IN/OUT (2009.6.21) |
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経済情勢の悪化が、しっかりと日々の生活にも影響を及ぼしだした今日この頃です。 最近のIN"Terminator Salvation" (09.6.21)「ターミネーター」シリーズの4作目を観てきた。 このシリーズ。1984年の一作目は、文句なしの傑作だと思う。肉体は凄いが、演技や台詞に問題があるArnold Schwarzeneggerの個性を逆手に取る見事な活かし方と、彼がまだ超ビッグスターになる前だったからこそ可能だったと思われる徹底した悪役ぶり。そして、テンポの良い演出。しかし、タイムマシンに乗って未来から殺し屋が送り込まれてくるという基本アイディアは、B級SFの定番。ヒットし、シリーズを重ね、スケールが大きくなればなるほど、元々の設定の無理が目立ってきたと感じる。 そのため、6年ぶりのシリーズ再開と聞いても、あまり盛り上がらなかった。ましてや、監督がMcG。"Charlie's Angels"のような能天気娯楽作なら、そのミュージックビデオのような勢いだけの演出でもOKだが、SF大作には向かないのではないか。ということで、まったく期待せずの鑑賞だった。 しかし、その予想は良い方向に裏切られた。細かく考えれば、辻褄が合わないところも沢山有りそうだが、なかなかどうして、骨太の戦争映画と言っても良いような仕上がりだ。未来に舞台を移したことで、続編のマンネリさを払拭しつつ、原色を極力抑えたような絵作りの中、過去のシリーズからの決めぜりふの引用や、SchwarzeneggerやLinda Hamiltonの意外な登場の仕方など、遊びの要素を巧みに織り込んだスピード感を失わない演出は、見事。McGの力量を見直した。 ただし、何かある毎に母親の声を頼りにする指揮官がカリスマ性を維持できるのか、というのは、拭いきれない疑問である。 "Transformers: Revenge of the Fallen" (09.6.21)「トランスフォーマー」シリーズの2作目を観てきた。 こちらは映画の一作目が2007年。主要なキャスト・スタッフは、ほぼ前作からの続投。世界観の変更もなく、一作目をさらに派手にした、ハリウッド流正統派の続編だ。 オリジナルは、緻密な日本製アニメを見慣れた人には、その稚拙が辛いアメリカのアニメ。監督は、見た目は派手だが中身がスカスカの映画しか撮れないMichael Bay。ということで、内容には期待が持てなかった。 実際、見終わって30分経てば、細かいところはすっかり忘れてしまうような映画だった。しかし、面白いか面白くないかで言えば、とても面白い。あまりにも目まぐるしくて、画面の中で何が起こっているのか理解できないMichael Bayの演出は、基本的には私は大嫌いなのだが、じっくり見せればその非現実性が目立ってしまうロボットの変形シーンとは、相性バツグン。そして、2時間半の間に、アクションだけでなく、主人公の恋や両親を交えたコミカルなシーンまで、てんこ盛り。さらに、一作目でブレイクしたMegan Foxのお色気過剰ショットも満載。この、度を超したサービス精神と、これだけ詰め込んでも(その分、中身は薄いとはいえ)、取りあえず物語を破綻させない演出は、凄い。 "Terminator Salvation"のMcGが、意外な力量を見せたと感じたのとは対照的に、Michael Bayは、その個性と映画の企画が見事にハマったという感じだ。 とは言いつつ、支出の優先順位を徹底するのも難しく、通販でベーコン・プレスやトレハロースなど、無くても困らない物をついついポチッとするのが止まらないのも困った物です。 |