IN/OUT (2024.12.1)

日比谷公園2024年も、ついに12月に突入。諸々、慌ただしくなっていますが、気持ち良い天候が続いているのは、ありがたい。


in最近のIN

"Jawan"24.11.29

T-Joy プリンスシネマボリウッドの超大スター SRKことShah Rukh Khanの主演作を観てきた。本国インドでは、2023年のNo.1ヒット作にして、歴代5位の興行収益を上げた話題作だ。

しかも、ボリウッド映画でありながら、Atlee監督を筆頭に、タミル語映画界からスタッフが集結しているという。私は、インド映画の中では洗練されたボリウッドより、コテコテ度合いの強いタミル語映画が好みなのだ。

さらに、タミル語映画界のトップスター Nayanthara嬢(Chandramukhi”などで"SUPER ☆ STAR" Rajinikanthと共演)と、ボリウッド随一の美女(と、私が確信している)Deepika Padukone嬢も出演している。

もう、これらの情報だけで、テンション爆上がり・期待度Max! 公開初日に勇んで映画館へ。

期待以上に素晴らしい!徹頭徹尾、SRKをカッコ良く見せることだけに専念した絵作りが見事。いつもの2倍、カッコ良いと言い切って良いだろう。アクション・シーンが、やたらとスタイリッシュな最近のボリウッド風ではなく、やり過ぎ感が癖になるタミル語映画風味なのが嬉しい。当然、コテコテの歌と踊りもたっぷり。そして、SRKを囲む美女達の見せ場もてんこ盛り。ハードボイルドにキメるNayanthara嬢も素敵だが、やはり、Deepika Padukone嬢の美しさは突出している。この2人に加え、6人の女性がチームを組んでSRKをサポートし、その後ろには6千人の女性たちも控えているという大盤振る舞い。

という訳で、SRKのハンサムっぷりに痺れ、Deepika Padukone嬢の美女ぶりにメロメロになり、興奮しっぱなしの171分間。大満足なのである。

ただし、ストーリーは無茶苦茶である。地下鉄をハイジャックし、乗客を殺害し、巨額の金を要求するSRK、果たして、本当に悪人なのか?という出だしはバッチリだが、そこからの強引な展開から、30年間、親子二代に渡る復讐譚へと話は広がっていく。Vijay Sethupathiが演じる悪役のキャラも荒唐無稽だし、途中、無理矢理なラブコメ要素が入るのもご愛敬(ここは、SRKだと真面目すぎる気がする。"SUPER ☆ STAR" Rajinikanthの軽さが欲しかった)。とにかく、ご都合主義もここまで来れば、苦笑しつつ納得するしか無い。

インド映画に耐性が無い人にはまったくお勧め出来ないが、ハマる人はリピート必至。評価が両極端に分かれそうな作品だが、私は、あと数回は観る気、満々である。


「再開館記念『不在』 ―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル」 @ 三菱一号館美術館24.11.30

三菱一号館美術館2023年4月から設備メンテナンスのために長期休館し、2024年11月23日にリニューアル・オープンした三菱一号館美術館の再開館一発目の展覧会を観に行ってきた。

その展覧会は、「不在」をテーマに、三菱一号館美術館のコレクションの中核を成すToulouse-Lautrecの作品の展示に、Sophie Calleの現代美術を組み合わせるという趣向。

Sophie Calleは、原美術館での2013年の展覧会2019年の展覧会で、強烈なインパクトを受けたアーティストだ。私小説を視覚化したようなその世界観には、正直、嫌悪感すら覚えるのだが、それでも怖い物見たさで引き寄せられてしまう、なんとも凄みのある作品を産み出す人という印象だ。19世紀フランスのお洒落ポスター画家 Toulouse-Lautrecとの相性やいかに?

展示の前半は、Toulouse-Lautrecの作品。有名作がずらっと並ぶ。安井邦彦によるオーディオ・ガイドも的確。ただ、あまり驚きは無い。「不在」というテーマとの関連も、かなり無理矢理という気はする。

後半が、Sophie Calleの作品。ヴィデオ・インスタレーション「海を見る」など、原美術館で観たことがある物も展示されているが、今回のテーマを意識した作品が並ぶ。特に、2023年、パリのピカソ美術館で開催した個展で展示された「監禁されたピカソ」が、刺激的だ。その展覧会で彼女は、作品保護のため紙にくるまれたピカソの絵画を写真に収めたもの(要は、単なる紙包みを撮った写真)を展示したのだ。「ピカソ美術館」なのに、彼の作品自体は地下に撤去した上で…。まさに「不在」。

そして、三菱一号館美術館の収蔵品の中でも特別な地位を占めるOdilon Redonの「Grand Bouquet」と、Sophie Calleの化学反応も強烈な印象を残す。

残念ながら、Toulouse-Lautrecのポスターと、Sophie Calleの現代美術の掛け算は、私にはピンと来なかったが、Sophie Calleの凄みを久々に体感できたのは収穫。

都心の便利な場所にある雰囲気の良い美術館が再開館したこと自体、喜ばしい。ただ、館内のフリーWi-Fiが激遅なのと(オーディオガイドは、自分のスマートフォンにダウンロードする形式)、併設のカフェが美術館利用者以外にも開放されているため大混雑なのは残念。



ここ数年間の恒例となっていますが、年末は、冬の矢野顕子強化月間(今週は、クローズドな限定イベントに参加)と、上原ひろみ嬢祭り(間もなくスタート)が重なってしまいます。が、今の状況だと、チケット取得済みのライヴの何本かは断念になってしまうかも…。というリスクにハラハラする今日この頃です。