映画に詰め込まれた1980年代のアニメ、映画、音楽といったポップ・カルチャーに関する情報量の多さが物凄いことになっている(映画製作時、権利関係の交渉に多くの時間が費やされたそうだ)。OASISの開発者が、我々と同じ世代という設定なのだろう。ガンダムがメカゴジラ(伊福部昭の音楽付き)と戦う夢のような大ネタから、絶妙のところで登場するSHARPのラジカセのような小ネタまで、もう、私の世代にはドンピシャリのネタの数々が、画面の隅々にまで詰め込まれている。John Hughes監督作品への言及や、"The Adventures of Buckaroo Banzai Across the 8th Dimension(バカルー・バンザイの8次元ギャラクシー)"風のファッションなどには、ニヤニヤが止まらない。しかし、あまりにも仕込まれたネタが多すぎて、私なんかはほとんどの部分を見落としていると思う…。観れば観ただけ、新発見がありそうだ。ただ、若い人には分からないだろうなぁ…。 そんな中、意外だったのは、Stanley Kubrick監督のあの大傑作映画(原作の小説では"Blade Runner"を取り上げていたのが、著作権関連がクリアできず、代わりにこの映画になったそうだ)が、重要な位置を占めていることだ。あの映画を、Spielbergが本気で楽しんで再現しているのが伝わってくる。Kubrick作品の中では毀誉褒貶相半ばする作品ではあるのだが、私も含め、ハマる人は熱狂的にハマるあの映画を選び、あのシーンを選び、あのクオリティで再現する。やっぱりSpielbergは信頼できる「こっち側」の監督だと実感。 "Avengers: Infinity War" (18.4.29)"Marvel Cinematic Universe"の最新作を観てきた。 Iron Man、Thor、Hulk、Captain America、Black Widow、Doctor Strange、Spider-Man、Black Panther、Vision、Scarlet Witch、Falcon、War Machineといった、お馴染みの面々に加え、今回からGuardians of the Galaxyの皆さんも参戦。本流からは毛色の違うGuardiansメンバーを違和感なくストーリーに加え、これだけ大人数のスーパーヒーローに万遍なく見せ場を作り、150分の長尺ながら一瞬たりとも観客を退屈させない演出手腕は、もはや職人技だ。もっとも、特撮を駆使した娯楽作"Ready Player One"にも、きっちり、物語的な奥行きを持ち込むSpielbersとは大違い。徹底した娯楽に割り切っている。 ただし、この映画を楽しむには、これまでのMarvel Cinematic Universeの作品を("Avengers"だけでなく)しっかり観ておく必要がある。そうじゃないと、それぞれのヒーローが持つ特殊能力や人間関係が分からず、意味が分からない箇所が頻発すると思う。 さらに、この映画、次回作への持ち越し事項が極めて多い終わり方をする。恐らく、今後のMarvel Cinematic Universeでは、Captain Marvelが単独作品で登場し(時代を遡って、Nick Furyとの関係が描かれると予想)、その後、彼女がキーパーソンになって"Infinity War"の続編に繋がるのだと思われるが、こうなってくると、永遠に見続ける呪いに掛けられたような大河シリーズだ。"Star Wars"も大河ではあるが、三部作毎の区切りがあるだけ親切だ。Marvelの場合、各ヒーローの単独作品も押さえないと、全員集合の"Avengers"祭が楽しめないという、恐るべき底なし沼商法である。 これだけ混んでいて、行列まで出来ているのに、エスカレーターの右側を空けて乗っている二人連れを見て、イライラするのは私が狭量すぎますかね。みんなが二列で乗った方が圧倒的に早く行列が進むのに…(あの雰囲気で右側を駆け上がる人は少ない) |