IN/OUT (2013.9.15)

自宅の前にあった倉庫が取り壊されました。新しいビルが建つまでの間、見通しが良くなっていいなと思いながらよく見たら、周りの電線類地中化の工事がいつのまにか進捗していて、電柱・電線も無くなっていたことにも気づきました。街の新陳代謝は進んでいくものです。


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第6回 したまちコメディ映画祭 in 台東 「TSUTAYA発掘良品」presents 鬼才ジョン・ウォーターズ 『シリアル・ママ』13.9.15

台東区で開催中のしたまちコメディ映画祭の一企画、"Serial Mom"の上映を観に行ってきた。この映画祭、私は初参加だが、2010年の第3回では、あの"3 Idiots"を「3バカに乾杯!」のタイトルで上映したという、由緒ある映画祭なのである。

上映会場は、浅草のコシダカシアター。普段は昭和歌謡を題材にした演目が上演されているという劇場だ。清水ミチコ扮する「轟寿々帆」がホームグラウンドにしているような、濃ゆい雰囲気である。

上映された"Serial Mom"は、1994年の作品。Kathleen Turner扮する、一見、模範的な主婦が、ゴミの分別をしない奴、レンタルビデオを巻き戻さずに返す奴、息子を悪く言う教師、娘をふった男子らを、次々とぶっ殺していくという、John Waters監督らしい「センスの良い悪趣味」が詰まった傑作だ。20年ほど前の作品だが、本当に面白い映画である。

上映後は、TSUTAYAの人と、特別ゲストの石川三千花さんによるトークショー。彼女は、John Waters監督とは、TV番組「シネマ通信」の企画でロケ取材を行ったことがあるということで、このトークショーにはうってつけのゲストである。私も、三千花さんが描いた「シリアル・ママ」のイラストは、たぶん、リアルタイムで見たような記憶がある。生でご本人を見るのは初めてだが、ベレー帽を被っていなかったのが、ちょっと残念。

John Waters監督とSteve Buscemiが似ているなど、ディープな話題の多いトークショーだったが、台風接近の予報の中、足を運んだ観客もディープな人ばかりな訳で、なかなかの盛り上がり。最近、新作を撮っていないWaters監督に、是非、続編「Serial Grandma」を製作してもらいたいという話で大受け。Grandmaにぶっ殺してもらいたい奴の筆頭に三千花さんが挙げたのが、「映画のエンディング・クレジットが始まった途端、携帯をチェックする奴」。そう、あの液晶画面の明かりは、かなり目障りだと常々思っている私も大賛成。楽しいイベントだった。



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"The Wolverine"13.9.14

X-Menの人気キャラクター、Wolverineを単独主役にしたスピン・オフ映画の第二弾を観てきた。ほぼ全編、舞台は日本。出演者のほとんども日本人。一見、無茶苦茶のようだが、Chris Claremomt & Frank Millerの原作をちゃんと踏まえた作品である。アメコミの中では、Wolverineは日本通で、日本人の妻を娶った事もあるのだ! とはいえ、米国の人が、この作品を楽しめたのか心配になる怪作ではある。

不死身のWolverineは、長崎の原爆投下を体験していたという驚きの過去が明かされた後、舞台は現代の日本になる。日本人にとっては、ここからの描写が、なかなか微妙だ。アメコミ的世界に再構築された日本では、ミュータントに負けず劣らずの戦闘能力を持ったヤクザと忍者の末裔が市街地で大暴れ。コミックの世界と割り切れば、それなりに許せてしまうが、やはり違和感はぬぐえない。

舞台設定以上に面倒くさいのが、悩みっぱなしのWolverine自身だ。Jean Greyの死によって受けたショックから立ち直れずにいる彼が、日本人女性マリコと出会い、再起していくというストーリーでもあり、その味付けに使われるのがサムライ・スピリットという訳だが、どうにも辛気くさい。苦悩するスーパー・ヒーローというのは、アメコミ実写映画化でのお約束になってしまった感があるが、何だかなぁ…

それでも、Hugh Jackmanと真田広之の熱演は見応えがある。二人とも、肉体をコントロールする能力が高いので、アクション・シーンの迫力と美しさは相当なモノだ。一方、日本女性代表のTaoとRilaのお二人は、いかにも欧米でもてはやされそうな東洋美人(逆に、日本人にはあまり受けない)という感じ。特にRilaは、役柄にちょっと無理があるように思う。菊地凛子とかの方が収まりが良かったのではないか?

一見、キワモノのようでいて、実は、良心的かつ真面目に作られた作品だと思う。ただ、もう少し、スカッとする展開にならなかったものか。



思い出してみると、この数年で、自宅周囲のコンビニや駅前のお店も、かなりの数、入れ替わっています。必ずしも嬉しい入れ替わりばかりでは無いのですが、矢野の名曲「変わるし」の通りですな。