IN/OUT (2023.12.24)

周囲に立て続けに発症者が出たこともあり、帯状疱疹ワクチンを打つことにしました。新型コロナワクチンほど副反応がでる確率は高くないらしいけど、果たして…


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「上原ひろみ Hiromi's Sonicwonder JAPAN TOUR 2023 "SONICWONDERLAND"」@東京国際フォーラム ホールA23.12.21

東京国際フォーラム上原ひろみの新プロジェクト” Hiromi's Sonicwonder”の公演を観に、東京国際フォーラムに、再び行ってきた。浜松公演前回の東京国際フォーラムに続いて3度目の参戦の今回が、このツアーの千秋楽である。

ステージ向かって左から、ピアノ、トランペット(Adam O’Farrill)、ベース(Hadrien Feraud)、ドラムス(Gene Coye)。そして、ステージの両脇に大きなスクリーンが設置されている。

セットリストは、ツアーを通して同じ。新アルバムの1曲目「Wanted」からスタート。前回の東京国際フォーラムからさらに音の輪郭が鋭角的になったようだ。そして、ひろみ嬢の演奏のダイナミックさが、増し増し。さすが、千秋楽!という感じの気合いの入り方だ。そして、前回も感じたが、両脇のモニターに映る映像が、見たいところを的確に押さえてくれる素晴らしいカメラワーク。例えば、2曲目「Sonicwonderland」で、ひろみ嬢が、左手でピアノ、右手でシンセを、同時に、超高速で弾き倒すアクロバティックなプレイを繰り出したところで、絶妙な角度で鍵盤の映像を押さえてくれる。これが嬉しい。

アルバムではヴォーカルが入っているが、今回は4人だけで演奏される「Reminiscence」。インストだけど、歌心が詰まっている。「アルバムで予習しても無意味。なぜなら、ほとんどが即興だから」という「Go Go」は、これまでよりもかなり長めの演奏だ。4人とも、静謐なインプロヴィゼイションをたっぷり披露しつつ、キメるところはピタッとキメる。何なんだ、このカッコ良さは。

20分の休憩後、第2部の演奏は、さらにギア・アップ。北極星がぽつんと光っているのが、曲の進行と共に満天の星空になる、素晴らしい照明効果も印象的な1曲目「Polaris」に心を揺さぶられる。そして、続く「Up」の演奏が、とんでもないことに。Adam O’Farrillのソロを堪能した後(右手だけでトランペットを支え、左手でエフェクターを操作する姿は、このツアーで見慣れたとはいえ、やはり、すごいな)、ひろみ嬢の超絶技巧繰り出しまくりのピアノと(即興なのに)それをしっかり支えるHadrien Feraudのベースに痺れ、そこからの、Gene Coyeのたっぷり時間をかけた変態ドラムス・ソロ。そして、全員での演奏に戻る瞬間のカタルシス!(ドラムス・ソロの間、スクリーンには、Gene Coyのプレイだけでなく、それに聞き入っているひろみ嬢の姿を一瞬映すところも、憎い)。もう、お腹一杯である。

本編最後「XYZ」は、もはやプログレ(かなうことなら、EL&Pと対バンしてもらいたかった。Kieth Emersonのナイフぶっ刺しパフォーマンスに、十分対抗できるぞ)。場内、大興奮である。そして、アンコール。1曲目「Blue Giant」のひろみ嬢の繊細なタッチに癒やされ、ご陽気な「Bonus Stage」の演奏で再び大いに盛り上がって大団円。

セットリストは同じなのに毎回印象がガラッと変わるだけでなく、今回はこれまでの公演よりも20分間は長い。ジャズで、フュージョンで、プログレッシヴ・ロックの3時間(休憩が20分間あったが)。浜松公演からも前回の東京国際フォーラム公演からもさらに進化し、アルバムとは別次元の高みに到達したライヴ。とにかく、凄かった。

正直、アルバム「Sonicwonderland」を聴いたときの第一印象は、上原ひろみ ザ・ピアノ・クインテットの素晴らしさに比べると、ちょっと…というものだった。が、ライヴ観戦を重ねる毎に、1箇所に留まらず変化を恐れない上原ひろみのパワフルさ、そして、凄腕ジャズ系ミュージシャン達の即興演奏の奥深さに痺れまくることになった。いまだに、思い出すだけで、あの大興奮が蘇ってくる。



結果、腕の重さは新型コロナワクチン以上。そして、接種10時間後から、頭痛と38度台の発熱…。その後、24時間以内に熱は下がりました。が、副反応で発熱する確率は10%台と聞いていたので、ここで当たりを引いてどうするんだ、という気がする年の暮れです。