IN/OUT (2013.7.7)

Terence StampとVanessa Redgrave。70歳代の名優が共演する英国映画を観てきた。邦題は「アンコール！！」。

駄目なところが多いんだけど愛すべき人たちが織りなす心温まるコメディ、というのは、英国コメディの鉄板ネタだ。"The Full Monty"、"Calendar Girls"、"The Best Exotic Marigold Hotel"などなど。それらの系列に並ぶ作品だが、老夫婦の愛情を中心に据えたことで、笑いよりも涙要素の高い映画になっている。

周囲の人に素直になれない頑固な老人を演じるのがTerence Stamp。その妻＝Vanessa Redgraveが通う合唱サークルに近づこうとしなかった彼が、妻の死後、徐々にそのサークル、そしてサークルの指導者に心を開いていく、というのがストーリーの骨子。ただし、Terence Stampが、決して、お人好しの好々爺に堕すのではない。最後まで頑固者なのがカッコよい。

この合唱団。レパートリーがロックやポップスというところが目新しいような気もするが、よく考えたら、Paul McCartneyは71歳。Mick JaggerもKeith Richardsも69歳。David Bowie様は66歳。皆、現役である。ロックは若者の物では無くなった時代なのだ。Vanessa Regraveが夫の事を思いながら歌うあの曲と、Terence Stampが自らの本心に向き合うあの曲。卑怯なほど泣かせる選曲である。

深く心に刻まれるタイプの映画ではないが、自然に泣けてくるウェルメイドな小品だ。唯一の不満は、The B-52'sの名曲"Love Shack"のコーラス・アレンジが、ファンとしては物足りない迫力だったことか。

先週組み立てて、どうもイマイチのところで終わった新PC。先週生じた問題は解決したが、続いてFelica端末のドライバをインストールしたところで再びトラブル。意外に手ごわい。

UEFIを最新版にアップデートしたうえで、Windows 8をクリーンインストールし直したら、今のところ問題再発せず。ただ、そこを乗り越えても、今度は、USB 3.0ポートの一つが動作していない。ボードの初期不良かもしれないが、USB端子の数は多いので、一つぐらいの不良は問題なしと判断。本格運用開始。ATOK、Firefox、秀丸、Next FTP、Photoshop Elements、MS-Officeなど、必須のソフトをインストール。ついでに、先週の不具合発生時、マウス・ドライバを疑って新規購入したLogicool Zone Touch Mouse t400を、通常使用に格上げ。それまで使っていたマイクロソフトのおにぎりマウスのグリップ感も捨てがたかったのだが、ここはWindows 8に本格対応ということで。

2台のHDDをRAID 0で運用していた先代のマシンと比べると、SSDとHDD1台ずつの新マシンは、かなり静か。起動は圧倒的に速く、レスポンスは良好。画素数がアップした新デジタルカメラが、もうすぐ届くはず（予約したのは一か月以上前なのだが…）なので、RAW現像がどれぐらい快適になっているか、楽しみだ。

そして、大幅に向上したのが、音質。これまで、ONKYOのサウンドボードから出力していたのに対し、新マシンはUSB出力をKORGのDS-DAC-10につないでいる。アンプとスピーカーは変えていないが、出てくる音は一変。クリアで細かいところまでちゃんと分解された高音質になった。また、再生ソフトによる音質の差も明らかに。どれも、Lossless形式のファイルを再生させているが、音質の悪い順に、Zune → iTunes → AudioGate。特に、ONKYO専用のAudioGateから出力すると、完全にオーディオ機器の音になる。本来は、DSD再生用のソフトだが、普通のCDからリッピングした音源でも、桁違いの高分解能の音を出してくれる。これは、メインのオーディオ・セットに繋ぎたくなってしまう。

ということで、趣味としてのPC組み立てを満喫。問題は、すぐに次のマシンを組み立てたくなってしまうことだ。今度は、メインのオーディオ・セット専用の小型マシンを、などと考えてしまうが、それは、まだ先の話にしよう。