IN/OUT (2023.8.27) |
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好事魔多し。好調に始まったと思っていた夏の矢野顕子強化月間ですが、平日公演に行けなくなる事態発生。歴史的と言えそうな名演が続くブルーノート東京公演だっただけに、これは悔しい。 最近のIN”Meg 2: The Trench” (23.8.26)Jason Statham主演のサメ映画を観てきた。2018年の”The Meg”の続編である。前作同様、ハリウッドと中国資本の共同製作であり、台詞の多くの部分が中国語など、中国色が強いのも特徴。邦題は「MEG ザ・モンスターズ 2」 前作が、徹頭徹尾、男子中学生マインドで貫かれた馬鹿映画(誉め言葉)だったが、恐るべき事に、今回は、それ以上。Meg=超巨大サメが3匹に増量。さらに、MEGと同じく、6500万年前の白亜紀から、超深海で生きながらえてきた巨大生物も参戦(MegのモデルであるMegalodonの生息時期は、2300万年前から360万年前と言われているので、おかしい気がするのだが、そこは恐竜と同じ時代に生きていた方が盛り上がるという中学生男子マインド)。海洋研究所の裏で、深海の資源を無断採掘し金儲けを企む悪者が暗躍しているという取って付けたようなスパイ映画もどきの設定とストーリー展開は、極めてチープ。観光地で無邪気にはしゃいでいる群衆はバックバックとMegに喰われるのに、主人公達(と、犬!)はスイスイと生き残る能天気さも、極めて大雑把。中国市場を最大限重視したハリウッド映画の底抜けぶりを、見事に増幅した続編と言うべきか(放射能汚染水を違法海洋投棄している悪者を、主人公がやっつけるところは、中国プロパガンダっぽい気もする)。 と言うことで、映画としては、全く評価できない駄作だ。そもそも、致命的な欠点として、Jason Stathamが見事にJason Stathamなので、人間相手でも、サメ相手でも、全く負ける気がしない。ハラハラしないのだ(そして、予想通りと言うか、それ以上の強さを発揮しまくるのだ)。 しかし、落ち込んだときに見て、諸々、スッキリしたいときには、まあ、悪くないな。あと、前作もそうだったが、謎の音楽センス(冒頭に流れるのは、何故か”Under Pressure”。そして、エンド・クレジット時の間抜けなラップ)も、馬鹿馬鹿し過ぎて憎めなくなる。こういう感想を持ってしまうようでは、やはり、自分は、相当、凹んでいるな…。 まだまだ夏の矢野顕子強化月間後半戦に期待です。 |