現在開催中の"Ming Wong: LIFE OF IMITATION"関連のメンバーズイベント「シンガポールナイト@原美術館」を観に行ってきた。シンガポール映画に関する展示に因み、閉館後の美術館でシンガポール映画の歴史についてのトークショーと、映画上映が行われるというものである。
18時過ぎ、美術館に到着。扉を開けると、すでに館内にはシンガポールの匂い=チキンライスの香りが立ちこめている。イベント開始前に、カフェでチキンライス、サテ、カレーパフが振る舞われているのだ(無料で!)。廊下で、シングリッシュで立ち話しているおじさんの脇をすり抜け、早速、サテとビール。蒸し暑い夕方、これだけで最高だ。
時間になり、ホールに入る。まずは、松下由美さん(Sintok シンガポール映画祭の第二回を、来年開催に向け準備中)によるシンガポール映画の歴史についてのトーク。と、本題に入る前に、先ほどのシンガポール料理は、シンガポール大使館が用意してくださった物で、会場にはシンガポール公使もお見えになっているとのこと。紹介された公使は、さっきのシングリッシュおじさんだった。どうりで、レベルの高い料理が並んでいる訳だ。謝謝。
興味深い資料映像も交えてのトークショーの後、映画、"Invisible Children"の上映。監督のBrian Gothong Tanは、現代アートの分野でも活躍している人ということで、作品は、かなりアートっぽい。シンガポールに暮らす三組の人々を映し出す群像劇。商業娯楽映画とは言い難いテンポと演出だが、大都会でコミュニケーションの不全に苦しむ人々の姿が痛いほど伝わってくる、見応えのある作品だった。とてもリアルなシンガポールが描かれている映像だったが、皆さんにシンガポールを知ってもらうのなら、パパイヤ・シスターズの能天気映画なんかの方が楽しかったような気もする。まあ、現代美術館のイベントだからなぁ。
とは言いながら、長編映画の後、追加で三分間の短編映画"Imelda Goes to Singapore"も上映。こちらは、シンガポールのお手伝いさん事情が分かっている人には爆笑必至の作品。
サテとビール(タイガーじゃ無いのが残念)、飛び交うシングリッシュ。予想以上にクオリティの高い映画。ほぼ熱帯と化した東京の夕方に良く合うイベントだった。