IN/OUT (2018.12.16) |
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DCブランドブーム当時に買ったA.A.R((ダーバンと山本耀司のコラボレーション・ブランド。意外に価格はリーズナブルだった)のスーツが有って良かったと思えた今日この頃です。 最近のIN"Yohji Yamamoto x Live"@ブルーノート東京 (18.12.10)ファッション・ブランド "Y's"や"Yohji Yamamoto"を手掛けるデザイナー 山本耀司がミュージシャンとして出演するライヴを観に、ブルーノート東京に行ってきた。 1980年代、DCブランドブームの中でも、「COMME des GARÇONS」の川久保玲と並んで、「Y's」の山本耀司は、他のデザイナーとは一線を画す輝きを放っていたと思う。それ以来、ファッション界の第一線で活躍し続けてきた彼だが、音楽のセンスにも秀でている事は、ショーの音楽に矢野顕子を起用したり、高橋幸宏とコラボレーションしたりしていたことで窺い知れるが、最近のショーの音楽は自作自演しているという。そんな彼が、19年ぶりという単独の音楽公演。彼自身「ファッションのショーでは、自分は楽屋にいる人間。こうやってステージ上に姿を晒すのは…」と語っていたが、果たしてミュージシャンとしての単独公演がどんなものか、興味津々でチケットを取ったのだ。 ブルーノート東京に集った観客。殆どがYohji Yamamotoの服をまとった黒ずくめの集団である。そんな観客の前に現れた山本耀司。ギターを抱え、長髪に髭、衣装も帽子もサングラスも黒。なんだか凄いオーラを放っている。バックバンドは、ベース 伊賀航、ギター 網元次郎、そして、ドラムスに林立夫!前日、矢野顕子のNHKホール公演で、そのプレイを堪能したばかりだ。さらに言えば、翌日は矢野顕子の仙台公演でも観る予定。11月6日の小坂忠のイベントにも出演しており、今月は自分にとって「矢野顕子強化月間」だと思っていたが、それ以上に「林立夫熱烈支持月間」になっている感じだ。 さて、山本耀司の歌唱とギターだが、ブルースを基調に、中々に味わい深い物だ。自作の詞も、英語、日本語、そしてフランス語と幅広く、1曲毎にギターを持ち替え、時にブルースハープも披露。堂々たるミュージシャンぶりだ。途中、ゲストに古賀芽衣を招き、彼女のヴォーカルで「圭子の夢は夜ひらく」や「悲しくてやりきれない」のカバーも披露。失礼ながら、予想以上に高い音楽性を楽しむことが出来るライヴだった。 途中のMCは、飄々とした語り口ながら、40年以上、パリを舞台に、王道のファッション・トレンドとは違うAnti-Modeの第一人者として活動し続けた誇りと凄みを感じさせる。存在そのものが、Yohji Yamamotoというブランドを体現していると思う。実にかっこよい75歳だ。 因みに、ロビーには石川さゆりさんからの花が届いていた。そこにも、微妙な矢野顕子繋がりを感じてしまった。 Vanessa Carlton @ビルボードライブ東京 (18.12.12)米国のシンガーソングライター、Vanessa Carltonのライヴを観に、ビルボードライブ東京に行ってきた。 2002年、アルバム"Be Not Nobody"でデビュー。収録曲の一つ"A Thousand Miles"は、世界中でヒットし、私も、このアルバムは当時の愛聴盤だった。来日するのは、その時以来、16年ぶりということだが、私がライヴを観るのは初めてだ。 ビルボードライブに集まった客層を観て、その「普通」さに驚いてしまった。山本耀司のライブに集まるお客さんの癖が強いのはまあ当然として、どんなミュージシャンのライヴでも、そのファン共通の傾向のようなものがあると思うのだが、Vanessa Carltonの場合、すごく普通の大人が多いという印象だ。これが、彼女の音楽の透明性を象徴しているのか。 舞台向かって左のグランドピアノにVanessa Carlton、右にヴァイオリンのSkye Steele。後方のスクリーンには三人の女性が淡い色調で描かれた絵が投影されている。この絵は、画家であるVanessaのお祖父様が描いたものだそうだ。絵の雰囲気と彼女の音楽が合っていて良い感じだ。 ピアノを弾きながら、16年前から変わらない透明感のある歌声を披露するVanessa。強烈な個性は無いが、とてもクオリティが高く、聞き心地の良いサウンドだ。それを引き立てるSkye Steeleも凄い。ヴァイオリンだけで無くギターも演奏し、さらに、フットペダルでループを操作するなど、二人だけのシンプルな演奏に見事に奥行きを加えている。ただ、(当たり前と言えば当たり前だが)彼女はピアノに正対して演奏し、歌唱する。なので、演奏中、観客からは彼女の顔が見えない。これが不満というか、不思議だ。矢野顕子のライヴを見慣れていると、顔は観客席の方に向けながらピアノを弾き倒す姿が当たり前になってしまうのだ。 ライヴの後半からは、ギターのJohn McCauleyも登場。オルタナ・バンドDeer Tickのメンバーであり、Vanessaの夫でもある。アサヒ・スーパードライの小瓶を持って登場した夫を見て、自分も一本所望し、ぐいっと一口。すっかりベテラン歌手だな。息の合った夫婦デュエットも良い感じである。 終盤、ビルボードライブ東京の恒例、後ろのカーテンが開き、六本木の夜景と、さらに、クリスマス・イルミネーションに輝く芝生広場が見える。音楽も雰囲気も、お洒落感の強い夜だった。 すっかり洋服にかけるお金が減ってしまいました。というか、ここ数年、ほとんど、買っておらず、洋服屋に出向くことも億劫に。まあ。モノ消費からコト消費という時流に乗っかっちゃっているんですかね。 |