IN/OUT (2026.5.10)

スイトピアセンター春の矢野顕子強化月間も大詰め。
岐阜県大垣市と、
ザ・ガーデンホール恵比寿 ザ・ガーデンホールへ。


in最近のIN

「光琳派 国宝「燕子花図」と尾形光琳のフォロワーたち」 @ 根津美術館26.5.5

根津美術館根津美術館の開館85周年記念特別展を観てきた。

国宝、尾形光琳の「燕子花図屏風」を中心に、尾形光琳のフォロワーたる、渡辺始興、深江芦舟、立林何帠、尾形乾山などを紹介するという展覧会だ。なお、タイトル「光琳派」は、尾形光琳に直接、間接に連なる芸術家を指す。画風や様式が共通する芸術家を総称する「琳派」よりも狭い概念とのこと。

正直、彼らの作品を観て、尾形光琳の影響と作者独自の個性を見分けることは、私には無理。鑑賞のハードルは、それなりに高いと感じる。

しかし、尾形光琳と渡辺始興による「燕子花図屏風」(尾形光琳のは根津美術館蔵、渡辺始興のは米国The Cleveland Museum of Art蔵のものが来日)、それぞれ、6曲1双(6つの面を持つ屏風 2つで1双)の金屏風が並んで展示されているのは、迫力が桁違いで、素人でも圧倒される。教科書でもお馴染み、国宝の尾形光琳の作品に対し、渡辺始興は、葉脈の描き込みなど写実性を高めながら、カキツバタの下半分は霞に隠れている。この二つを、一度に視界に入れて鑑賞できるのは、とても贅沢な体験だ。

根津美術館根津美術館には、都心の美術館に併設されているとは思えない、起伏に富んだ立派な庭園があるが、まさにこの時期、カキツバタも満開を迎えている。これも眼福。

有名国宝の展示と、その題材の花を同時に楽しめるという事で、インバウンドを含め、美術館は大入りだったが、このタイミングで訪れて、大正解だった。


「SORAYAMA 光・透明・反射 ーTOKYOー」 @ CREATIVE MUSEUM TOKYO26.5.5

CREATIVE MUSEUM TOKYO光琳派から一転、メタリックな女性ロボットのイラストでお馴染み、空山基の回顧展を観に、CREATIVE MUSEUM TOKYOに行ってきた。

CREATIVE MUSEUM TOKYOTODA BUILDINGの6階にあるこの美術館を訪れるのは初めてだったが、入り口が分からない…。1階には自動車展示場があるだけ?と思っていたら、この車、ソニー・ホンダモビリティ株式会社と空山基がコラボした「AFEELA Prototype Tuned Up by Hajime Sorayama」だった!(”本車両の販売予定はありません”と注釈が付いているのが寂しい…

CREATIVE MUSEUM TOKYOこの奥にあるエスカレーターを上って、6階の展示会場へ。正直、導線は、あまりよろしくない。が、入り口に掲げられた、お馴染みのテイストのイラストにテンションが上がる。

CREATIVE MUSEUM TOKYO場内は、大きなキャンバスに描かれた絵画作品有り、

CREATIVE MUSEUM TOKYO立体造形も多数有り、

CREATIVE MUSEUM TOKYO変化球的絵画も有る。

CREATIVE MUSEUM TOKYO個人的に、もっとも印象的だったのは、彼がデザインした初期のAIBO。これは、刺さるデザインだったなぁ。

予想以上のヴォリュームの展示で、写真も動画も撮影自由。さらに嬉しかったのが、最近の作品も多かったこと(空山基は、1947年生まれ)。一貫した個性で活動を続け、多くの人に、そのイメージを浸透させたのは、つくづく凄いと思う。

なお、こちらにもインバウンドの方々が多く訪れていたが、根津美術館にいた、フツーのガイジン旅行者という感じの人々に対し、こちらの会場には、尖ったファッションの若者旅行者が多かったな。


「養老孟司と小檜山賢二の虫展」 @ 東京都写真美術館26.5.9

東京都写真美術館本業の解剖学者よりも、むしろ、虫好きとして知られる養老孟司(東京大学名誉教授)と、対象物の全てにピントがあう深度合成技法を用いた昆虫写真で知られる小檜山賢二(慶應義塾大学名誉教授)の2人による展覧会を観に、東京都現代美術館に行ってきた。

東京都写真美術館展示室に入ると、丁度、小檜山先生のギャラリートークが始まったところだった。先生自ら、場内を歩きながら、それぞれの作品の前で解説をしていく。穏やかな口調でゆっくり喋る姿は年相応のおじいちゃん(1942年生まれ)だが、頭脳は明晰。フォトショップの新しい機能について語るなど、新技術も果敢に取り入れているようだ。写真を示しながら、「フォトショップの切り抜き機能は、とても進歩しているが、まだ、このような昆虫の体表の細かい毛は無理。マニュアル作業で、こうやって切り抜いているんですよぉ。それれがまた、楽しくてねぇ」。

この調子で、ギャラリートークが終わった後も、先生は場内に残り、観客からの質問や記念撮影のお願いに、にこやかに対応されている。なお、先生の使用カメラは、OM SYSTEMのOM-1とのこと。元オリンパス・ユーザーの私としては、嬉しい。

東京都写真美術館写真は、思いっきり大きく拡大されているが、驚くほど隅々までピントが合い、超絶高画質。被写体の昆虫の異形っぷりが引き立っている。

東京都写真美術館なお、写真の脇の説明パネルには、実物大のその昆虫の写真が付いている。それにしても、こんな小さな生物に、凝りまくったデザイン。自然界、恐るべし。

東京都写真美術館特に、印象的だったのは、トビケラの巣。先生もギャラリートークで言っていた通り、そのまま現代美術として通用しそうだ。

場内のあちこちに掲示されている含蓄に富んだ養老先生の言葉も効果的。写真のシャープさと自然の驚異、そして何より、先生方の人柄の良さで、とても雰囲気の良い展覧会だった。


CANDY DULFER "FUNKALICIOUS TOUR" IN JAPAN @ ブルーノート東京26.5.10

ブルーノート東京昨年の来日公演が、直前でキャンセルになってしまったCandy Dulferのリスケジュール公演を観に、ブルーノート東京に行ってきた。なお、昨年のキャンセルの理由が、Candyのお母様の逝去。そして、そのリスケジュール公演、ブルーノート東京の初日が母の日、というのは、巡り合わせを感じてしまう。

今回のメンバーは
・Candy Dulfer(sax,vo
・Ivan Peroti(vo
・Camilo Rodriguez(vo
・Marc Mangin(sax
・Efe Erdem(tb
・Jordy Kalfsvel(key
・Ulco Bed(g
・Xander Buvelot(b
・Kick Woudstra(ds
バックが、男性ヴォーカル2名、サックス、トロンボーン、キーボード、ギター、ベース、ドラムスの8人というのは2024年の"WE FUNK HARDER TOUR”と同じ。

バック・バンドが先に登場し、音を出し始めたところに、ラメラメの衣装でキメたCandy姐さん登場。「Sax-a-Go-Go」で、ド派手に始まる。ブルーノート東京 5日間公演の初日、1st Showだが、既に大阪と福岡で2公演こなしているので、バンド全員、冒頭から熱い! そこからも、とにかく、”positiveness”が溢れ出るステージだ。通常よりも広めのステージ(その分、最前列のテーブル席が、普段は6人掛けだが、今回は4人掛け)を、縦横無尽に使いながら、時には、最前列のテーブルに片足を掛けて前に乗り出し、あるいは、サイドのモニター・スピーカーの上に乗って、サックスを吹き倒す。

強烈な”positiveness”さは、泣きのギターとサックスの絡みがエモい「Lily Was Here」や、演奏前に涙ぐむほど思い入れを持ってプレイした「The Climb」など、バラード系の曲でも発揮されていて、沁みるメロディー・ラインの奥に、強靱なファンクが宿っているという印象だ。

また、中盤、「Galaxy」の演奏では、途中、サックスを手放し、ドラム・セットに向かうCandy姐さん。実に楽しそうに、ドラムス演奏も披露。このサービス精神が嬉しい。

ラストは、「P Funk The Pieces (Pick Up The Pieces)」。恒例の、観客席を練り歩きながらの演奏だ。場内、大興奮。これで全編終了。1st Showは、アンコール無しだが、完全燃焼。理屈抜きで楽しい、素晴らしいパフォーマンスだった。



春の矢野顕子強化月間の締めは、友人が開催した「レコード鑑賞会」@ 月花舎。業界の方も参加され、興味深い話や、レア曲も多数(私は、矢野顕子が作曲した高見知佳「怒濤の恋愛」を持参)。以前から、疑問に思っていたことが氷解し、とても有意義でした。