IN/OUT (2004.2.15)

気軽に呼べる安いタクシー料金は、残業が続く時期にはありがたいものです。オフィスが入っているビルの正面に、短縮ダイヤルで簡単にタクシーを呼べるスタンドが設置されたので(オフィス周囲で、深夜、流しのタクシーをつかまえるのは至難の業)、これは便利と使ってみたものの、「5分で来る」という返答とは裏腹に、20分ぐらい待たされてしまいました。
「ビルの正面が大通りに面していないので道に迷っちゃったよ」と笑う運転手に
「何で笑う前に謝らないかなぁ」と不機嫌になったのですが、向こうも深夜勤務で疲れているのだから、無愛想に怒るのは感じ悪かったな、と後からちょっと反省。

しかし、翌日も、ほぼ同様の事態が発生。今度の運転手も
「いやぁ、遅くなっちゃったな。ウワハハハ」
演技でも良いから申し訳なさそうな態度を取ってくれ、と思うのは日本人的感性なのかしらん?


in最近のIN

"Lost in Translation" (04.02.08)

日本を舞台にした、Sofia Coppola監督の映画を観てきた。

派手さはないが、しみじみと切ない物語で、とても好印象だった。主演のScarlett Johansson(1984年生まれ!)が好演。あまり好きでなかったBill Murrayも、コメディ出身者のシリアス演技にありがちな単調さは感じたものの、存在感たっぷりで、役柄にはまっていたと思う。

米国映画でありながら、日本の描写は、等身大のきちんとしたものだった。そのこと自体は素晴らしいと思うのだが、CM撮影現場のシーンや、マシュー・南の登場シーンでは、そのきちんした描写が気恥ずかしくもなってくる。外国映画に登場する日本なら、むしろ、"Kill Bill"ぐらいぶっ飛んでいる方が無責任に楽しめるのかもしれない。

全編、日本が舞台だが、日本独特と思われる背景を説明するようなセリフは用意されていないし、日本語や日本人が喋るブロークン・イングリッシュにも英語字幕は付かない。異国の地で主人公達が感じている疎外感を観客にも共有させようというのが、監督の狙いなのだろう。しかし、幸か不幸か日本人にはそれが通用しない。むしろ、主人公二人の英語の会話をキャッチする方が大変だ。とすると、監督が目指したものとも、英米人観客が感じるものとも、全然違う感想を持ってこの映画を観ていたのかもしれない。

しかし、こちらに日本語が理解できてしまうというハンディ・キャップ()があっても、主人公達が抱える切なさはひしひしと伝わってくる。あと、劇中用いられる音楽のセンスも、私好みだ。中でも、はっぴぃ・えんどの「風をあつめて」の使われ方には唸ってしまった。Sofia Coppola監督、相当な才人のようだ。



接客業の方々の態度に違和感を覚えるのは、異国の地にあれば仕方のないことでしょう。丸5年も経てば、大分、郷に従うようになってきたのですが、モスバーガーや吉野家などの日系チェーン店だと、日本とのあまりの落差に、いまだに腹を立ててしまいがちだったりします。

今週中頃から、一週間の出張。次回更新は再来週以降になります。