IN/OUT (2008.10.12)

何かと大変だったウィーク・デイの反動で、イタリアンシンガポール料理と、週末のエンゲル係数が急上昇する今日この頃です。


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"Be Kind Rewind"08.10.12

Michel Gondry監督、Jack Black主演の最新作を観てきた。

初めに苦言を呈しておくが、原題は、舞台となるビデオ・レンタル屋の店名であり、また、「巻き戻して返却してください」という、DVDが普及した今では死語となりつつある言葉だ。それに対し、「僕らのミライへ逆回転」という邦題を付けるという配給会社のセンスは何なんだ? "Rewind"という単語を生かしつつ、内容にも配慮したということかもしれないが、下手の考え休みに似たり。先週観た「宮廷画家ゴヤは見た」と並ぶ、低能邦題だ。

邦題は酷いが、内容はなかなか。ただし、Jack Blackが主演していることや、配給会社の宣伝を見て、爆笑コメディを期待していると肩すかしを食らう。

Jack BlackとMos Defが、消去されてしまったレンタル・ビデオの代わりに、自分たちが即席で「リメイク」したビデオを貸し出す。そのリメイクぶりが、チープででたらめなんだけど、意外なアイディアにも溢れていて、楽しい。リメイクされる作品が、"Ghost Busters"、"Rush Hour 2"、"RoboCop"、"Carrie"などなど、少し古い定番名画ばかりなのも嬉しい。

しかし、こうしたおふざけの部分は、むしろ控えめな演出で流しているように思う。それよりも、ハリウッドの空虚な大作主義に対する皮肉と、DVDですら古いメディアとなるような、あまりに早い世の中の流れに対する異議申し立て、そして、何よりも映画そのもに対する愛情こそが、物語の中心だ。現実にはあり得ないような設定、展開が続出するが、「映画が本来持つ力」への絶対的な信頼と愛に溢れたラストには大泣き。映画好きの人には絶対に愛される作品だと思う。

因みに、映画の中で、そうした手作りリメイクを表す動詞として使われているのが、 "Swede"。いまや "Sweded Movie" は、YouTube などで大人気となっているのも、おかしい。



食欲の秋は、スポーツの秋と組み合わせることで、正しい体脂肪率管理ができる、ということは、頭では理解してるんですけどねぇ…