IN/OUT (2018.11.4)

東京海洋大学今年も、東京海洋大学品川キャンパスの学園祭、海鷹祭の時期になりました。ここ数年、ずっと通っていますが、来場者に、大学生よりも近隣住民が目立つという異色の学祭。以前は、近隣のおっちゃん・おばちゃんが多かったのが、最近ではお子様連れの家族が増えたように感じます。近隣のマンション住民の増加もあるだろうし、構内での飲酒が禁止された影響もあるのかもしれません(以前は、近所のおっちゃん達の酒盛りの場と化していた…)。一方、学生さんの方は、女子学生の比率が増えたような気がします。今年は、あまり時間を割けなかったのですが、マグロの漬け丼は、きっちり堪能。


in最近のIN

"Venom"18.11.3

Marvel Comicsの有名ヴィラン(悪役)、Venomが単独で登場する映画を観てきた。映画製作はSONY(Columbia Pictures)。Marvel StudiosとDisneyが組んだMCU(Marvel Cinematic Universe)とは別路線の作品である。

映画が始まってしばらくは、失敗作の印象が強い。Tom Hardyが演じる主人公 Eddie BrockがVenomに寄生されるのだが、このEddieがろくでもない奴で感情移入出来ないし、Michelle Williams演じるヒロインも、Riz Ahmedが扮する悪役も、極めて底が浅い人物設定なのだ。予告編を見る限り、悪役を中心に据えたダークで大人向けの物語を期待していたのだが、なんとも陳腐だ。因みに、Venomの造形は、悪魔の実を食べたロデム(バビル2世)という感じ。

しかし、物語が進むにつれ、この映画がそれほど深い物は目指さず、かなりコミック寄りの作品だと分かってしまえば、それなりに憎めなくなってくる。Marvel作品のお約束、Stan Lee御大のカメオ出演も、今回のは特に秀逸。まあ、完全な悪役を主人公にする訳にはいかなかったのだろう。

続編を作る気満々の終わり方をするし、確かに、魅力的なバディ・ムーヴィーに化けそうな要素も多いのだが、コミックの世界でVenomは、Spider-Man抜きには語れない存在だ。しかし、Spider-Manの方は、SONY製作のシリーズから抜け、MCUの方に出演中。今後、どういう展開にするのだろうか?


"Searching"18.11.4

全編、PCモニター上だけで展開する異色のサスペンス映画を観てきた。邦題は「search/サーチ」。この映画の場合、"ing"を省いちゃ駄目だと思う…

映画内で、PCモニター上に溢れかえる情報は、当然、皆、英語だ。見慣れているはずのMac OSやWindowsも、英語版。素早くスクロールされるテキスト画面に映るのは、米国人が日常のオンラインで使う英語表現。そのため、実践的な英語力が試される作品だと思う。これらを100%字幕に頼ろうとすると、その情報量の多さから、かなり辛いだろう(字幕担当者も苦労したようで、米国で使われる「顔文字」を、日本風の顔文字にするという奇妙な字幕も登場)。

ストーリーは、突如失踪した娘の行方を、父親が必死で探すというもの。娘のSNSや動画投稿から交友関係を調べ、捜査官とはFaceTimeでやり取りをする。他にも、隠しカメラの画像や、ニュース配信のライヴ動画などを組み合わせ、見事にPCモニター上だけという制約の中で物語を展開させている。監督のAneesh Chagantyは、これが長編デビュー作となる27歳。まさに、デジタル・ネイティヴが、デジタル・ネイティヴ達を主役に映画を作ったという感じだ。失踪した娘は、まさにそういう年代だが、主人公の父親もIT系の仕事をしているという設定で、小気味よい手際の良さでコンピューターを操作するのだ。

この作品が素晴らしいのは、演出上のギミックだけでなく、謎解きミステリーとしての水準も高いこと。事件の意外な真相が明らかになると、いかに巧みに伏線が張られていたかに思い至り、驚愕する。さらに、親娘の絆をしっかりと描いたドラマ性も豊かだ。テキスト・メッセージだけで深い感情を表現する手腕が見事で、父親が娘に送る最後の一文に落涙。予想外の良作だった。



この学祭の特色は、マグロ漬け丼、鮭いくら丼、シーフード・カレーパン、鯛飯、カニ飯、マグロの竜田揚げ、カニ汁、鯨汁等々、模擬店のレベルを超えた海産物グルメの豊富さ、毎年恒例クロマグロの解体実演とブツ販売、校舎内で行われるマニアックなミニ水族館展示、本来は水泳部が使うプールでの釣り堀。さらには、ステージに出演する芸能人が、さかなクン彼は、この大学の名誉博士)、ロックバンド「漁港」、「さかな芸人ハットリ」、釣りというレジャー&スポーツに打ち込むことを誓った少女たちで構成されるアイドルユニット「つりビット」という拘りのセレクション。良い意味で専門性に偏った催し物がとても楽しいのです。さらに、そういう学校に通う(良い意味で偏った)学生さん達は、模擬店の店員も、展示の説明員も、素直で好感が持てる若者が多いという印象もあります。