IN/OUT (2021.3.7)

結局、緊急事態宣言は延長。7時 ラストオーダー。8時閉店というのは、残業有りの勤め人には、絶妙に不便ですが、まあ、飲み代が浮くと前向きに捉えようかと思う、今日この頃です。


in最近のIN

"Stage Mother"21.3.6

サンフランシスコのゲイバーを舞台にした人情話を観てきた。

Jacki Weaver(御年 73歳)が演じる主人公は、テキサスに暮らす専業主婦。ある日、彼女の元に長く疎遠になっていた息子の訃報が届く。彼は、ドラァグクイーンとして、サンフランシスコのゲイバーを経営していたのだが、麻薬のオーバードースで急死したのだ。経営難にあえぐそのバーを相続した彼女は、素人ながら、息子への愛情と、地元でコーラス隊を率いていたという自信から、ゲイバーの再建を目指すことを決意。果たして、落ち目のゲイバーで働く一癖も二癖もあるドラァグクイーン達を束ね、店を建て直すことが出来るのか? というお話。

主人公の地元は、週末は、ピックアップ・トラックに乗った男達が集まりビール片手にTVでスポーツ観戦、女性達は教会でコーラスという、旧来の価値観が強く残る田舎町だ。そこで生まれ育った普通の主婦の主人公が、正反対の価値観が渦巻くサンフランシスコで、ドラァグクイーン達に偏見を一切持たずに接し、ビジネス面での手腕も発揮してしまうのが、いささか無理があるのは否めない。が、ある程度リアリティに目をつぶれば、良く出来た、都会のお伽話だ。

そして、どんなにベタな展開でも、ツッコミどころが多い設定でも、ラストであの名曲を歌い上げられると、グッと来てしまうのだ。80年代洋楽パワーを改めて痛感する作品である。


"Guns Akimbo"21.3.6

Harry Potterでお馴染み、Daniel Radcliffe主演の映画を観てきた。

彼が演じるのは、ゲーム会社に勤める冴えないプログラマー。気晴らしと言えば、ネット上に煽りの書き込みをすること。しかし、たまたまアクセスした実際の殺し合いを実況する闇サイトでの書き込みがサイト運営者の逆鱗に触れ、自宅を襲撃される。気がついた時、彼の両手には拳銃がボルトで固定され、否応なしに殺し合いに参加させられる。戦う相手は闇サイトで最強の女性殺し屋。という、厨二病全開の設定である。

監督のJason Lei Howdenは、"The Lord of the Rings"や、”The Avengers"で特殊効果を担当していた人物。スピード感溢れる画面展開で一気に見せるので、設定の荒唐無稽さが気にならず、両手が拳銃という馬鹿げた姿のDaniel Radcliffeに感情移入すら出来てしまう。

”You Spin Me Round (Like a Record)”(Dead Or Aliveのオリジナルでは無く、3Teethによるカバー)をBGMに、ドローンを駆使して中継される殺し合いを、スマホで観て無責任に熱狂する大衆。今のネット文化の闇の面を風刺していると言えなくもない。が、そういった頭でっかちの所は笑い飛ばして、アクション描写に撤しているので、スピード感が鈍ることが無い。清々しいまでのB級映画だ。

子役時代の圧倒的な成功で、いくらでもA級映画の役柄を選べそうなDaniel Radcliffeだが、この作品もそうだし、ガスを噴出する死体役(Swiss Army Man)を演じたりと、敢えて変な役を狙っているようだ。Harry Potterファンがどう思っているのかは知らないが、魔法使い映画に思い入れの無い私としては、好印象だ。



しかし、8時以降も営業している店も結構あり、そういった店の前を通ると、どこも、能天気そうな若い人で満席。店内にはコロナウィルスが飛び交い、若くない人が入れば一発で感染しそうな気配が濃厚に漂っています。これじゃ、収まるものも収まらないな。