AKIKO YANO TRIO featuring WILL LEE & CHRIS PARKER
2022年、ビルボードライブ大阪 / ブルーノート東京公演


東京の4日間・5公演に行くことが出来ました。
誤りのご指摘、追加情報等あれば、送って頂けると助かります。

メンバー
2022年8月15日(月):ビルボードライブ大阪
2022年8月18日(木):ブルーノート東京
2022年8月19日(金):ブルーノート東京
2022年8月22日(月):ブルーノート東京
2022年8月23日(火):ブルーノート東京

button メンバー

Chris Parker(drums

タイトでダイナミックなドラムスでトリオを支えています。真面目で寡黙そうに見えて、Willの小芝居にちゃんと付き合ってあげるところもナイス。

Will Lee(bass

ベーシストとしてもヴォーカリストとしても大活躍しつつ、そのサービス精神で、ステージ上でムード・メイカーぶりを発揮しています。

矢野顕子(piano, keyboard

トリオでの演奏が復活して、本当に楽しそうです。怪獣と宇宙が大好きなところは、小学三年男子マインド。

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button 2022年8月18日(木)

buttonセットリスト

2nd Show
  1. ラーメンたべたい
  2. David
  3. Just the Two of Us(Grover Washington Jr. / 作詞・作曲:Bill Withers, William Salter & Ralph MacDonald
  4. ゴジラ vs モスラ
  5. ドラゴンはのぼる(新曲 / 作詞:野口聡一、作曲:矢野顕子
  6. 音楽はおくりもの
  7. 津軽海峡・冬景色
  8. ひとつだけ
アンコール
  1. Gasoline and Matches(Buddy Miller
  2. 在広東少年

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東京の初日。2nd Showのみの参戦。何故か、この日はJCBカード会員限定の予約(電話予約は、非会員でも可能になったが)。どのような大人の事情が働いたのか不明だが、こういうのは好きじゃ無いな。あと、コロナ以前よりも開演時刻が30分早まったのは痛い。今回は、1st Showは諦めざるをえなかった。

それはそれとして、待望のトリオ公演復活である。ピアノはもちろん C. Bechstein。アーティスト・カクテルは「恋のオービット 」。スペシャル・メニューは「青森県小川原湖のしじみラーメン/とうもろこしのオープンギョウザ」、そして、デザートに「「嶽きみ」のアイスクリーム」。

演奏開始。矢野さんはスタンディングで歌唱。Chrisはスティックを使わず、手でドラムを叩く。思いっきりジャジーな「ラーメンたべたい」。これまでも、色々なアレンジで堪能してきたラーメンだが、こういう味付けもあったか!

矢野さんが定位置=キーボードの前に座り「David」。続いて、Willがリード・ヴォーカルで「Just the Two of Us」(邦題は「クリスタルの恋人たち」)。Willのヴォーカル・スタイルにぴったりの曲だ。矢野さんが奏でるエレピ・サウンドとの相性もバッチリ。とても心地よいパフォーマンスだ。

歌い終わったWillが、本当に心地よさそうにしていると思っていたら、これは例の小芝居、次の曲の前フリだ。そして始まった「ゴジラ vs モスラ」。トリオが帰ってきた!と嬉しくなるサウンド。というか、こんなにカッコ良かったっけ、と思うほどの迫力の演奏だ。

怪獣の後は宇宙である。世界初演の新曲は、新人作詞家:野口聡一による「ドラゴンはのぼる」。このドラゴンは、Space X社の宇宙船のこと。

次の2曲は、アルバム「音楽はおくりもの」収録曲。小原礼・林立夫組に比して、より硬質だと感じるWill & Chrisのリズム隊で聴くのも、なかなか刺激的だ。「津軽海峡・冬景色」の演奏は、インタープレイがたっぷり。矢野さんのスキャット、Willもスキャットしつつのベース・プレイ、そして、Chrisのドラムが熱い。

本編ラストは「ひとつだけ」。アンコール 1曲目は、このトリオ最大のヒット曲()「Gasoline and Matches」。楽しい。最後、Willがマッチに火をつけて投げるところまで完璧にノリノリだ。そして、「在広東少年」。エレキ・ギター・サウンドでイントロを奏でたWillがベースを放り投げ、それ以降はシンセを弾く。KYLYNよりもYMOよりも、疾走感溢れる演奏だと思う。これで全編終了。

いやはや、とても痛快なライヴだった。トリオの帰還、本当に大歓迎である。この後もブルーノート東京公演は続く。さらに熟成されて、もっと痛快になるのだろうな。

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button 2022年8月19日(金)

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2nd Show
18日と同じ。

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東京の二日目。2nd Showのみの参戦。気がつけば、アリーナ席は間引き無しで1卓4人が着席。昨日は、格子状に間引きされていたのだが…。窮屈だけど嬉しい。ブルーノート東京、いよいよ通常運転だ。

本日も、ピアノはもちろん C. Bechstein。アーティスト・カクテルは「恋のオービット 」。スペシャル・メニューは「青森県小川原湖のしじみラーメン/とうもろこしのオープンギョウザ」、そして、デザートに「「嶽きみ」のアイスクリーム」。私はアイスクリームを食べたが、美味。

演奏曲は昨日と同じ。まずは、矢野さんがスタンディングで歌唱し、Chrisはスティックを使わずに手でドラムを叩く、ジャジーな「ラーメンたべたい」。歌詞がハマるタイミング具合が、昨日に比して絶妙に進化していると感じる。

矢野さんが定位置=キーボードの前に座り「David」。続いて、Willがリード・ヴォーカルで「Just the Two of Us」。やはり、Willのヴォーカル・スタイルにぴったりだし、矢野さんのエレピとコーラスとの相性もバッチリ。どこまでも心地よい。。

歌い終わったWillによる小芝居を挟んで、「ゴジラ vs モスラ」。本日も熱い。本当に凄いトリオだと実感する。個人的には、「モスラ」のパートのピアノ演奏の中に顔を出す「ゴジラ」のフレーズが大好物だ。今回は、演奏終了後にも「怪獣が去っていた…」という小芝居付き。

怪獣の後は宇宙。新人作詞家:野口聡一による「ドラゴンはのぼる」。このドラゴンは、Space X社の宇宙船のこと。音色にプログレ臭を感じるのは、私だけかな。

「音楽はおくりもの」。昨日もそうだったが、演奏後、Willが「本当に良い曲だなぁ」という表情を浮かべるところに、こちらも嬉しくなる。そして、「津軽海峡・冬景色」。終盤に、矢野さん、Will、Chrisの順で聴かせどころがあるのだが、単純なソロ回しではなく、それぞれの個性をしっかり聴かせる厚みのある展開に圧倒される。

本編ラストは「ひとつだけ」。アンコール 1曲目は、このトリオ最大のヒット曲()「Gasoline and Matches」。本日も、ひたすら楽しい。そして、「在広東少年」。エレキ・ギター・サウンドでイントロを奏でた後、ベースを放り投げ、それ以降はシンセで弾けるWillもカッコ良いが、それ以上に弾ける矢野さんのピアノ&歌唱も超絶カッコ良し。大興奮の内に、全編終了。

予想通り、と言うか、予想以上に、昨日からさらに進化した痛快ライヴだった。帰ってきたトリオと、満席のブルーノート東京に感謝である。

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button 2022年8月22日(月)

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1st Show & 2nd Show、ともに
18日と同じ。

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開演時刻がコロナ前より30分早まったことで、平日の1st Showは行きづらくなったのだが、1st、2ndを続けて観る体験は捨てがたく、この日だけは無理繰り1st Showにも参戦することにした。土日公演があれば良かったのだが、何故か土日は「布施明」。もっとも、トリオの皆さんのコンディションを考えれば、休日を挟むのは正解だろう。

本日も、ピアノはもちろん C. Bechstein。キーボードにKORGのMusic Workstation。アーティスト・カクテルは「恋のオービット 」。スペシャル・メニューは「青森県小川原湖のしじみラーメン/とうもろこしのオープンギョウザ」、そして、デザートに「「嶽きみ」のアイスクリーム」。1st Show開演前にラーメンを食べたが、美味。

セットリストは変わらない。まずは、矢野さんがスタンディングで歌唱し、Chrisはスティックを使わずに手でドラムを叩く、ジャジーな「ラーメンたべたい」。歌詞がハマるタイミングの絶妙さ加減がさらに増していると感じる。

矢野さんが定位置=キーボードの前に座り「David」。続いて、Willがリード・ヴォーカルで「Just the Two of Us」。Willのヴォーカル、矢野さんのエレピとコーラス。1980年代のAORというか、スムースジャズというか、あの時代の空気感まで再現しているような心地良さ。

歌い終わったWillによる小芝居を挟んで、「ゴジラ vs モスラ」。このトリオにしか出来ない、唯一無二のサウンドに大興奮。何度聞いても、凄い物は凄い。

怪獣の後は宇宙。新人作詞家:野口聡一による「ドラゴンはのぼる」。このドラゴンは、Space X社の宇宙船のこと。プログレ味のあるサウンドがカッコ良し。

「音楽はおくりもの」で、しっとりとクールダウンした後、。「津軽海峡・冬景色」。終盤の、矢野さん、Will、Chrisの順でそれぞれが前面に出たインタープレイが聴き所。三人とも、毎回、違うアプローチを放り込んできて、実にスリリングだ。

本編ラストは「ひとつだけ」。アンコール 1曲目は、このトリオ最大のヒット曲()「Gasoline and Matches」。そして、Willのベースが、印象的なエレキ・ギターのフレーズを再現して「在広東少年」。イントロを奏でた後、ベースを放り投げ、それ以降はシンセで弾けるWillもカッコ良いが、それ以上に弾ける矢野さんのピアノ&歌唱も超絶カッコ良し。

と言う事で、1st Showは、休日でしっかりリフレッシュが出来たのだろうなと思わせる良いプレイだった。ただ、私の席が、Chrisの至近席。ドラムの音圧が凄くて、他の二人のプレイ、特に矢野さんの歌唱が聴き取りづらいのが残念。では、Chrisに集中しようとすると、大きな譜面台が視界を遮り、彼の顔も全く見えない。そのため、視線はもっぱらChrisの手元・足元。それはそれで、彼の凄テクを堪能出来たから良かったのだが…。

2nd Showは、一転、矢野さん寄りの席。今回のブルーノートは、先の1st Showが極端だったにせよ、ドラムス寄りの席ばかりだった。ようやくピアノ寄りのポジションだ。

演奏が始まって、驚いた。ドラムス寄り(舞台に向かって右側)で聴いていた時と、全くバランスが違う。矢野さんの歌唱とピアノが前面に出てきて、とても聴きやすい。特に「ドラゴンはのぼる」は、新曲で脳内補完が出来ない分、イマイチ掴みきれなかったところが、今回の席で聴くと、そのカッコ良さがより際立つ。やはりプログレだ。

その後も、同じセット・リストだが、よりクリアな印象でパフォーマンスを楽しむことが出来た。「津軽海峡・冬景色」のインタープレイは、またも三人とも工夫を凝らしてきているし、「Gasoline and Matches」の盛り上がりも、「在広東少年」の圧倒的な疾走感も、素晴らしいの一言。全編終了後は、当然のスタンディング・オヴェイションである。

あと、今回のブルーノート公演が過去と違っている点は、MCが最低限だったことだ。おしゃべりは排除して、三年ぶりのトリオ演奏を楽しみ尽くそうとしているのだろうか。MCが長引いたときの微妙なグダグダ感の味わいも捨てがたいが、今回の超充実のセット・リストには、これぐらい引き締まった進行がぴったりだとも思う。

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button 2022年8月23日(火)

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2nd Show
18日と同じ。

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いよいよ最終日。2nd Showのみの参戦。本日も、ピアノはもちろん C. Bechstein。キーボードにKORGのMusic Workstation。アーティスト・カクテルは「恋のオービット 」。スペシャル・メニューは「青森県小川原湖のしじみラーメン/とうもろこしのオープンギョウザ」、そして、デザートに「「嶽きみ」のアイスクリーム」。
なお、このセットは、生配信されることになっている。

有り難いことに、今回の私の席は、左右ほぼ中央。音のバランスが、実に良い。それだけでうれしい。

セットリストは変わらない。まずは、矢野さんがスタンディングで歌唱し、Chrisはスティックを使わずに手でドラムを叩く、ジャジーな「ラーメンたべたい」。これまでも、色々なアレンジで堪能してきたラーメンに、まだ、こういう味付けもあったとは!と驚いたが、公演を重ねる毎に、渋いリズムに歌詞がハマるタイミングが熟れてきたと思う。今回は完成形だ。

矢野さんが定位置=キーボードの前に座り「David」。その後、矢野さんがメンバー紹介をするのだが、過去のブルーノート東京公演でありがちだった長いMCは封印。特に、今回は生配信が入っているので、時間管理が求められているのだろう。シンプルな紹介だ。それでも、Willは、舞台袖に身を潜めて、名前を呼ばれるや、ジャジャーン! という感じで飛び出してくるという毎度のお馴染みを、キッチリやってくれる。素晴らしいサービス精神だ。そして、そのWillがリード・ヴォーカルで「Just the Two of Us」。Willのヴォーカルは、本当にこの曲に合うと感じるし、矢野さんのエレピとコーラスの重なりも絶妙。1980年代のAORというか、スムースジャズというか、あの時代の空気感まで再現しているような心地良さ。ここまでは、最終公演にありがちな、リミッターを取っ払って爆走する演奏というより、とにかく完成度を高めてきている演奏だと感じる。

歌い終わったWillによる小芝居を挟んで、「ゴジラ vs モスラ」。このトリオにしか出来ない、唯一無二のサウンドが凄まじい熱量で展開。個人的には、「モスラ」のパートのピアノ演奏の中に顔を出す「ゴジラ」のフレーズが大好物だ。何度聞いても、凄い物は凄い。

怪獣の後は宇宙。新進気鋭の作詞家:野口聡一を起用した「ドラゴンはのぼる」。このドラゴンは、Space X社の宇宙船のこと。プログレ味のあるサウンドと矢野さんの絶唱、ひたすらカッコ良し。

「音楽はおくりもの」で、しっとりとクールダウン。演奏後、Willがしみじみと「I love that song!」。何だか私も嬉しくなる(ただし、Willの突然の発言で、矢野さんのMCプランが崩れたみたいだが…)。そして、「津軽海峡・冬景色」。終盤の、矢野さん、Will、Chrisの順でそれぞれが前面に出たインタープレイが聴き所。三人とも、さらに工夫を凝らしたアプローチを放り込んできて、実にスリリングだ。

本編ラストは「ひとつだけ」。最後の「ララララライライラ」が、もう堪らない。私の最高に好きなパターンだ。そして、アンコール 1曲目は、このトリオ最大のヒット曲()「Gasoline and Matches」。ひたすら楽しい。演奏後、例によってWillが火の点いたマッチを投げたのだが、それがピアノの中に! 大丈夫だったのかな?

いよいよ、最終公演・最後の曲。Willのベースが、印象的なエレキ・ギターのフレーズを再現して「在広東少年」。イントロを奏でた後、ベースを放り投げ、それ以降はシンセ・ベースを弾きまくるWillもカッコ良いが、それ以上に弾ける矢野さんのピアノ&歌唱も超絶カッコ良し。YMOもKYLYNも凌駕する、圧倒的な疾走感だ。全編終了後は、当然のスタンディング・オヴェイションである。

いやはや、全体を通して、とても完成度の高いパフォーマンスだった。生配信が入って、勢いが削がれるかもと思っていたが、杞憂に終わった。というか、最終公演の勢いと生配信が入ることによる制約が良い塩梅に化学反応したのかもしれない。いつも以上にサービス精神を発揮するWill、全くぶれずに鉄壁のリズムで支え続けるChris、どんどん歌唱・演奏の熱量が高まる矢野さん。本当に素晴らしいトリオだ。

ということで、三年ぶりのトリオ復活。ご本人達だけでなく、スタッフの皆さんの尽力は並々ならぬ物だったと思う。おかげで、こんなにも素晴らしいライヴ体験をすることができた。ただただ感謝である。そして、一度復活したライヴの灯は、絶対に消したくないとも思う。

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