IN/OUT (2021.2.28)

商業施設などへの入館時、体温測定されるのがすっかり定着しましたが、多くの場合、35度台という測定結果になっています。どう考えても、自分の平熱より低い。外出時は、じつはそうなっているのか、機械の精度の問題か?


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「佐藤可士和展」@国立新美術館21.2.27

国立新美術館今の日本を代表するクリエイティブ・ディレクター 佐藤可士和の個展を見に、国立新館美術館に行ってきた。

1989年に博報堂に入社。2000年に独立してクリエイティブスタジオ「SAMURAI」を設立。企業ブランディングの世界で圧倒的な実績を誇る彼の名前は知っていたが、国立新美術館の広い展示スペースをたっぷり使って紹介される仕事の軌跡は、まさに圧巻。キリンビール、パルコ、ホンダ、TSUTAYA、NTTドコモ、ユニクロ、楽天、今治タオル、日清食品、セブン&アイ・ホールディングス、くら寿司、SMAP、T.M.Revolution、Hi-STANDARD…。そして、国立新美術館のロゴも彼の作品なのだ。何よりも憎いのは、インスタ映えしそうなレイアウトになっている展示の殆どが写真撮影OKだという事。この展覧会を訪れた多くの人(一般的な美術展とは一味違う、若い世代が多い)が、SNSに写真をアップし、それがCM効果になって、クライアントもさらに満足という計算高さがズルい。そして、巧い。

国立新美術館単に、企業ロゴのような分かりやすく目立つ仕事だけだなく、セブンイレブンの棚にならぶ膨大なプライベート・ブランド商品のパッケージ・デザインなどの驚異的な仕事量。そして、クライアントの業績を確実に向上させる質の高さ。まさに、現代日本の消費文化を支えているクリエイターだ。

ということで、彼の驚くべき仕事の量と質に感嘆するばかりの展覧会だ。ただ、同じように商業的な分野で活躍した石岡瑛子の展覧会の圧倒的な熱量と比べると方向性が違う。石岡瑛子の仕事には、その情熱に鬼気迫るものを感じたが、佐藤可士和の方は、情念的な物を排し、ビジネスを理詰めで極めたという印象だ。美術館の展示としては、やはり前者の方がインパクトが大きかった。



敢えて、低めに結果が出るよう調整されている可能性もあると邪推すると、いささか不安にもなりますね。