IN/OUT (2020.10.4)

”Go TO”効果か、この週末は、街の人出もかなり多かったような気がします。


in最近のIN

"On the Rocks"20.10.3

Sofia Coppola監督の新作を観てきた。主演は Bill Murray。"Lost in Translation"のコンビである。

物語は、夫の浮気を疑ったヒロインが、父親 = Bill Murrayに相談し、二人で夫の素行調査を始めるというもの。この父親が、世渡りの上手いプレイボーイで、自らも不倫で妻や娘(ヒロイン)にも辛い思いをさせた過去があるという所がミソ。

特に派手なシーンがあるわけで無く地味なストーリーだが、画面に惹きつけられる。テイストとしては”Lost in Translation”に近いと思う。Sofia Coppolaの、いわゆる「ガーリー」映画は食わず嫌いなのだが、本作のようなハイソな都会人の機微を描く作品は巧みだなぁと思う。ご自身が、パンが無ければブリオッシュを食べるのが当たり前という育ちだからだろう。この作品で描かれる上流階級目線のニューヨークのなんと魅力的なことか。この街自体が、裏の主人公と言っても良いほどだと思う。

そして、Bill Murrayの存在感。歳を重ねれば重ねるほど、良い感じに枯れた魅力を増している。その頂点の一つが"St. Vincent"だと思っているが、今作ではそれとはまた違う、Sofia Coppola お得意のハイソな世界で個性を光らせている。成功した美術商で、人好きのする社交家で、女性の扱いに長けたプレイボーイ。調子が良いだけに見えて、しかし、その奥には…。この人物像に説得力を持たせるのは、やはりBill Murrayだよなと感心。



今週はもう一本、池袋のグランドシネマサンシャインで”TENET”の4回目の鑑賞。IMAX用フィルムで全編撮影しているChristopher Nolan監督の意図を読み取るには、やはり、IMAXレーザー/GTテクノロジーが導入された映画館で観なければ。IMAXフィルムのアスペクト比と同じ 1.43:1の縦横比のスクリーンで上映出来るのはこのテクノロジーを導入した映画館だけ。日本では、現時点で大阪エキスポシティの109シネマズと池袋の2箇所しかないのです。これが、GTテクノロジーでは無いIMAXデジタルシアターだと 1.90:1。つまり、Nolanが撮った絵の上下をカットして上映されているのです(IMAX以外だと、もっと酷いことに…)。

グランドシネマサンシャインに行くのは初めてでしたが、TOHOなど映画会社系列とは一線を画す、独自色を打ち出したシネコンで好印象でした。そして、IMAXレーザー/GTテクノロジーの威力は、流石の一言。