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昔、住んでいた武蔵小金井駅近辺を、久しぶりに再訪。JR中央線は高架化され、駅前に昔の面影無し…。何だか、記憶にあった以上に、住みやすそうな街になっていました。
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YESが、1972年12月、ロンドンのRainbow Theatreで行った公演を収録した映画を観てきた。米国では1975年に劇場公開された作品だが、何故か、このタイミングで、日本で公開。
超絶傑作アルバム「Close to the Edge」の発売に合わせて行われたツアーだ(アルバム発売は1972年9月。ツアーは7月から開始。この映像は12月に収録)。なお、レコーディング時のドラマーはBill Brufordだが、アルバム完成直後に脱退したため、このツアーから、Alan Whiteに交替している。個人的には、Brufordじゃないのは残念だが、この後はAlan WhiteがYESのドラマーとして定着したので、これはこれでOKだ。他のメンバーは、Jon Anderson(vo.)、Steve Howe(gt.)、Chris Squire(ba.)、Rick Wakeman(key)と、まさに黄金期のメンバー。
なお、同名のライヴ・アルバム(1973年5月発売)はLP3枚組だが、映画は72分間。収録されているのは
・Opening (Excerpts from Close to the Edge)
・I've Seen All Good People
・Clap
・And You and I
・Close to the Edge
・Excerpts from Six Wives of Henry VIII
・Roundabout
・Yours is No Disgrace
・Ending (Excerpts from Starship Trooper "Würm")
正直、映像作品としての出来は酷い。カメラの設置に制約があったのか、今、映すのはそこじゃないだろうと言いたくなるカット、多数。イメージ映像的に挿入されるプランクトンや食虫植物も、2026年の今見ると、失笑…。
それでも、私としては、Rick Wakemanのキーボード・ソロ=公演時期に合わせたクリスマス仕様の「Six Wives of Henry VIII」が嬉しい。また、若かりし日のSteve Howe(なぜか、Jon Anderson以上に目立つ編集になっている)の勇姿も見どころか。
いずれにしても、初見という訳じゃないので、あまり文句を付けても仕方ない。とにかく、映画館の大スクリーンでYESのライヴが観られるということ自体、ありがたいのである。出来れば、立川シネマシティや川崎チネチッタのような、爆音仕様の映画館で観たかったところだが(TOHOシネマズシャンテは、圧倒的に音圧不足)、贅沢は言えないのだ。
Bernardo Bertolucci監督の1987年の名作「The Last Emperor」を、オーケストラの生演奏と共に楽しむシネマ・コンサートを観てきた。
音楽は、坂本龍一、David Byrne、蘇聡の3人。生演奏は、和田一樹が指揮する東京フィルハーモニー交響楽団に加え、伝統楽器の、姜 建華(二胡)、姜 小青(古筝)、楊 宝元(中国琵琶)、髙桑 英世(笛)が参加。
東京国際フォーラム ホールAの大舞台に、スクリーンが吊され、その下に、フル・オーケストラと中国伝統楽器が陣取る。私の席は2階の最前列。とても観やすいポジションだ。
この映画、Bertolucci監督の作品を食わず嫌いなせいで、今まで未見だった。この機会に観てみることにしたのだが、予備知識も皆無なので、鑑賞前に溥儀の生涯を付け焼き刃で予習。これは大いに役立った。時代に翻弄される清朝最後の皇帝、溥儀の生涯は、映画を観ただけでは理解しきれなかっただろう。とにかく、史実があまりに波瀾万丈なので、映画の163分間の尺に収めてしまうと、出来事の羅列になり、逆にストーリーは単調に感じてしまう。その分、時系列を行き来する語り口の工夫は巧みだし、映像美は圧巻だが、映画館で普通に観ていたら眠くなっていたかも。こういうイベント形式で鑑賞して大正解だ。
音楽の方は、本当に素晴らしかった。生オーケストラによるダイナミック・レンジの広い劇伴に圧倒され、映像から受けるインパクトが何倍にもなる感じだ。もちろん、この音楽に欠かせない中国伝統楽器も実に効果的。映像とのシンクロもバッチリで(劇伴の無い間も、じっと待っている楽団員の皆さんは大変だと思うが)、最近増えたと感じる「シネマ・コンサート」のノウハウが蓄積されているのだなと感心。
贅沢を言えば、上映終了後、教授の作品のアンコール演奏があっても良かったのにな、と思ったが、それは流石にわがままか…。
村治佳織のライヴを観に、ビルボードライブ横浜に行ってきた。
今回は、昨年10月に発売された「ゲーム音楽×クラシック・ギター」をテーマにした新アルバム「エターナル・ファンタジー」を引っさげての公演。アルバムにも参加している弟のギター奏者 村治奏一と、もう1人、Reiがゲストで出演する。私は、ゲーム音楽には不案内なのだが、先日のブルーノート東京公演が素晴らしかったReiと村治佳織が共演するとなると、観ないわけにはいかない。
まずは、村治佳織1人で、新アルバムから「エブリシング・オールライト(To the Moon)」。村治奏一が加わって「ザ・ドラゴンボーン・カムズ(ジ・エルダー・スクロールズ・ファイブ・スカイリム)」。弟と共演するときの鉄板曲「New Cinema Paradise」。そして、新アルバムから「序曲(スターデューバレー)」と、もう1曲(曲名失念)、テンポ良く演奏していく。繊細なクラシック・ギター2台が重なる響きが、ただただ美しい。
弟が退場し、ソロで「ゼルダの子守唄(ゼルダの伝説)」、「ザナルカンドにて(ファイナルファンタジーⅩ)」。ここで、この正月休みの話。米国で過ごしていたのだが、友人に誘われて、”Seanさんのパーティー”に行ってギターを弾くことになった。いざ、行ってみると、SeanさんとはSean Pennだった!という、いかにもセレブなお話。この人らしいなぁ。
さらに、「ネイトのテーマ(アンチャーテッドシリーズ)」、「エターナル・ファンタジア(これは、ゲームの曲では無く、村治佳織の自作曲)」を演奏したところで、Reiの登場となる。
私は、彼女がゲストだと知って、村治佳織とRei、それぞれとの共演を見たことがある渡辺香津美の事を思い出したのだが、村治佳織にReiを紹介したのも渡辺香津美だったそうで、ご本人も「今日が初めての共演だが、このことを知ったら、渡辺香津美さんも喜んでくれるはず」と仰っていた。本当にそう思う。長い闘病が続く渡辺香津美、なんとか快復してもらいたいものだ。
Reiは、クラシック・ギターを持って登場。今ではエレキ・ギターのイメージが強いが、元々は、4歳の時からクラシック・ギターを習っていたのだ。まずは、彼女のヴォーカルも生かすべく、Bee Geesの「How Deep Is Your Love(愛はきらめきの中に)」。いやぁ、Rei、やっぱり凄い。ギターの上手さはもちろん、ちょっとハスキーな歌声が渋い雰囲気を醸し出す。英語詞を、ちゃんと意味を理解して歌っているのが伝わってくる。
つづいて、村治佳織の作品「バガモヨ ~タンザニアにて~」(今、調べてみたら、この曲が入っているアルバム「Music Gift to」には、「愛はきらめきの中に」も収録されていた)。憧れの人との共演なので、その人の作品をリクエストしたというReiだが、堂々と渡り合っている(渡辺香津美との共演でも、一切、物怖じせず「Unicorn」でギター・バトルしてたもんなぁ)。そして、村治奏一も参加して、3人で「ザ・ドラゴンボーン・カムズ」。流麗な奏一、透明感の佳織、そして、骨太のRei、という感じで音が重なっていくのが、なんとも心地よし。なお、この曲で、村治佳織は珍しいダブル・ネックのクラッシック・ギターを演奏。Reiが野村義男から託されたギターとのことだが、リハーサルしてみて、結局、村治佳織が弾くことになったそうだ。これで本編終了。
アンコールは、ソロで、Andrew Yorkの「Sunburst」。これで全編終了。
クラシック・ギターの清涼な音色がなんとも心地良いライヴだった。そして、世代を超えてリスペクトし合うミュージシャンの共演は、やはり良いなぁとも思う。次回は是非、村治佳織とReiがエレキ・ギターで共演するパフォーマンスを観たいところだ。
ジャズの作・編曲家 挾間美帆と、クラシックのヴァイオリニスト滝 千春が組んだプロジェクト「MaNGROVE」の公演を観に、武蔵小金井駅前にある小金井 宮地楽器ホールに行ってきた。初めて訪れるホールだが、569席の小綺麗なホールだ。
メンバーは、
・挾間美帆(プロデュース、作・編曲、ピアノ)
・滝 千春(ヴァイオリン、プロデュース)
・山根一仁(ヴァイオリン)
・Luosha Fang(ヴィオラ)
・佐藤晴真(チェロ)
・木村将之(コントラバス)
弦楽五重奏 + ピアノという編成だ。
まずは、挾間美帆作曲「Introduction and Fugue」。続いては、弦楽四重奏で、やはり彼女作曲の「CHIMERA」。どちらも、現代音楽風の響きもある格好良い曲。
ジャズ寄りの演奏が続いたので、次は、王道クラシック調ということで、
S. Prokofievの「バレエ組曲『ロメオとジュリエット』Special Selection for MANGROVE」
・Introduction
・Dance of Knights
・Romeo and Juliet
・Death of Tybolt
・Romeo at the Grave of Juliet
もちろん、クラシックと言っても、要所要所で挾間美帆の凝ったアレンジが顔を出して、聴き応え有り(”Introduction”の演奏中、場内に、ノイズが響き、ちょっと中断があった。結果、中断後の”Dance of Knights”のお馴染みのフレーズが余計に引き立ったのは、怪我の功名か)。 ここで、20分間の休憩。
第2部冒頭は、ヴァイオリン 2人で、「B↔C(MaNGROVE Edition)」。元々、挾間美帆が滝千春のソロ用に書き下ろした曲を、今回は山根一仁とのデュオで演奏。極めてスリリングな展開の曲だ。
次は、挾間美帆と滝千春の2人で、Charles Chaplinの「Smile」(Claus Ogerman編曲)と、Claus Ogermanの「Duo Lirico より 第4楽章」。
そして、6人揃って、本日のメイン・ディッシュ、 挾間美帆の「組曲『Space in Senses』より」
・Parallelism
・Puzzle
・Interlude
・Pyramid
・Big Dipper
複雑で精緻なアレンジの中、分かりやすいポップなフレーズも顔を出す。なるほど、これが、お二人がMaNGROVEというプロジェクトでやりたかった音なのだなと納得の、迫力の演奏。
アンコール、挾間美帆の「Mosaic」で全編終了。ビッグバンドで聴くことが多かった挾間美帆のアレンジだが、クラシック系の少人数編成で聴くと、そのカッコ良さが、より引き立つ印象だ。メンバーの演奏技量も素晴らしく、刺激的な公演だった。
30年以上経てば、街も(人も)変わる。ざっと、数えてみると、これまで住んでいたのが12ヶ所。一通り、再訪してみたいような気がしてきた、今日この頃です。 |