IN/OUT (2013.9.22)

ようやく涼しくなってきました。が、意外に快適にならないのがオフィスの空調。外の気温と上手く連動していないのか、暑すぎたり、寒すぎたり。特に、私が働くオフィス・フロアの場合、場所による寒暖差が激しく、空調のコントロールを巡る駆け引きが繰り返される展開に…。


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第6回 したまちコメディ映画祭 in 台東 特別招待作品 『マッキー』 *ライブアクション上映13.9.15

不忍池水上音楽堂台東区で開催中のしたまちコメディ映画祭の一企画、"Makkhi"の上映を観に行ってきた。Makkhiとは、ヒンディで「蠅」の意味。これは、ハエがヒーローを務めるという、前代未聞のインド・エンターテインメント映画なのである。

インド映画の中でも、言語としてはテルグ語の作品である。インド映画の本流、ヒンディでも、Rajni兄貴でお馴染みのタミル語でも無い。私にとって初めてのテルグ語作品だが、あの"Robot" のSFXチームが結集したということもあって、徹頭徹尾、エンターテインメントに徹した快作だった。

悪漢に殺された主人公がハエに生まれ変わり、彼女を守るため、自分を殺した悪に立ち向かうという筋立ては荒唐無稽だし、CGを駆使したハエの熱演も子供だましと言えるかもしれない。しかし、無茶なストーリーを力業で納得させてしまうインド映画マジックが本作でも炸裂! 小難しいことを考えずに、ヒーローに声援を送り、悪漢にはブーイングを!というインド映画鑑賞の作法に則って観る限り、この映画は大傑作。笑えて、燃えて、ちょっと泣けちゃうのだ。「ライブアクション上映」ということで、観客がクラッカーを鳴らし放題、叫び放題、踊り放題の不忍池水上音楽堂は、大盛り上がりである。個人的には、Rajin兄貴が意外なカメオ出演で決めちゃうシーンに男泣き。そういえば、SRKの"Ra One"でも兄貴はカメオ出演していたなぁ。やっぱり、Rajniは、Super Starなのである。

ダンス・シーンはそれなりに豊富なのだが、タミル映画のような意味不明の群舞では無かったり、ヒロインの容姿がヒンディ映画のような西洋風美人ともタミル映画のようなダイナマイト・ボディとも違ったりするのは、テルグ語映画の特徴だろうか?インド映画にしては、初心者にもかなり見やすい作品だと思う。一般公開は10月26日から。大ヒットを祈願する。

上映後、これが第6回したまちコメディ映画祭の最終作ということで、総合プロデューサーのいというせいこう氏と、インド映画関連のイベントでは必ず遭遇する大場渉太氏が登場。三三七拍子で映画祭の締めをして、解散。


"Elysium"13.9.21

Neill Blomkamp監督の新作を観てきた。主演は、Matt Damon。

舞台は、2154年。超富裕層は宇宙空間に浮かぶスペース・コロニーで何不自由ない生活を送る一方、大多数の庶民は、環境破壊の進んだ地球で満足な医療も受けられないような暮らしを強いられている。まあ、SFにはありがちな設定ではある。ここに、神経に直接接続する強化鎧や、脳にデータをダウンロードして持ち運ぶなどのアイディアをてんこ盛りにして、リアルなスラム街の描写の中、巻き込まれ型の主人公 Matt Damonが右往左往するうちに、世界の秩序を変えるという寸法。

長編デビュー作、"District 9"で、溢れ出すアイディアと強烈なヴィジュアルで、新しいSF映画を提示してくれたBlomkamp監督だが、その成功で、長編第二作となる本作品は、大幅に予算アップ(30Mドル → 115Mドル)。Matt Damonの他にも大物 Jodie Foster様をキャスティング(一方で、"Distict 9"のSharlto Copleyが続投しているのが嬉しい)。特殊撮影も遙かにレベル・アップ。

差別者と被差別者、富裕層と貧困層という対立軸の中で物語を転がしていくのは、前作と同じ。この辺は、南アフリカ出身の監督の性だろうか。ただ、前作のような皮肉な捻りが無く、比較的ストレートな展開になっているのが少し物足りない。まあ、ハリウッドでは、"District 9"のような、尖ったSF映画は受け入れられず、分かり易さを強要されたのではないか、という気もする。そう考えると、Jodie Foster様に対する扱いとか、ちょいと悪趣味な残酷シーンは、ハリウッドに飲み込まれまいとした彼の精一杯の抵抗・皮肉だったのかもしれない、と感じた。

次の作品も、三度、Sharlto Copleyが出演する、オリジナル脚本のSF映画となるようだ。Neill Blomkamp監督、次で真価を問われそうだな。



"Elysium"の前に、「秘密結社 鷹の爪」の劇場版映画「鷹の爪GO 美しきエリエール消臭プラス」も鑑賞。まあ、こちらは、過去作品と同様、小ネタ・ギャグの連発と、予算が足りなくなる度に唐突に挿入されるタイアップ広告という構成で、良く言えば安心して笑える、悪く言えば何の進歩も無い作品という感じでした。TOHOシネマズのポイントで無料鑑賞だったので、文句はありませんが。