IN/OUT (2015.7.19)

いつの間にやら梅雨明け。その割にはスカッとせずに、やたらと蒸し暑い。今年の夏は、こんな感じが続くのでしょうかね。


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「林立夫&沼澤尚プレゼンツ "AFTER SCHOOL HANGOUT"」@ブルーノート東京15.7.12

ブルーノート東京 日本を代表するドラマー、林立夫と沼澤尚が立ち上げたプロジェクト"After School Hangout"の「デビュー」公演を観に、ブルーノート東京に行ってきた。

プロジェクトのコンセプトは、高校生が初めてバンドを組んだような精神で、でも演奏は真剣に、ということらしい。で、集まったメンバーが、超豪華。リズム隊は、二人のツイン・ドラムに加えて、ベース:沖山優司。さらに、ギター:鈴木茂、、キーボード:森俊之。いずれも、自分自身の活動だけで無く、幅広いアーティストのプロデュースやレコーディング・サポートなどを行う、まさに、日本の軽音楽シーンを現在でも支える実力者揃い。ヴォーカルはLeyonaと高橋幸宏。なお、高橋幸宏は、現在、LOVE PSYCHEDELICO のツアーにドラマーとして参加しているが、今回のセッションではドラムは叩かず、アコースティック・ギターとヴォーカルのみ。

メンバーがステージに上がる。事前情報では「ゲスト参加」となっていたユキヒロが冒頭から登場し、リードヴォーカルを取る。演奏曲は、彼らの学生時代の名曲群、'60~'70年代の洋楽からのチョイス。当たり前だけど、演奏の安定感が圧倒的。余裕たっぷりのリズム隊に、ユキヒロの独特のヴォーカル、そこに絡む鈴木茂のギター。実に心地よい。当然、単に心地よいだけでなく、ハイ・テンションの曲を演る時は、一転、ハードなフレーズを決めてくれる。それぞれ多忙なメンバー、二日しかリハーサルをしていないということだが、見事に息の合った演奏だ。

このメンバーの中では、キャリア的には一番地味かもしれないLeyona嬢の頑張りも凄かった。基本、サイド・ヴォーカルだが、リードを取ったときの迫力といい、一曲だけ披露したギターの腕前といい、バンド・メンバーと対等に張り合っていた。そして、キュート。

もう一つの見所は、林立夫のMC中に傍若無人に繰り出されるユキヒロのツッコミ。さすが、元トリオ・ザ・テクノ。この辺にベテラン・ミュージシャンの友情が垣間見えて、楽しい。

Neil Young、Traffic、The Beatles、Procol Harumなど、選曲も良い感じで、大いに楽しめたライヴだった。なお、沼澤尚が、ファッションも立ち居振る舞いも、相変わらず「格好つけ」だという点も再認識したのである(以前、Beautiful Songsというイベントで初めて彼を見たとき、こいつはモテモテ光線を意識的に発射していると、我々の仲間内では、やっかみの声があがっていたのだ)。


"Terminator Genisys"15.7.18

"Terminator"シリーズのリブート作を観てきた。

1984年、Arnold Schwarzeneggerが徹底した悪役を演じた第一作、エンターテインメント性が一気に高まった1991年の第二作、B級テイストが香るが憎めない第三作、迷走の感もあるが何とか世界観を守った第四作と、正直、ワクワク感が減ってきたシリーズを今回リブートすると聞いて、私が一番好きな第一作のような、引き締まった作品を期待する一方で、今更という感じも覚えていた。が、蓋を開けてみると、脚本の上手さに唸らされる面白い作品だった。

映画の冒頭、一作目をそのままなぞるように見せかけて、途中から異なる時間軸の物語であることに気づかせ、そこからは予想外の展開が続く。今や老人の域に達したArnold Schwarzeneggerの使い方も(マシンの表面を覆う生体組織は老化する、というご都合主義の設定ではあるが)巧い。

旧シリーズの第一作と第二作を観ていることと、タイム・パラドックスについて深く考えないことが条件になるが、その上で鑑賞すれば、非常に良く出来たジェット・コースター・ムーヴィーだ。このリブート作も、三部作構成になるらしいが、Sarah Connor、Kyle Reese、そしてT-800のチームは、中々魅力的だし、投げっぱなしになっている伏線をどう回収するのかも気にかかる。Schwarzeneggerが老け込んでしまう前に、是非とも完結してもらいたいものだ。



あまり気にせずに使っている「軽音楽」という言葉。もしかしたら、既に死語で、平成世代には通じないのかも、とビビる今日この頃です。