IN/OUT (2012.11.11) |
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暑くも無く、寒くも無く、晴れたときの空は本当に深い青さをたたえ、本当に気持ちの良い季節です。杉花粉が無いのも重要ポイント。 最近のIN"NORAH JONES - LITTLE BROKEN HEARTS JAPAN TOUR 2012" (12.11.9)Norah Jonesのライヴを観に、武道館に行ってきた。彼女のライヴを観るのは、2005年のシンガポール公演以来だ。 19時。まずは前座のJim Campilongo Electric Trioの演奏がスタート。エレキ・ギターのJim Campilongoを中心に、ドラムとベースを加えたトリオ。彼らのアルバムにNorahが参加していたりして、日頃から交流の深いミュージシャンみたいだ。曲はインストゥルメンタル。特徴のある鋭角的なギター・サウンドで、アメリカン・ルーツ・ミュージックっぽい曲を演奏。 30分弱の前座と20分ほどのセットチェンジの後、Norah Jones登場。ステージには折り鶴をイメージしたらしいオブジェが何本も吊されている。シンプルだけど、曲毎に色々な照明効果を発揮し、綺麗な舞台だ。バックは、ドラムス、ギター、ベース、キーボードの4名。武道館の大きなステージだが、中央にこじんまりとまとまった配置。Norahは、右側のピアノ、左側のキーボード、そして中央でギターを抱えてと、曲によって立ち位置を変えてのパフォーマンス。右側のピアノを弾きながらのパターンだと、昔の曲を演る場合が多いようだ。 彼女のデビュー・アルバムは、洗練された都会的ジャズ風サウンドで大ヒット。私もヘビー・ローテーションで聴いていた。その後も、コンスタントにアルバムを発表しているが、ジャズの枠を越え、最近はむしろ、カントリーやブルーズの要素を強く感じる曲が増えてきて、個人的には、やや残念な気もしている。今回の公演も、前座の人選でも分かるように、アメリカ南部の土着っぽいサウンドが中心。特に、ドラムスの骨太の響きが全体を支えている。演奏のクオリティはとても高い。 それでも、やはり、デビューアルバムの曲には特別な響きを感じる。特に、ピアノ弾き語りの"Don't Know Why"にはノックアウトされた。 アンコールでは、メンバー全員定位置を離れ、アコースティック楽器を手にステージ中央に集まって、カントリー調の演奏。何とも楽しい雰囲気で終了。ただ、前回観たときにも感じたが、彼女のライヴは、微妙なニュアンスが削がれてしまう大会場では無く、小さな所で鑑賞してみたいものだ。 "Abraham Lincoln: Vampire Hunter" (12.11.10)リンカーン大統領が、実はヴァンパイア・ハンターだったという設定の映画を観てきた。邦題は「リンカーン 秘密の書」。 史実の中に、荒唐無稽なホラー・ネタをミックスして、それなりに整合性のある物語にしてしまう脚本の剛腕っぷり。そう、これを書いたのは、ジェイン・オースティンの名作「高慢と偏見」に、ゾンビ物をマッシュ・アップした怪作「高慢と偏見とゾンビ」の作者、Seth Grahame-Smithなのである。「高慢と偏見とゾンビ」は、その大半がジェイン・オースティンの原作に忠実なのに、ちゃんとゾンビが共存するという、知性と痴性が高レベルで合体した読み応えのある小説だった。その作者からすれば、リンカーン大統領の史実とヴァンパイアを組み合わせるのはお手の物。彼の脚本では、前作「Dark Shadows」が期待外れだったが、今回は本領発揮。ただし、リンカーンの生涯や南北戦争など、ある程度、予備知識があった方が楽しめるのは、「高慢と偏見とゾンビ」と同じだ。 監督は、Timur Bekmambetov。カザフスタン出身の監督で、ハリウッドでの前作「Wanted」で突き抜けた映像センスを見せてくれたが、今回も、そのアクション・シーンには目を見張る。スピード感溢れる映像の中に効果的にストップモーションを挟み、独特のリズム感を生んでいる。音楽との合わせ方も巧みだ。 歴史物としての重厚さは無いが、独自の世界観と映像体験だけで十二分に面白い映画だった。 近くの水辺に、ユリカモメご一行の第一陣が到着。あっという間に冬が近付いています。 |