IN/OUT (2012.6.3) |
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PCや電気製品は、買う前に色々と情報を集め、自分なりに納得できる物を慎重に選ぶ方だし、あまり外すことは無いと思っているのですが、どうもそれ以外の物は衝動買いの傾向が強い。特に、カバン。買った後で、大きさや材質で後悔すること多し。今回も、通勤に使っている物がボロボロになってきたので、新調しようとあれこれスペックを考えていたのに、結局、店頭で一目惚れした物を買ってしまいました。自分が女性だったら、間違いなく鞄病に冒されていただろうなと思う、今日この頃です。 最近のIN"La piel que habito" (12.6.1)スペインの監督Pedro Almodóvarの新作を観てきた。英語タイトルは「The Skin I Live in」。邦題は「私が、生きる肌」 何とも奇妙な映画だ。物語は、妻を事故で亡くした形成外科医が、ある人物を監禁し、妻そっくりに人体改造していくという、狂気に満ちたもの。画面の色使いやアングルもその狂気を際立たせているようだ。しかし、猟奇とエロス溢れる題材なのに、語り口はどこか捻くれている。「ある人物」が誰なのか、何故監禁され、実験台にされているのかが鍵となると思いきや、監督は、早い段階で手の内を明かしてしまう。ラストは、全く意外なオチにはならず、肩透かしのような、でも、人間の肌=表層と本質だとか、男と女だとか考え出すと、何か深いモノがあるような。 主演は、Antonio Banderas。一見、クールに見えながら、心の奥底に狂気と激情を隠した主人公の医師を巧みに演じている。監禁された女性役のElena Anayaも存在感溢れる演技。そこに、原作小説を大胆に脚色したAlmodóvar監督の変態性が加わり、何とも奇妙で、しかし記憶に引っかかってしまう映画になっている。 「ロボット 完全版」 (12.6.2)スーパスター・ラジニカーント主演作 "Endhiran (The Robot)"。日本配給側の「3時間近いインド版を特別編集して生まれた139分の日本版「ロボット」をお楽しみください!!」とのメガトン級大馬鹿判断で、切り刻まれた残骸を泣く泣く鑑賞したのが3週間前。しかし、完全版公開を求める声が殺到したそうで、ついに、一部の映画館で、ノーカット完全版の上映が実現。さっそく観に行ってきた。 渋谷TOEIの入り口には、ありがたくも、ラジニカーント黄金像が鎮座されており、気分を盛り上げてくれる。 さて、本編。シンガポール出張中のホテルでTV放映されていたのを一部だけ見たのと、前回の「日本版」。この映画を観るのはこれで三回目だが、ようやく、最初から最後まで完全に観ることができた。 本当に観て良かった。「日本版」でイマイチ堪能できない感が残ったのは、40分近いシーンが切り刻まれていたことに全ての原因があったのだ。特に、二つのダンスシーン、ペルーのマチュピチュと、ブラジルの白い砂漠(レンソイス・マラニャンセス国立公園)で、RajniとAishwarya Rai Bachchanが踊るところをカットした神経が理解出来ない。確かに、この映画、南米とは全く無関係。しかし、美男と美女が風光明媚な場所、それも、庶民には簡単に行くことができない海外の観光地で歌って踊るのを、あこがれの視線で見つめる。これこそ、インド映画を楽しむ大きなポイントの一つではないか。それを、映画の本筋とは無関係だからとばっさり切り刻むとは言語道断。それに、前回は乗りきれなかった映画のリズムも、ノーカットで観れば問題なし。やっと納得できた。 ということで、この映画に対する評価は、一気にアップ。これ、傑作だわ。そして凡作「日本版」に存在価値は無い。あんな「日本版」を作った配給側の奴らには、二度とインド映画、というか映画自体に関わってもらいたくないのである。 久しぶりにお台場を散歩。 |