IN/OUT (2017.5.7)

大型連休、前半は北へ。


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札幌を歩く17.4.30

大通公園矢野顕子&上原ひろみ強化月間のラスト、ツアー最終公演を観に、札幌へ出向いた。北海道に来るのは、15年ぶりぐらいだろうか。

公演は夕方からだが、折角なので、午前中のフライトで新千歳へ。JRで移動し、札幌駅のコインロッカーにいったん荷物を預けて、町を歩く。公演会場の場所を確認後、大通公園へ。気持ちの良い天気だが、風が冷たい。北海道の寒さをなめていた。

その後は、狸小路あたりをぶらぶらして、ホテルにチェックイン。そして、コンサート。

終演後、北海道在住の知人と、塩ジンギスカンを食べ、帰り道、セイコーマートに立ち寄る。小容量の惣菜類の充実ぶりと予想以上に多いプライベートブランド商品に驚く。自宅近所に欲しいタイプの店だ。久しぶりの札幌で、一番印象深かったのが、ローカル・コンビニというのも、申し訳ないような気もするが…


函館を歩く17.5.1

どうせ、連休期間中に札幌まで来たのだからと、続いて函館へ。計画を立てた当初は、帰りは東京まで全て列車で、と考えていたのだが、札幌-函館間が想像以上に時間がかかることを知り、この区間は、飛行機で移動することにする。ANAのプロベラ機で30分のフライト。函館空港からJR函館駅までバスで移動。荷物を預けて、市電に乗車。

五稜郭タワーから最初に訪れたのは、五稜郭。タワーに上ると、なかなかの眺めだ。桜も、ちょうど見頃。観光名所になっている「○○タワー」というのは、イマイチ感が漂う場合が少なからずあると思っているのだが、五稜郭の場合、上から見下ろさないと、あの独特の形が分からず、有り難みが半減してしまう。ここに来たら、五稜郭タワーは外せないと思う。大型連休期間中ではあるが、平日でもあるので、覚悟していたほどは混雑していないのも有り難い。

五稜郭タワーを降りて、五稜郭の中に入り、土塁の上を歩くと、間近に見る満開の桜の迫力に、さらに圧倒される。約1600本。しかも、単純な平面の公園では無く、土塁の高低差があることで、桜を見下ろしたり、見上げたりと、視界の変化も楽しく、見応えのあるお花見場所だ。

函館山からもう一つ、高いところに登ろうと、函館山へ向かう。1/3世紀ぐらい前に友人達と訪れたことがあるのだが、その時は濃霧のため、全く景色が見えなかった。あれからずいぶん時間が経ったが、ついにリベンジである。市電とロープウェイを乗り継ぎ、展望台へ。

ここもまた、予想以上に素晴らしい眺望だ。他に類を見ない地形だと思う。これだったら、他所で時間を潰して、夕暮れ時になってから訪れた方が雰囲気が良かったかなと、ちょっと後悔。

金森赤レンガ倉庫ロープウェイで函館山を下山。そこから、徒歩で金森赤レンガ倉庫へ行ってみる。横浜の赤レンガ倉庫よりも、こちらの方が趣があるように感じるが、ここもまた、夕暮れ時に訪れた方が、よりお洒落感を味わえたか。

しかし、ここまでですっかり歩き疲れたので、本日の宿泊地、青森に移動することにする。駅に行き、取っていた指定券を二本ほど早い列車に替えようとしたのだが、この切符は、早期割引で購入したものなので変更が効かないのだった。これこそ、安物買いの銭失いだと、自身の計画の甘さを反省するのだった。


青森を歩く17.5.2

函館から青森に新幹線で移動。青函トンネルを通るのも初めてなので、ちょっと期待もあったが、まあ、トンネルなので、特に見所がある訳じゃなかった。ホテルに荷物を置いて、近くにあった定食屋で青森おでん(生姜味噌がかかっているのと、タケノコが具に入っているのが特徴らしい)とホタテフライ(この店、ホタテ料理をウリにしていると看板には出ているのだが、この日は、私が頼んだフライでホタテの在庫が底をついたらしく、次から来た客に謝っていた。大丈夫か?

青森県立美術館翌朝、駅前から市バスに乗って、今回の旅行の大きな目的の一つ、青森県立美術館へ行く。開館と同時に入館し、まずは、開催中の企画展「ラブラブショー2」へ。様々なジャンルのアーティスト、クリエイターを出会わせ、二人一組で、それぞれ展示空間を埋めようという展覧会だ。コンセプトは面白く、古賀学 × チェン・チンヤオが作り出した空間など、迫力のある展示もあったが、全体としては、二人一組の妙というのが私にはあまり迫って来なかったという印象だ。

企画展の会場を抜け、常設展へ向かうところにある吹き抜けの空間が、アレコホール。ここにあるのが、今回の大目的「シャガール『アレコ』全4作品完全展示」だ。これは、マルク・シャガールがアメリカ亡命時代(1942年)に、プーシキン原作・ラフマニノフ作曲のバレエ「アレコ」の舞台背景画として描いた作品。全4幕の舞台に合わせた4枚の作品のうち、青森県立美術館は3枚を所蔵し、従来からこのホールに展示しているのだが、残る1枚はフィラデルフィア美術館が所有している。しかし、このたび、フィラデルフィア美術館が改修工事のため、エントランスホールに飾っていたものを一時的に撤去することになったそうだ。そして、改修工事の間の4年間、青森県立美術館に長期貸し出ししてくれ、全4作品が揃った状態での展示が可能になったとの事。まさに、この期間だけの特別な体験なのだ。

広々した吹き抜け空間の4つの壁面に、それぞれ一枚ずつ展示された大作。青い夜空、空飛ぶ白馬、バイオリンを弾く熊など、シャガールらしさが溢れた作品だと思うし、何よりも、それらに囲まれた中に身を置くだけで、高揚感にとらわれる。美術素人にとって、巨大さは、一つの正義だと思う。

続いて、常設展~コレクション展へ。青森出身の奈良美智の作品が充実しているのが嬉しい。また、ここでも「ラブラブショー」に掛けて、二組のアーティストの作品を組み合わせる展示を行っていたが、「ラブラブショー」自体より、こちらの二人一組展示の方が面白かったような。

青森県立美術館そして、もう一つ、青森県立美術館で観たかったのが、「あおもり犬」

青森県立美術館高さ8.5m、奈良美智による立体作品だ。館内からガラス越しに観ることも出来るが、雪のない時期は、建物の外をぐるっと回って、間近に行くことが可能。やはり、巨大さは正義だ。これを、至近距離で観られるのは、奈良氏が描く曲線が好きな者には、堪えられない眼福。雪のシーズンは、ガラス越しの鑑賞のみになるが、雪の帽子を被ったようになるあおもり犬を観ることが出来るという。再訪したいものだ。青森県立美術館

ついでに、コミュニティギャラリーで開催中の「ぼのぼの原画展」も鑑賞。いがらしみきおが作風を一変させたこの作品を最初に読んだ時に受けた衝撃は覚えているが、あれから30年か。ここまでの長寿漫画になるとは驚いた。

昼食も美術館内のカフェで食べ、市内に戻る。後は、陸奥湾沿いの公園やら、市内の商店街などを歩き回って午後を過ごす。その途中で見かけたイタリア料理店が良さげな雰囲気。ネットで調べると評判も良いので、夕食はそこで。びっくりするほどクオリティの高い店で、(青森色は皆無だが…)大満足。二軒目に寄ったバーも当たりで楽しい。


グランクラスに乗る17.5.3

青森からの帰りは、新幹線。折角の機会なので、グランクラスを試してみる。

さすがに、フルフラットにはならないが、飛行機のビジネスクラスに匹敵する座席は快適。座席ベルトを気にしないで済む分、さらに快適だ。飲み物と軽食のサービスが有るのもありがたいが、本当に軽食なので、列車内でしっかり食事を済ませたい場合は、別途、弁当は持ち込んだ方が良いかな。

ただ、コストパフォーマンスはどうなんだろう? 国際線のように、ここで一泊するほど長時間乗るのなら、この座席の有り難みはあるだろうが、3時間ぐらいの新幹線で使うのは、勿体ないような気もする。まあ、この日は、東京到着後、恵比寿に向かい、スタンディングのライヴ参戦。4時間ほど立ち続けることになったので、ゆったりした座席で移動できたのは、正解だった。


"Kabali"17.5.6

大型連休後半は、関西へ帰省。この時期、東京と大阪で開催されている「南インド映画祭」の中の一本、Rajinikanthの昨年の主演作「Kabali」を観る。

会場は、大阪市九条にあるシネ・ヌーヴォ。昔ながらのアート系小映画館臭たっぷりの小屋だ(「ミニ・シアター」みたいなオシャレな言葉は似合わない雰囲気)。

メインの舞台はマレーシア。Rajinikanthの役どころは、25年ぶりに出所したギャングのボス。劇中の年齢は60歳(彼が演じた役の中では最高齢ではないか? それでも、実年齢よりは若い設定だが)。服役中にクアラルンプールの裏社会を牛耳るようになった敵対組織との抗争が幕を開ける。

マレーシアにおける、タミル系インド人移民と中国系移民の位置づけなど、シリアスな側面が強調された作風は、従来のRajinikanth作品とは一線を画している。アクションも、かつてのような肉体的動きが無理になったためか、ガン・アクションが増えている。マレーシアが舞台のせいか、女優陣のサリー着用率が極めて低く、ダンスシーンに華やかさが無い。そして、笑いの要素が、ほとんど無い。

ということで、Rajinikanth主演作独特の、豪華なスーパースターぶりを期待すると、がっかりする作品ではある。ハードでシリアスな展開の割にはご都合主義の目立つストーリーも、粗っぽい。しかし、徹底的に「スタイル」に拘ったRajinikanthの姿は、ファンには堪らない。

万人には勧められないが、老境にさしかかったRajinikanthが、今後、どのような作品で存在感を保っていくのか(いつまでも、ラブコメ展開の主役は無理だろう)、一つの方向性を示した作品として、彼のファンは観るべき一本だ。



旅行中、その土地でしか食べられないものを、と思うものの、特に朝と昼は手抜き気味になってしまいます。わざわざ北日本にまで行って、MOSバーガー、ミスタードーナツ、セイコーマート(プライベートブランドの、ウィダーインゼリーの類似商品を購入)で済ませるのも、どうだったかなぁと思う、今日この頃です。