IN/OUT (2014.10.12)

皆既月食は、残念ながら、一番良いところは雲に隠れてしまって見えませんでした。あの手のニュースで「次に観られるのはXX年後」というのを聞くにつれ、さてさて、自分の残り時間は? ということを考えたりもするようになる今日この頃です。


in最近のIN

「ミシェル・ゴンドリーの世界一周」@東京都現代美術館14.10.12

東京都現代美術館東京都現代美術館で開催中の展覧会に行ってきた。

"Be Kind Rewind"(僕らのミライへ逆回転)や、"L'écume des jours"(ムード・インディゴ うたかたの日々)などで、私も好きな映画監督、Michel Gondryの世界を紹介するという展示である。

まず、「ホームムービー・ファクトリー」という空間。ここには、警察署やカフェ、路地のゴミ捨て場など、様々な映画セットが用意されている。ここで、Gondryが考案した映画製作メソッドでオリジナル作品を作るワークショップが定期的に開催されるという趣向。どのセットも、とても凝ったもので観ているだけで楽しいのだが、やはり、グループで訪れて自主映画の一本でも作った方が、楽しめるのだろうな。一人で訪れたのが、ちょっと残念。

続いて、観客を待つのは「Around the World in 19 Videos」というコーナー。液晶ディスプレイが並んだ白い壁が迷宮のようにクネクネと続く。映し出されているのは、Michel Gondryが監督した19本のミュージックビデオ。そこを、ワイヤレス・ヘッドフォンを付けて歩いて行くのだが、このヘッドフォン、中々良く出来ていて、目の前にあるディスプレイに対応する音楽だけが聞こえてくるようになっている。Björk、Beck、The Rolling Stones、Daft Punk、The Chemical Brothers、Cibo Mattoらのミュージック・ビデオは、いかにもMichel Gondryらしい意匠に溢れたものだが、それがぶつ切りで上映されている。最初は意図が分からなかったのだが、ビデオを見続けているうちに、そこに仕掛けが施していることが分かり、なるほど、となる寸法。

最後にあるのが、"L'écume des jours"(ムード・インディゴ うたかたの日々)で使われた小道具の展示。あの、「シナモン・シュガーの味がする雲」や「肺の中に咲く睡蓮の花」の実物が観られ、興奮。彼の映像作品が好きな人には必見の展覧会だ。



out最近のOUT

"A Million Ways to Die in the West"14.10.11

Seth MacFarlane主演・監督の新作を観てきた。邦題は「荒野はつらいよ アリゾナより愛をこめて」

Seth MacFarlaneは、傑作「Ted」で、監督と、Tedの声を担当し、その才気に大いに感心させられたのだが、今回は、期待値が大きすぎたせいか、やや肩透かしだった。

舞台は、開拓時代の西部。Seth MacFarlaneが扮するのは純朴な羊飼い。彼を取り巻く、元恋人がAmanda Seyfried、謎の美女にCharlize Theron、凶悪なお尋ね者にLiam Neesonという、無駄に豪華な俳優陣は、いずれも熱演。特に、Charlize Theronの女っぷりの良さには、惚れ惚れする。

ということで、出演者は実に素晴らしい。そして、彼らの個性を活かしたストーリーも、予定調和ではあるが、安定感のあるコメディだ。こうした構図 = 分かりやすいコメディーを、駄目男と良い女の組み合わせが巧みに演じながら、そこにお下劣なギャグをぶっ込んでくる、というのは「Ted」と同じなのだが、今回は、どこかリズムが悪い。R15+指定だけに、下ネタや残酷ネタが満載なのだが、ぶつ切れ感が強く、ストーリーの流れが円滑じゃないのだ。

「Ted」では「Flash Gordon」に捧げられた映画愛は、今作でも、やはり西部を舞台にした有名作のパロディ・シーンとして登場するのだが、これも、あまりにも唐突かつ単発ギャグ過ぎて、勿体無い。

来年公開の「Ted 2」での巻き返しを期待したいところである。



今回も、休み明けの出勤時に台風の影響が出そうですね。タイミング悪いなぁ。