IN/OUT (2024.1.21) |
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気がつけば、2024年1月も下旬に入ってしまいました。今年は、実質的な仕事始めが成人の日明けの9日だったせいか、稼働日数の割に、早い… 最近のIN「今宵☆jazzyに! 9 SUPER JAZZ NIGHT」@文京シビックホール (24.1.18)BS日テレの番組「今宵☆jazzyに!」の音楽を担当するピアニスト、クリヤ・マコトを中心に、豪華メンバーが集まったライヴを観に、文京シビックホールに行ってきた。 タイトル(いささか、ダサい雰囲気なのが不安要素だ…)に「9」と付いていることから分かるように、シリーズ企画として、何度も開催されてきたようだが、私はこれが初参戦である。とにかく、出演者が凄い。クリヤ・マコト(pf)、渡辺香津美(g)、寺井尚子(vn)エリック・ミヤシロ(tp)、本田雅人(sax)、納浩一(b)、則竹裕之(ds)、安井源之新(perc)、MARU(vo)、KOTETSU(vo)、森口博子(mc/vo)、そして、マリーン(vo)。こうしたジャズ系ミュージシャンをバック・バンドに、ゲスト歌手が歌うのが番組の通常フォーマットらしいのだが、今回はインストゥルメンタルが主だという。 森口博子のMCで開演。まずは、クリヤ・マコト、納浩一、則竹裕之のピアノ・トリオから演奏スタート。ちょっと、スタンダード過ぎて、個人的には好きなタイプでは無いのだが、演奏の巧みさは見事(超一流の皆さんなので、当たり前だが…)。基本、この3人が出ずっぱりで演奏を支え、他のメンバーが入れ替わり登場するというスタイルのようだ。トリオで2曲ほど披露した後、エリック・ミヤシロと本田雅人を交えての演奏と続く。ブルーノート東京オールスター・ジャズ・オーケストラでお馴染みのお二人、流石の安定感だ。 そして、寺井尚子登場。しかも、弾き始めたのは、私の大好物「Spain」である。が、あろうことか、主旋律はKOTETSUのヴォーカル…。これには、超ガッカリ。「今宵☆jazzyに!」では、バック・コーラスとして活躍しているらしいKOTETSU。もちろん、歌は上手いのだが、私の苦手とするタイプのヴォーカル・スタイルだ。続いても、やはり、いつもはバック・コーラスのMARUをフィーチャー。うーん、インストゥルメンタルが主じゃ無いの? TV番組だと、ヴォーカルが入らないと成り立たないのだろうか? 寺井尚子と渡辺香津美がバック・バンドという豪華さは凄いが、それぞれ、自分のユニットを率いる手練れ達が集まったのだから、もっと、濃い化学反応の演奏を期待していたのだが…。 MARUが退場し、渡辺香津美をメインに「Manhattan Flu Dance」。この演奏は、文句なしに素晴らしかった。間奏での納浩一とのインプロヴィゼイション合戦も楽しく、エリック・ミヤシロ & 本田雅人のホーン・セクションとの絡みも絶品。こういうのが聴きたかったのだ! が、次にフィーチャーされたのは森口博子。器用な人なので、スタンダード・ジャズ・ヴォーカル「All of Me」も巧みにこなすし、定番のガンダム・ソング「Ubugoe(機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島)」も、あっぱれな歌いっぷり。だが、今日は、こういうのを聴きに来たつもりじゃないんだという思いが強い(申し訳ない…)。 森口博子がはけた後は、本田雅人。そして、寺井尚子をフィーチャーした曲。彼女の演奏後のどや顔が炸裂する熱演に、また、楽しくなってきた。続く、渡辺香津美と寺井尚子が共演した「ソレイユ(オリジナルは渡辺香津美×Mike Stern)」が、見事な大人の掛け合いという感じで聴き応えたっぷり。しかし、インストゥルメンタルの部は、これで終了。 そして、登場したのはマリーン。Donna Summerの「Last Dance」。ああ、また、ヴォーカル・メインになっちゃったと残念に思ったのだが、次に披露されたのが、我が偏愛曲「MacArthur Park」。これは嬉しい。間奏で、寺井尚子、エリック・ミヤシロ、本田雅人が、それぞれソロの見せ場を作る中、ひたすらリフを刻み続ける職人 渡辺香津美のカッコ良さよ。最後は、マリーンの鉄板曲「マジック」。これは、THE SQUAREの「It's Magic」のカバーなので、今回の超豪華バンドを従えて歌うにはうってつけではある。 アンコールは、全員登場して、ご陽気にサンバの名曲「Samba de Janeiro」で全編終了。ちょっと、私には苦手なノリではある。 寺井尚子・渡辺香津美・エリック・ミヤシロ・本田雅人という、私が好きなミュージシャン達がバチバチにコラボレーションするのを期待していたので、正直、微妙な感じがするライヴだった。タイトルに漂うトホホ感が当たったか…。が、寺井尚子の演奏後のどや顔と、渡辺香津美の職人技を同時に楽しめたので、十分、チケット代の元は取れたのである。 ”YUKIHIRO TAKAHASHI LIVE 2018 [トークショー付き上映]”@109シネマズプレミアム新宿 (24.1.19)高橋幸宏の2018年のライヴ「YUKIHIRO TAKAHASHI LIVE 2018 SARAVAH SARAVAH!」が、10日間限定で109シネマズプレミアム新宿で上映される。その初日に行ってきた。この日は、佐橋佳幸・飯尾芳史・ゴンドウトモヒコによるトークショー付き上映である。 1978年にリリースされた高橋ユキヒロのファースト・ソロ・アルバム「Saravah!」(この時は、名前がカタカナ表記だった)のマスターテープが見つかったことをきっかけに、40年後の2018年に高橋幸宏がヴォーカルを新たに録り直したアルバム「Saravah Saravah!」を製作。そして、アルバム完全再現のライヴが2018年11月24日に東京国際フォーラム・ホールCで開催された。今回は、その模様を収録した映像作品の上映である。 まずは、トークショー。そのライヴに参加していた佐橋佳幸、ゴンドウトモヒコ、そして、この映像作品のミキシングを担当したエンジニアの飯尾芳史が登壇。MCを佐橋佳幸が務め、このライヴの裏話を中心にしたトークが展開する。敢えて、幸宏の思い出のような湿っぽい話題には踏み込まず、プロのミュージシャン目線でのライヴ解説が中心で、非常に興味深い。このライヴ、実は、オリジナル音源の一部トラック(加藤和彦のアコースティック・ギターなど)をそのまま流し、それに、リアル・タイムの演奏を重ねた箇所も多いという。また、アルバムでは1つに聞こえる坂本龍一のシンセサイザーが、実は2つのトラックに分けて収録されていた部分があり(当時のシンセは同時に出せる音数に制約があったため)、このライヴでは、その通りにDr.kyOnと斎藤有太の二人で演奏するというオリジナル再現への拘りがあったそうだ。 30分ほどのトークの後、まずは、高橋幸宏の軽井沢の住まいでの日常を映したショート・ムーヴィーが上映される。実際には、幸宏よりも、彼の愛犬 Pascal君が目立ちまくるホッコリ・ビデオだ。 そして、いよいよライヴ映像の上映。高橋ユキヒロの他、佐橋佳幸、Dr.kyOn、林立夫、矢口博康、有賀啓雄、斎藤有太、ゴンドウトモヒコ、藤井珠緒、重住ひろこ、岡村玄、ツヤトモヒコという手練れのメンバーが集結。アルバムを曲順通り、再現していく(基本、幸宏はヴォーカルに専念で、ドラムスは林立夫が担う)。私は、リアル・タイムでは、2nd アルバムの「音楽殺人」以降のアルバムを愛聴していたのだが、改めて、「Saravah!」のお洒落さ&カッコ良さに驚く。彼の紡ぐメロディー・ライン、そして、独特の声質と歌い回し。好きだなぁ。途中、坂本龍一のヴィデオ・メッセージがあり、アルバム最後の曲「PRESENT」には細野晴臣がゲスト出演。見所も満載だ。 アルバム収録曲全曲演奏の後、アンコールで「四月の魚」、「 BRAND NEW DAY」、「THE LOOK OF LOVE」も披露。最後の「MAJI」の演奏は、幸宏と林立夫のツイン・ドラムスでノリノリの演奏。これには、大興奮である。やはり、幸宏のドラムスのカッコ良さは唯一無二だ。 そして、ダブル・アンコール。細野晴臣も加えて、アレンジを変えた「SARAVAH!」で全編終了。見応え有り! なお、上映が行われたのは、昨年、オープンしたばかりの東急歌舞伎町タワー内の「109シネマズプレミアム新宿」。全8スクリーンのシネコンだが、全席が、広く、リクライニングするプレミアム・シート。上映1時間前からラウンジでくつろぐ事が可能で、おかわり自由のポップコーンとソフトドリンク代込みの入場料は、4,500円~6,500円。さらに、「SAION Super Real Effects(SSRE)」と名付けられた音響システムは、坂本龍一が監修(説明書によれば、スピーカー、パワーアンプ、さらにはスピーカー・ケーブルまで特注した、コスト度外視の超弩級システムだ)。確かに、今回の上映、音質は極めて上質。映画館でライヴ映像を観ているのではなく、ライヴそのものを観ているような感覚だった。そして、この映像と音響の中で、高橋幸宏は確かに生きていた。 「ゴールデンカムイ」 (24.1.20)野田サトルの同名漫画の映画化作品を観てきた。 あまり、この手のタイプの映画は観ないのだが、ゴールデンカムイに関しては、漫画連載時から知人達の評判が高かったところに、ネット上で原作漫画全巻無料公開されていた時期があり、一気読みしてしまっていたのだ。濃過ぎる登場人物達と、そのまま実写化するのは難しそうなバイオレンス&変態要素をどのように描いたのか、怖い物見たさである。 結論から言うと、見事な実写化だ。登場人物達の造形に違和感は無く、ストーリーも原作にほぼ忠実。原作から活かしてもらいたいと思うエピソード(チタタプ、オソマ、ストゥなど)も過不足無く映像化されていると思う。熱烈なファンが多い漫画だが、これなら、非難する人は少ないと思う。 特に秀逸だったのが、アシリパさんの造形だ。原作では、12歳ぐらいの少女だが、まさか、子役に演じさせるわけにはいかない。かといって、年齢を上げた設定に改変して、杉本との恋愛要素を入れようものなら、原作ファンから強烈なバッシングを受けることは明らかだろう。その点、山田杏奈の起用と、彼女の演技は、実に絶妙な落とし所だ。 ヒグマやエゾオオカミ(レタラ)のCG描写も及第点。漫画原作の映画が多いせいか、実写化の方法論は、日本映画界でしっかりと確立しているのかもしれない。 問題点は、一本の映画として観たときに、起承転結が無いことか。今後の展開に向け、ひたすら「起」が続くという感じだ。長大な物語を映画化するにあたり、敢えて改変を加え、一本の映画として着地させるという手もあったと思うが、もちろん、原作を読破した者としては、今作の作り方で無問題である。となると、次の問題点は、完結まであと何年・何作かかるのだろうと思うと気が遠くなることだ。1作目を観てしまったので、今後のシリーズ作に付き合わざるを得ない呪いに掛かった気がする…。 新宿でのユキヒロ映画の上映日に、定時後の会議招集。終わってから駆けつけるのは、オフィスからでも、自宅テレワークでも、難しそう。ということで、空き時間に移動して、新宿駅に設置されている「STATION WORK」から、リモート会議に参加してみました。 最近、あちこちの駅で目立つようになってきたテレワーク用のブース。こんなの、使う人がいるのか? と思っていましたが、いざ、実際に使ってみると、中々便利。スマホで簡単に予約でき、Wi-Fiも問題なく使え、275円/15分(設置場所によって、もっと安い所も有り)。ただ、慣れないと、入るときと出るときに、周囲の人の目が気になってしまいますね… |