IN/OUT (2018.11.11) |
|
スマートフォンで通話する際、液晶画面を顔面に当てることに抵抗があり、ブルートゥース・ヘッドセットを愛用しています。が、これが、しょっちゅう行方不明になってしまいます。その度に、焦ってヨドバシに発注するのですが(朝発注すれば、夕方には届いちゃう)、その後、かなりの確率で、会議室に置き忘れていたとか、ポケットに入れたままだったとかで、発見されることに…。累積すると、結構な金額をメーカー(Plantronics)とヨドバシに上納していることになっており、我ながら、無駄遣いしているなと頭を抱える今日この頃です。 最近のINリー・キット「僕らはもっと繊細だった。」@原美術館 (18.11.10)原美術館で開催中の、リー・キット(李傑 / Lee Kit)の個展を観てきた。香港出身で、現在は台北を中心に活動するアーティストである。 展示されている作品のほとんどは、プロジェクターを用いたインスタレーションだが、単に映像を映すというものではない。原美術館の窓を映した映像を、その窓から少し離れた所に投影したり、半透明のプラスチック・ケースを透過した光を壁に投影したり。それらは、彼によれば、プロジェクターの光で描いた絵画作品だという。また、プロジェクターは、多くの場合、床に置かれており、鑑賞者はどうしてもその前を横切る=自身の影も投影される。はっきりと、何を表しているのか、言葉にするのが難しい作品群だが、確かに「繊細」という印象が残る。 あまり万人向けの展覧会という感じでは無いが、原美術館という建物自体と、彼の作品の繊細さが融合して、独特の雰囲気を醸し出している。 "Thelma" (18.11.10)ノルウェーを舞台にしたホラー映画を観てきた。監督はJoachim Trier。名字が示すとおり、Lars von Trier監督の親戚にあたるそうだ。 タイトルのThelmaは主人公の名前。厳格なクリスチャンの両親の元、田舎で育った少女が、都会の大学に進学する。恋に目覚めた彼女は、同時に、幼児期に封印されていた自身の「能力」も目覚めさせる。物語の構図は、"Grave (Raw)"と似通っているが、本作が扱うThelmaの能力は、もっと超自然的なものだ。ただし、現実と幻覚をあえて区別せずに描く映像で、主人公の能力が果たしてどういう物なのか、観客の解釈に委ねられている部分も多い。 ホラーと言っても、派手な衝撃的シーンは無い。映画全体を覆う不穏な雰囲気と、北欧の寒々しい風景が相まって、独特の恐怖感がジワジワと迫ってくる。ただ、Lars von Trier監督作のような、鑑賞後、嫌な気持ちがずっと残るという映画では無い(まあ、Joachim Trierにしてみれば、いちいち、親戚のおじさんと比較されるのは、大きなお世話だろう)。ラストの解釈もまた、観客に委ねられているという感じだが、ダークなハッピーエンドだと私は捉えた。 なお、この映画でも出てきたのだが、最近、ヒロインが水中深くに潜る映像がやたらと目立つと思う。"The Shape of Water"が印象的だったが、元祖は何なんだろう? "Bohemian Rhapsody" (18.11.11)ロックバンド、Queeenを描いた映画を観てきた。ドキュメンタリーでは無く、俳優達がQueenのメンバーを演じている劇映画である。 Freddie Mercuryを中心に、バンドの結成から1985年の伝説的チャリティー・コンサート"LIVE AID"でのパフォーマンスまでを描く。バンドの舞台裏や名曲誕生の裏話などのエピソードを小気味よくつなぐ演出は、Bryan Singer監督の手腕が冴えている。我々世代には懐かしかったり、楽しかったりするエピソードばかりだが、テンポが良すぎて、劇映画としての深味が感じられない。あまりにも表層的な感じだ。ただし、Queenのメンバーに扮した俳優達のそっくりぶりには目を見張る。Freddieだけでなく、Brian Mayも、Roger Taylorも、John Deaconも、驚くほど本物そっくり。見た目だけでなく、演奏ぶりまで完璧だし、そのキャラの描き方(特に、John Deaconの"イジり方")も見事。エンディング・クレジットでは、実話映画にありがちな「ご本人の映像」が出てくるのだが、まったく違和感が無い。 そして、彼らそっくりさんが演じる、クライマックスの"LIVE AID"のシーンで、映画に対する評価は一変する。今でも、歴史的名演と言われるこのイベントでのQueenのパフォーマンスを、ほぼ完璧に再現していることに驚くと共に、ここで歌われる曲(特に"Bohemian Rhapsody)の歌詞を噛みしめると、それまで描かれてきたFreddie Mercuryの人生を、まるで予言していたかのような詞だったことに気づき、胸に響くのだ。音楽と劇映画、双方の興奮が絡み合い、涙腺決壊の名シーンになっている。 こういう、激似の役者さんが白熱のライヴシーンを再現してくれる映画を、例えば、YESやKing Crimsonで作ってくれたら嬉しいのに、と個人的には思うが、やはり、彼らでは無理だろう。Queenの場合、圧倒的なカリスマ性と複雑な人間性を兼ね備えたFreddie Mercuryの存在と、途中、確執はあったとしても、メンバーチェンジ無しでバンドを維持してきた結束力が、劇映画を成立させているのだ。 現在もQueenを継続しているBryan MayとRoger Taylorが音楽を監修しており、音楽面も完璧。映画全体が、見事なQueen ベスト・ヒット集になっている。メンバー全員が曲作りの才能があり、マルチ・プレイヤーでもあったことで、様々なタイプの曲があるのが、Queenの強みだと改めて実感する。 私は、公開前日にあたる11月8日、TOHOシネマズ日比谷のSCREEN 5(ドルビーアトモス)の前夜祭上映で観て、さらに週末、立川シネマシティのシネマ・ツー a studioで鑑賞。TOHOシネマズも十分高音質だと思ったのだが、やはり、ガチのコンサート会場用PAシステムを、作品毎に入念なセッティングを施して鳴らす立川シネマシティの極上音響上映は凄い。TOHOシネマズのサウンドが、結局は、劇場らしい派手な音作りなのに対し、低音をキッチリ出しながら、全体を絶妙なバランスで響かせる立川シネマシティは、まさに音楽体験。"LIVE AID"のシーンの没入感が大きく変わり、感動も深まるのだ。ただし、TOHOシネマズ日比谷では、観客が拍手しても合唱してもOKという「応援上映」を行ったそうだ。こちらにも参加してみたかったな。 毎回、ほぼ同様のモデルを発注しているのですが、デジタル機器だけに、新に発注する度に、バージョンアップされていたりモデルチェンジされており、まあ、常に最新機種が手元にあるというのも悪くないかと開き直っても居る訳ですが。 |