IN/OUT (2024.1.14) |
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暖冬のせいか、やや早めにスギ花粉の飛散が始まったようです。目が痒くなり始めました。3ヶ月ぐらいは、不快な時期が続くことになります。 最近のIN「奈良美智: The Beginning Place ここから」@青森県立美術館 (24.1.8)奈良美智の個展を観に、青森県立美術館に行ってきた。彼は、青森県弘前市の出身。故郷での大規模展覧会で、他会場への巡回は予定されていない。これは現地に行くしかないのである。 青森駅西口から、9時発の青森市営のシャトルバス「ねぷたん号」で県立美術館に向かう。9時30分の開館直後ぐらいに到着。町の中心からは離れているが、アクセスは意外に良い。 これが6年ぶりの訪問である。前回は5月に訪れたが、白を基調とした建物は、雪の中、さらにお洒落度がアップして見える。シャガールの巨大な作品が四方の壁面を飾るアレコホールを中心に展示室が配置されている独特のレイアウトの美術館だ。 さっそく、お目当ての奈良美智展へ。まず、初期の作品が並ぶセクション。あまり目にする機会の無い作品群で、興味深い。 そして、次の展示室は、いかにも奈良美智らしい、キャッチーな女の子の絵が壁面を飾る。 一見、イラスト風という感じも抱く画風だが、大きなキャンバスに描かれた実物を目の前にすると、絵画としての迫力に圧倒される。 近年は、高さ2mを超える大作が増えているそうだが、特に、2023年の作品「Midnight Tears」は異様な力強さを放っている(左の画像、左側の黒っぽい絵)。この絵が放射するパワーを体感できただけで、遠征の価値、十二分である。とにかく凄い。 他にも大量の絵画に立体作品、旅先で撮影された写真作品などなど、見応えの有りすぎる展示が続く。奈良美智好きには、本当に堪らない空間だ。 原美術館にあったインスタレーション「My Drawing Room」とも、ここで再会。嬉しい。 彼が高校時代に通っていたというロック喫茶「33 1/3」の再現も、内装までこだわっていて、楽しい(中に入ることが出来る)。 企画展の会場からアレコホールに戻り、そのままコレクション展(常設展)へ進む。こちらにも奈良作品がたっぷり。 青森が生んだ2大アーティスト、棟方志功と奈良美智、両名の作品を並べる、青森県立美術館ならではの展示が行われているが、うーん、似通ったモチーフと言うには無理があるものも多い。が、それもまた、楽しい。 この美術館の名物、奈良美智による巨大な立体作品、「あおもり犬」は、冬季は屋外通路が閉鎖され間近からの鑑賞はできないが、暖かい室内からじっくり見ることが出来る。やはり、今年は暖冬のようで、頭の上に乗っかる雪は少ない。 展示室の壁面以外にも、あちこちに奈良作品が飾られていて、館内全てが多幸感に満ちた空間だ。いくらでも長居できそうな気がする。 他に、青森出身の作家達=今純三、寺山修司、成田亨の作品などもたっぷり。正直、(成田亨の「ウルトラ怪獣の原画」以外)あまり好みのものも無かったのだが、地元作家へのこだわりは、県立美術館としての芯が通っていて、好印象だ。 全部、引っくるめて、遠出して良かったと思わせる鑑賞体験だった。大満足である。 因みに、「Midnight Tears」のようなヘビーな作品を素晴らしいと思うと同時に、ライトな作品も、しっかり刺さってくるのが、奈良美智の魅力だと思う。「レコード盤」と「ミラーボール盆踊り」、こういうのも、好きなんだよなぁ。 青森を歩く (24.1.7-8)と言うことで、青森に行ってきた。日曜の14時過ぎに到着後、小雪が舞う町をぶらぶら。神社(善知鳥神社)があったので、一応、初詣。 降っているのは、北国らしい、水分含有量が少ないサラサラの雪。踏むと「キュッ、キュッ」と音が鳴る。東京でたまに積もるようなシャーベット状の雪とは全く違う。こういうのは、本当に久しぶりの体験だ。 晴れ間が覗いたり、強めに雪が降ったり、目まぐるしく天候が変わる中、青森港旅客船ターミナルビル近くにある「津軽海峡冬景色歌謡碑」もチェック。 夜、バー・カウンターの隣から聞こえてきた地元の方々の話によれば、今年は暖冬で、こんなにも雪掻きが楽なのは初めてとのこと。「このまま、仙台みたいな青森にならないかなぁ」という呟きを、地元の方ならではだなと思いながら聞くのも、旅の楽しみ。 旅行の主目的、青森県立美術館を訪問する翌朝は、しっかりと降雪。それでも、ホテルから駅前のバス停に行くぐらいなら、私でも耐えられる程度の寒さで助かった。 美術展鑑賞後は、ミュージアム・ショップで、ついつい散財し(後で確認したら、レジの打ち間違いで、さらに支払額が増えていた。悔しい…)、ねぷたん号で新青森駅へ。帰途につく。 青森はこれが2度目の訪問。その時にもウロウロと歩き回ったので、駅前近辺の土地勘は、ある程度身についたと思う。日曜の夜は、行きたかった店が閉まっていたこともあり、また、再訪したいところだ。 "Aquaman and the Lost Kingdom" (24.1.13)DC Extended Universeの最新作を観てきた。2018年の"Aquaman"の続編になる。監督は前作に続きJames Wan。主演のJason Momoaや、Nicole Kidman、Amber Heard、Patrick Wilson、Dolph Lundgrenら主要キャストも続投している。 前作も大概だったが、今回は、さらに内容がスカスカ。ここまで大予算を掛けてCGを駆使しながら(正直、無意味にも関わらず、大量の小魚まで作り込んである)、物語は驚くほど予想の範囲内。主人公達がやたらと強いので、ハラハラする要素も無し。もはや開き直ったかのような馬鹿ストーリーに呆れる。因みに、主題歌的な扱いで使われている Steppenwolfの"Born to Be Wild"。もちろん、不朽の名曲だが、エンドクレジットで流れるリミックス版の頭の悪そうなアレンジが、この映画の馬鹿指数の高さを見事に体現していると思う。 ただ、この映画の凄いところは、これだけ駄作要素満載なのに、スピード感だけで124分間を押し切ってしまう豪腕演出だ。ここまで来ると、むしろ爽快ではある。 そして、こんな映画にも全力を尽くす俳優陣、特に、Patrick WilsonとNicole Kidmanの頑張りが素晴らしい。彼らの熱演を観ていると、あまり悪口も言えなくなってくる。少なくとも、払った料金分はしっかり楽しませてくれる、王道娯楽映画であることは間違い無い。 なお、DC Extended Universeは、これで打ち止め。ライバル MCU(Marvel Cinematic Universe)に比べ、一貫性に欠け、迷走気味だったので、仕方ないとは思う。今後、DCコミックスを原作とする映像作品は、"DCU(DC Universe)"としてリブートされると同時に、一部は、それとは別の"DC Elseworlds"として製作されるらしい。そして、Wonder Womanの新作は制作中止になったとのこと。残念至極。"Batman v Superman: Dawn of Justice"におけるWonder Woman = Gal Gadot様の登場シーンは、全アメコミ実写化作品、いや、全映画の中で、最高に燃える超絶名場面だったのになぁ… 以前は、マスクを付けるのが嫌いで、この時期も意地を張ってマスクはしない派だったのですが、コロナ禍のおかげでマスク着用に対する拒否反応がなくなったのは、まあ、個人的には良い変化かな。 |