静岡・大阪・東京・愛知・北海道に行くことが出来ました。
メンバー | |
2017年4月15日 | 静岡市民文化会館 中ホール |
2017年4月16日 | フェスティバルホール |
2017年4月18日 | 東京文化会館 大ホール |
2017年4月19日 | 東京文化会館 大ホール |
2017年4月21日 | ももちパレス |
2017年4月23日 | 愛知県芸術劇場 大ホール |
2017年4月25日 | 昭和女子大学人見記念講堂 |
2017年4月30日 | 札幌市教育文化会館 大ホール |
演奏後、曲のタイトルを忘れた(ふりをした?)矢野さんに代わって、わざわざマイクを持って、曲名を紹介するというやり取りが定番化。矢野さんにとっての「そばに置いておいて便利な若者役」を、結構、楽しそうに演じています。
昨年のデビュー40周年記念にあたり、これまでで一番のチャレンジだった上原さんとの共演に果敢に再挑戦したのがこの企画。上原さんの作品の中から「ALIVE」か「DREAMER」をやってみたいと彼女に打診したところ、「前者は、16分の27拍子ですよ」と言われ、後者を採用。
会場は、散り際の桜が綺麗な駿府城公園の近く。客入れのBGMは、レイ・ハラカミさん(客出しの時は、東京ブギウギ)。舞台上は、例によって二台のピアノが向かい合わせに置かれている。向かって左は、矢野さんのスタインウェイ(静岡市民の税金の結晶)。右が、上原さんの専用ピアノ、ヤマハ CFX。ピアノの真上には鏡が吊されていて、観客はピアノを俯瞰する角度からも楽しむことができる。特に、上原さんの超絶指さばきを真上から見られるのは、とても嬉しい工夫だ(ただし、座席によっては、必ずしも良いアングルの鏡像にはならないようだ)。私の席は、左寄り、矢野さんの正面。お二人自身の声による場内アナウンスの後、いよいよ演奏開始。
まずは、「Get Toghter」収録バージョンのアレンジによる「ラーメンたべたい」。その後は、「ラーメンな女たち」収録曲が続く。二人のライヴの楽しさと凄さは、いつも通りだ。矢野さんの声の調子も良く、特に「飛ばしていくよ」のキレは凄まじい。
その後、20分間の休憩。休憩後は、上原さんのソロ。トムとジェリーの印象的なフレーズを、ご本人も楽しんで織り込んでいるようなアレンジ。続いて、矢野さんのソロ。かなり、アレンジを変えてきた「SUPER FOLK SONG」
矢野さんのソロ終了後、ツアーグッズのトートバッグを持って上原さん再登場。さらに、Tシャツとキーホルダーと、グッズ紹介。因みに、このトートバッグ、ちゃんとマチの付いた優れものだ。
「Get Together」からの「CHILDREN IN THE SUMMER」。矢野さんがスタンド・マイクで歌う「こいのうた」。そして、「ホームタウン・ブギウギ」で盛り上がった後、本編最後は、新アレンジの「ラーメンたべたい」。当然のスタンディング・オベーション。
アンコールは、お二人の共演の歴史の中でも初期の作品「そこのアイロンに告ぐ」。そして、静岡県出身の上原さんが、今日の会場には「最高齢のファン」=お祖母様が来ていること、そして、まさにこの日がお祖母様 92歳の誕生日であることを紹介。上原さんが、度々、会場の一カ所に向かって手を振っているのに気づいていたのだが、そういうことだったのか。そして、上原家の長寿の秘訣は「お茶」と語った後、「Green Tea Farm」で全編終了。
初日で、まだ「振り切った」感じこそ、あまりしなかったが、リハーサルでしっかり仕上げてきたことが伝わってくる演奏だったと思う、しかも、最後に「ほっこり」もある楽しい公演だった。
2013年に建て直されたフェスティバルホール。建替え後に訪れるのは初めてだったが、ものすごい高級感溢れる佇まいに圧倒される。今日の私の席は、左右ほぼ真ん中の良いポジションだ。
演奏曲は、前日と同じだが、アレンジが変わっている。前日は、割とあっさり気味だった一曲目の「ラーメンたべたい」から攻めてくる。そして、さすがフェスティバルホール。伝統の響きの豊かさは、ちゃんと継承されているようだ。ただ、ピアノの音響が素晴らしかったのに比べると、ヴォーカルの方は、中域があまり前面に出てこない印象だった。もっとも、2700席の大ホールだから、ヴォーカルの生々しさを求めるのは難しいだろう(前日の会場は1170席。これぐらいの方が、ヴォーカルには良いかも)。
アレンジだけでなく、上原さんのアクションも大きくなっているようだ。地元・静岡だと、ご家族や知り合いも多く、ややお上品にされていたのだろうか? 当然、演奏もキレッキレ。特に「飛ばしていくよ」の超絶ピアノ演奏(人力打ち込みという感じだ)には、演奏中にも会場全体からどよめきと拍手が巻き起こる。
休憩後の演奏は、さらにパワーアップ。ただ、「SUPER FOLK SONG」は、途中、歌詞が怪しくなってしまったが…。「ホームタウン・ブギウギ」の迫力の熱演後には「私は帰りたい」と矢野さん。そして「このコンサートをお客さんとして観ることができたら楽しいだろうな」と。それでも、本編ラストの「ラーメン(本気で)たべたい」は、さらに力を出し切ったような演奏だ(楽屋で出された「トリュフ入りラーメン」の効果もあったか?)。もちろん、会場もスタンディング・オベーションで応える。
アンコールも前日と同じパターンで、全編終了。ピアノ演奏は、前日から、大きく化けてきた印象だ。まだ、ツアーの序盤。この後、どこまで熟成され、進化していくのだろうか?
1961年に建設された東京文化会館。上野駅の目の前にあり、何度も通りかかったことはあるが、中に入ったのは今回が初めてだ。入ってみて驚いた。外観からは想像もつかない素敵なホールなのだ。ホールの形は六角形。そして五階建てという、独特の構造。歴史を感じさせる重厚な雰囲気だが、威圧感は無い。こんな雰囲気のホール、他にちょっと記憶が無い。今日の席は、やや右手。上原さんを正面に見る位置だ。
セットリストは毎回同じなのだが、一曲目が始まると、そのたびに驚く。毎回、受ける印象が変わるのだ。そして、このホールの音響の良さに、さらにビックリした。2303席という広さだが、ピアノもヴォーカルも、とても自然に響く。先日のフェスティバルホールが、しっかり作り込まれたPAなのに、ヴォーカルの音質にやや不満を感じたのとは、正反対。PAの存在を忘れさせるような響きの良さだ。さらに、矢野さんの声の調子が良いことも影響しているようだ。そして、初っぱなから、足を動かしまくって上原さんが飛ばす。
矢野さんも、上原さんも、このホールで演奏するのは初めてだそうだ。矢野さんは「生涯、最後かも」などと言っていたが、ホールの良さが二人の演奏をさらに引きだしているようで、「おちゃらかプリンツ」の二人の掛け合いは、どこまでが事前に決まっていて、どこからがアドリブなのか、とにかく、楽しく進化している。
「DREAMER」も、前半で歌詞が飛んだところを除けば、圧巻の演奏で、今日はとにかく凄いなぁと圧倒されていたのだが、その後の「飛ばしていくよ」もまた、完璧な飛ばしっぷり。上原さんの人力打ち込みも凄いし、矢野さんの歌唱も見事。
休憩後、上原さんのソロ。これもまた、物凄かったのだが、途中で観客席から手拍子が起きかける。私は、矢野さんや上原さんのような、即興の妙味を楽しみたいミュージシャンの演奏中に手拍子が起きるのが苦手(というより、理解できない)ので、ちょっと残念に思っていたら、上原さんと入れ替わりに登場した矢野さん、ソロの演奏前、さらっと「手拍子、頑張らなくて良いんですよ」と。さらに続けて「手拍子されると、嬉しい反面、本心では…」と、割にハッキリと、即興演奏時の手拍子に対して否定的な見解を述べる。我が意を得たりと思うし、昔から矢野さんのライヴに通っている人なら分かってるはずだよなと思う反面、あまり言い過ぎると、舞台袖の上原さんが居心地悪くなっていないかと、気にもなってしまった。
が、そのようなことは、すぐに忘れるような、怒濤の演奏は続く。本当に、二人とも調子が良いようだ。どの曲も素晴らしかったのだが、特に、アンコール一曲目の「そこのアイロンに告ぐ」が印象的だった。途中、矢野さんが歌詞カードを見失い、探し始めるというハプニングもあったが、その間、上原さんのピアノでちゃんとつなぐ息の合った感じも楽しく、そして、この曲での矢野さんのピアノ演奏の気合いの入りっぷりが凄まじかったと思う。
最後は、いつもよりも、さらにしみじみ沁みる歌唱と伴奏で「Green Tea Farm」。大拍手を背に、舞台から引き上げる上原さんが、小さくガッツポーズをしていた姿に、今日の演奏の充実ぶりを見た気がした。
そして、改めて、ライヴにおける音響の大切さも実感させられ、東京文化会館大ホールという会場自体のファンにもなってしまった。
初日から同じ
(追記。上原さんのソロ、演奏スタイルをすっかり変えてきたので惑わされたけれど、やはり「The Tom and Jerry Show」でした。)
会場は昨日と同じだが、開演時刻が一時間早く、18時スタート。ギリギリのタイミングだが、間に合った。駅から近い会場で良かった。
本日の私の席は、右寄り。上原さんにとても近く、指の動きも表情も、バッチリ見えるポジションだ。ということで、今回は、上原さんの方ばかり見ていた。
近くで見ると、本当にダイナミックに身体を動かしているのに驚く。そして、「東京は夜の7時」でも「おちゃらかプリンツ」でも、即興の応酬の際、矢野さんを挑発するようなプレイを繰り出す上原さん。迎え撃つ矢野さんも、今日は、いつも以上に気合いの入ったピアノのようだ。
「DREAMER」は、歌詞が飛ぶこともなく、完璧な演奏だったと思う。そして、今日の席で楽しみにしていた「飛ばしていくよ」。上原さんの人力打ち込みの凄技を見つめるが、これだけ近くで見ていても、私の動体視力では彼女の手の動きを捕捉できない。驚くべきスピード、かつ、正確さだ。一方、私の視界の外からは、食らいついてくる矢野さんの渾身のピアノも聞こえてくる。二人とも、今日は、乗りに乗っている感じだ。
休憩後の上原さんのソロは、とにかく、テクニックを出し尽くすような演奏を見せつける。一方、矢野さんは、「上原ひろみの速度の1/4で弾きます」宣言した後で演奏開始。しかし、途中で歌詞が飛んでしまう。そこで動じず「歌詞なんか無ければ良いのに」の歌を即興で挟むという、見事なリカバー。
その後の、ツアーグッズ紹介コーナーの二人の小芝居的掛け合いも、見事に板に付いてきて、演奏以外のところも、すっかり熟成してきた感がある。なお、グッズは、各会場、売り切れ続出につき、お二人のオフィシャル・サイトで通販することが決定したそうだ。
ここからの、後半の演奏も、もちろん素晴らしい。ただ、曲毎の感想を書こうにも、「凄い」という言葉しか思いつかない…。
昨日の演奏も素晴らしかったが、憧れの東京文化会館ということで舞い上がったのか、矢野さんがバタバタしていたところもあったかな(「ここで演奏できたから、これからは余生だ」との発言も)。しかし、今日は、歌とピアノが高次元でバランスしていた印象だ。上原さんが、矢野さんを挑発するようなプレイを随所で仕掛けてきたのも、二人のコンディションがバッチリだったからだと思う。余程、達成感があったのか、アンコールで登場すると、矢野さんのスマホで観客席をバックに自撮りを楽しむお二人。そして、全ての演奏が終わった後、観客へ挨拶する姿にも、いつも以上に、充実感と達成感が漂っていたように思う。
あと、今日もつくづく感じたのだが、このツアー。終演後、帰路につくお客さんの間に多幸感が満ちている(そして、自分もその一人)というのも、とても良い感じだ。
今回の会場は、愛知芸術文化センター内にある愛知県芸術劇場。名古屋で開催されるコンサートには何度か来たことがあるが、ここは、私にとって初めての訪問である。地下鉄栄駅の近くの便利かつ立派な設備で、2500席の大ホールは、中々に豪華な作りだ。ただし、入口が2階席フロアに位置し、クロークやビュッフェ(本日は閉店だったが)は3階にあるというレイアウトは、分かりづらいと思う。あと、最近の施設にしては、座席幅が狭い。本日の私の席は、またしても、かなり右寄り。上原さんを斜め後方から見るポジションだ。この角度からだと、ピアノの上に吊るされた鏡には鍵盤は入らず、客席しか映っていない。
さて、冒頭のラーメン。二人のピアノの掛け合いが、また新しい感じになっている。矢野さんは、MCで「天むすは、名古屋ではなく三重が発祥の地」と語ったり(三重県民らしき人たちから拍手)、「(新)ラーメンたべたい」の演奏中に「きしめんじゃ駄目」を突っ込んでくるなど、楽しい地方公演パターンだ。
今日の演奏は、暴発していた上野の一日目、大爆発した上野の二日目に比べると、挑発する上原さん vs 受けて立つ矢野さんのような激しい応酬こそ乏しい感じだったが、その分、引き締まっていたと思う。特に、「The Tom and Jerry Show」は、良い意味で分かりやすい、サービス精神が発揮されたプレイだったと感じる。
前半ラスト二曲「DREAMER」から「飛ばしていくよ」と、後半ラスト二曲「ホームタウン・ブギウギ」から「ラーメンたべたい」の流れが、実に盛り上がるのは、どの公演でも同様だが、今回は、後半ラスト二曲で、何度か、会場の一部から(私は、「無謀にも」と言いたい)手拍子が入り始めた。その度に、それを押さえ込むかのように上原さんが攻めるアレンジを繰り出し、そこに矢野さんも被せてきたところが、結果的に、今日の一番の聴き所だったような。(そう感じたのは、私だけでは無かったみたいだ…)
余談。前後半の間の休憩時間中、ピアノの調律が入る。矢野さんは、毎回、その会場にあるピアノを弾いているようだが、上原さんが弾くのはヤマハが持ち込む専用のCFX。そして、それを調律するのは、ヤマハから派遣された「YAMAHA」ロゴのついたジャンパーを着た調律師なのだが、これが時間が掛かる。後半開始間近を知らせるベルが鳴っても、ギリギリまで続けている。それだけ、彼女のプレイが激しく、調整が必要なのだと思う反面、あれは、ヤマハの宣伝効果も狙って、ギリギリまで舞台上にいるのでは? と勘ぐったりもしている。
2月になってから発表された追加公演の会場は、昭和女子大学人見記念講堂。お二人にとって、2006年のSPACE SHOWER TV主催のセッションイベント、そして、2011年のレコーディング・ライヴの会場だったところで、観る側の我々からしても、思い入れのあるホールだ。
私の席は、今回も右側。上原さんを斜め後ろから見る角度だが、今日は鏡の按配が良く、矢野さんのピアノを弾く姿が映って見える。それにしても、人見記念講堂、このグローバル化の時代に、座席番号がアイウエオ順で良いのだろうか?
さて、一曲目の「旧ラーメン」。いきなりぶっ飛んでしまった。上原さんの演奏が超絶熱い。具も大盛りだ。そして、矢野さんの歌唱も絶好調。この驚きは、続く「東京は夜の7時」で、さらに加速する。即興のアイディアを、これでもかと詰め込んでくる上原さん。そして、歌詞を全く飛ばさず熱唱する矢野さん。最初からテンション高過ぎである。
「おちゃらかプリンツ」演奏前のMCでは、合体曲の説明で「ピコ太郎の、うっ! のように」と例える矢野さんに、上原さんが爆笑してしまい、演奏が始められなくなる楽しい場面もあったが、その後の演奏は、二人の即興の掛け合いが凄いことになっている。上野では、挑発する上原さんを受けて立つ矢野さんという丁々発止のやり取りと感じたが、今回は、さらに熟成され、溢れるアイディアをぶつけてくる上原さんと、それを様々なタッチで受け止める矢野さんという印象を受ける(「受けて立つ」と「受け止める」の印象の違いが大きいのだ)。
このまま、ずっと聴き続けていたいと思ってしまった「真赤なサンシャイン」、いつも以上にドラマチックな展開の「DREAMER」、演奏前に、上原さんが「初めて聴いたときに運命を感じた曲」だと言っていた「飛ばしていくよ」。もう、どれもこれも熱すぎて、第一部だけで、観ている側も体力を消耗した気がする。
第二部も、お二人の絶好調ぶりは増すばかり。上原さんの「The Tom and Jerry Show」の後、矢野さんは「私はいつもは、あれの4倍遅く弾いているが、今日の相方は調子が良いので、5倍遅い」と語るほど、上原さんの演奏はキレッキレだ。そうは言いつつ、矢野さんの調子もとても良い。特に、どの曲でも、歌詞を忘れたり噛んだりすることが、ほぼ皆無で、演奏がぶれないのが素晴らしい。レコーディング・ライヴをした会場ならではのテンションがあるのだろうか。
ツアー・グッズ紹介の小芝居も見事に決まった後、アレンジがさらに工夫されていた「CHILDREN IN THE SUMMER」、矢野さんの歌唱がいつも以上に胸に迫った「こいのうた」、そして二人の絶好調ぶりが際立ちまくった「ホームタウン・ブギウギ」と、凄い演奏のつるべ打ちの後、本編ラストの「ラーメン」が、また熱かった。とにかく、これまでのツアーでの良いところを全て凝縮してきたのではないかと思わせる熱演だ。
当然、アンコールの「そこのアイロンに告ぐ」も、激しい演奏だ。そして、最後の曲に入る前、スタンド・マイクの前に立った矢野さんが、このツアーでの演奏曲のアレンジメントを全面的に手掛けた上原さんを、改めて賞賛。会場からも拍手。恐らく、矢野さんも、今日の演奏には相当の手応えを感じていて、それが、この謝辞となって出てきたのではないだろうか。その後、お二人で創り出した「Green Tea Farm」は、二人の信頼関係も伝わってくるようで、いつも以上に沁みるものだった。
徹頭徹尾、今日の公演は凄かった(演奏だけで無く、MCもグダグダになること一切無しの充実ぶり)。圧倒的な音の乱打に、腰が砕けるほどの衝撃を受けまくり、パンチ・ドランカー状態になったようだ。終演後、2時間ほど経ってこれを書いている今も、軽い放心状態だ。
いよいよ、ツアー最終日。一昨日は、テレビ朝日「ミュージックステーション」に生出演、昨日は、野外フェス「ARABAKI ROCK FEST. 17」に出演と、ハードなスケジュールをこなしてきたお二人。果たして、調子はどうだろうか?
会場は、札幌市、大通公園の西に位置する、1977年開館のホール。1,100席。ここも、座席はあいうえお順(人見はカタカナだったが、ここは、ひらがな)。このツアー、会場選びの基準は、スタインウェイのある音響の良いホール、ということだったのかな。
今回も、私の座席は右寄り。上原さんを正面に見るポジションだ。この角度だと、鍵盤は見えないので、今日はもっぱら上原さんの表情に視線は釘付けである
最終日らしい、ド派手な演奏になるかと妄想していたのだが、いざ始まってみると、受ける印象はかなり違う。この会場の響きは、小規模なホールらしい、アコースティック感溢れる繊細なもの。特に、冒頭は、矢野さんのヴォーカルの音量もかなり控え気味。お二人の演奏も、名残を惜しむような、残り少ない共演時間を慈しむような、とても丁寧な印象だ。「おちゃらかプリンツ」は、二人の即興度が一番高い曲だと思うのだが、ここでの上原さんのプレイは、自らが前面に出るよりも、矢野さんの即興を引き出すことを意識しているように感じた。そして、それに応えるように、矢野さんのピアノがよく響く(その分、今日は、歌詞が飛ぶ場面が多かった気がする…)。もちろん「飛ばしていくよ」での上原さんのプレイは、いつも通り、ぶっ飛ばしていたが。
休憩後の上原さんのソロ「The Tom and Jerry Show」は、アニメ主題曲のフレーズもたっぷりの、サービス精神に溢れた演奏。続いて登場した矢野さんは、MCにサービス精神を込める。曲に入る前、まずは、先日のミュージックステーション出演時の話題。「一夜限りのセッション」と紹介されたことに憤慨したり、一緒に出演していた人が披露していた「美女と野獣」日本語バージョンのサビの部分だけが「Beauty and the Beast」になっていたが、その部分こそ「びじょとやじゅぅ〜」と日本語で歌うべきだ(矢野・上原コンビの次回共演時には採り上げるはず)など。そしてオーソドックスなアレンジで「SUPER FOLK SONG」。
続く「CHILDREN IN THE SUMMER」と「こいのうた」は、今日の会場のアコースティックな音響と、お二人の丁寧な演奏スタイルが、ぴったりはまる。とても、素敵な演奏だ。
今日は、このままの雰囲気で最後まで行くのかと思いきや、お二人が公演前に訪れた「狼スープ(味噌らーめん専門店)」の効果か、本編ラストの「ラーメン本気でたべたい」は、出だしから、ここまでの流れとは、力強さが全く違う。そして、曲の終盤、ついに、上原さんがすべてのリミッターをぶっ飛ばしたような、弾けたプレイを叩きつける。これは凄かった。
アンコールで登場したお二人。客席をバックに記念撮影。そして、本編ラストの勢いをそのまま継続したような「そこのアイロンに告ぐ」。いつも以上に感情のこもった「Green Tea Farm」の熱唱で、全演奏終了。最後は、ツアー・スタッフへの感謝の拍手で、大団円。
今回のツアーは、7公演観ることができた。お二人が言うように、常に、一期一会。毎回、その場でしか生まれない即興の応酬を、複数回堪能できたのは、本当に楽しかった。また、お二人の共演の機会があることを、そして、自分もその場に居合わせることが出来ることを、切に願う。あー、それにしても、この二週間、楽しかったなぁ。