IN/OUT (2010.8.8)

一週間の夏休みでした。


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「ネイチャー・センス展」10.8.4

森美術館で開催中の展覧会に行って来た。吉岡 徳仁篠田 太郎栗林 隆の三人のインスタレーションの展示である。

会場に入ると、まず、真っ白の空間に設置された吉岡氏の作品「スノー」。雪に見立てた真っ白な羽毛の山に、扇風機で風を送り吹雪を起こす。見飽きないインスタレーションに圧倒される。

この他、篠田氏の、真っ赤な液体が模型の山河から注ぎ下り、循環する(身体を巡る血液のようでもある)「忘却の模型」、天井から落ちる水滴が、枯山水の白砂のような波紋を描く「銀河」。栗林氏の、和紙で出来た林の大地を地下から体感する「ヴァルト・アウス・ヴァルト(林による林)」、大量の土で造られた山に世界地図が切り取られる「インゼルン2010(島々2010)」。見応えのある展示が続き、とても興味深い展覧会だ。「ネイチャー・センス」というタイトルにも納得の一貫性がありながら、バリエーションに富んだ、しかも大規模なインスタレーションをこれだけ並べられるところが、森美術館のすごさだろう。

ただ、この美術館、六本木ヒルズの展望台と共通の入場券になっているため、観光ついでに入場する人が多い。この日も、アジアからの団体観光客と思しき集団や、お子様軍団がいて、いささかざわついているのが残念。もちろん、観光ついでの鑑賞が悪い事では無いと思うが、せっかく観るのなら、オーディオガイドを借りて、それぞれの作品に込められた作者の意図を感じて鑑賞して頂きたいところだ。大がかりなインスタレーションは、その空間に身を置くだけで楽しいものだが、やはり、そこに込められた意味が分かってナンボ、だと思う。

ということで、全体としては、とても印象的な展覧会で、期間中に再訪したいと思わせるものだった

しかし、運営上、許しがたい点が一つ。森美術館があるのが森タワーの53階。普段なら、そのまま下りのエレベータに乗れるのに、今回は、51階までエスカレーターで下りてから、エレベーターに乗せるという運用になっているのだ。同時期、52階では「地球最古の恐竜展」というイベントが開催中で、そのオフィシャルショップ、要は土産物屋が51階にオープンしている。その土産物屋を通過させ、金を落させようという寸法なのだ。恐竜展を観た客ならともかく、美術館だけを訪れた客にまで、わざわざ遠回りさせて、下らない土産物屋を通過させるやり口には、がっかりである。



夏休み前半は、結局、昼間、職場に顔を出したりしていたのですが、残業時間まで働く事は無し。ただ、各種施設の休業日や終業時刻を把握していなかったことに後から気づき、なんだか無駄にした時間が長かったのが残念というか、間抜けでした。