IN/OUT (2011.9.4)

台所の電球が切れたので、LED電球に交換してみました。これが我が家の導入事例第一号。付け替えてみたら、それまでの電球とほとんど見分けが付かず。これで電力消費量が1/5ぐらいになるとは驚きです。調子に乗って自宅にある他の電球も一気に交換しようと思って数えてみたら結構な数があって、安くなってきたとはいえ、まあ、ぼちぼちと。


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「藝祭2011」11.9.3-4

パンダ神輿東京藝術大学の学園祭に出かけてきた。目当ては、「やの屋」。

初めて訪れる藝大キャンパス。校門をくぐると、巨大な神輿の数々。音楽学部と美術学部の一年生が8つの団を組んで神輿を制作しその出来映えを競う、毎年恒例の企画らしい。写真はそのうちの一つ。大賞は別の作品だったが、やはり上野と言えばパンダだろう。

模擬店が並ぶ風景は普通の学祭だが、大きな楽器を抱えた学生が走り回っていたり、ステージで演奏しているのが、尺八と箏の二重奏だったりと、藝大らしい雰囲気だ。まずは、音楽学部の校舎に行って、やの屋の整理券をゲット。

「やの屋」とは、矢野顕子と東京藝術大学の学生がコラボレーションする企画。矢野さんが提示した「希望」をテーマに、若い芸大生とベテラン矢野さんが産み出す新しい表現を、藝祭の場でお披露目するというもの。土曜日は、「地下やの屋」と銘打たれ、体育館の地下で開催。

整理券をゲットしても、番号順の入場ではないので、早めに会場前に行ったのだが、主宰者側の仕切りが悪い。好意的に捉えれば、企画の中身の準備で手一杯だったのだろうが、観客を入れるイベントなのだから、客をどのように捌くかというのも、イベントの重要な一部と捉え、もっと入念に準備してもらいたかった。さらに、舞台の準備も遅れに遅れているようで、結局、開場したのは予定から45分遅れ。さらに、観客が入っても、まだ準備作業が続いているようだ。見ていると、全体を掌握して指示を出すリーダーが不在(いない訳じゃ無いのだろうが、リーダーシップが不足)。一方では、やることの無いスタッフは、壁際にだらけた感じで座ってケータイをいじっていたりする。45分遅れでスタートしたときも、進行役からは適当な謝罪しかなく、もう、学生という身分に甘え過ぎだ。この時点では、大昔に学生を終えている私は、腹が立つやら、今後の展開が不安になるやら。

しかし、登場した矢野さん。ふんわりした口調で一気に場を和ませる。さすがのオーラだ。そして始まったイベントは、藝大生が書いた絵画を前に、そこから得たインスピレーションを矢野さんが演奏したり、箏・尺八という邦楽楽器をメインにしたハウス風の曲の演奏があったり、作曲専攻の学生が凝りまくった工夫を施したプリペアード・ピアノを矢野さんが演奏したり、観客に渡されたLEDカスタネットの光に反応してサンプリングされた矢野さんの音声が流れるインタラクティブな即興演奏があったり、どれも面白い。→ 詳細データはやのコレに記載。

舞台転換にも一々手間取ったりして、進行も決して流暢という訳ではなかったのだが、そこは百戦錬磨の矢野顕子。学生の未熟な部分を巧みにフォローしつつ、ご自身も存分に楽しんでいるようだ。

イベントの仕切りを除けば、学生さんの情熱と、それぞれの専攻におけるスキルの高さは素晴らしい。音楽系と美術系の両方の学部が存在しているので、多様な才能が集まり、このイベントもバラエティーに富んだ物になったのだろう。

さて、日曜日も「夜やの屋」を見に行ってきた。二晩目の会場は、校舎内の第六ホール。予定では午後4時50分スタートだが、早めに私がホール前に行ったときには、まだ、やの屋の前の公演に並んでいる人で、大混雑。聞けば、現在 40分押しとのこと。しばらくして、前の公演のお客さんが入場し、ようやく整列。私は列の前方にいたのだが、実行委の人達がバタバタしているのが良く分かる。そのうち、衝撃の事実が判明。現在やっている公演も長引きそうで、結果、80分押し!二日間、延々行列で待たされながら間近で見ていると、それなりに実行委や関係者の顔・名前・役割・個性などを覚えてきて、なんだか親近感というか連帯感を一方的に感じてしまい、同情してしまうのだが、それでもこの段取りの悪さは酷い。

結局、本当に、きっちり80分押しでイベントスタート。ホールは、かなり広いスタジオのような空間(矢野さんは「NHKのよう」と表現されていた)に、パイプ椅子を並べたもの。

この日も、映像に合わせ、作曲専攻の学生と二台のピアノで即興演奏をしたり、谷川俊太郎さんの詩を中心にした「言葉のセッション」があったり、ケルト音楽をバックにした絵本の朗読があったりと、興味深いコラボレーションが続く。そして最後、会場から募った「希望」をイメージする言葉に、その場で矢野さんが曲に料理するというパフォーマンスでは、会場に一つのフレーズをリピートさせ、そこに矢野さんが別の言葉を重ねるという、即興と言うにはあまりにハイレベルな作品が産み出され、とても楽しかった。

ということで、夜も8時を回り、イベント終了。いざ、本番が始まってからも、舞台転換の度に時間がかかり、有料イベントだったら暴動が起きても仕方ないぐらいの状態だったと思う。昨日の体育館の地下と違い、今日のホールは空調が効いていたのが救いではあったが、逆説的に言えば、体育館の地下で汗だくで待たされている方が、なんだかある種の連帯感があったようにも思う。お客様を呼ぶイベントにおける仕切りの重要性を、是非、学生さん達には学んでいただきたいところだ(上から目線ですが…)。

それでも、実験的なパフォーマンスは、どれも面白い物だったし、矢野さんとの共演を終えた学生さんの充実した笑顔を見ていると、良いものを見せてもらったという思いも強い。色々な意味で、得がたい経験ができたイベントだった。



LED電球のもう一つ素晴らしいところは、長寿命。なんと、40,000時間。長くても、せいぜい1日5時間ぐらいしか点灯しない我が家だと、22年ぐらい持つ計算になってしまいます。ということは、次に交換するとき、私の年齢は…。こりゃ、交換するとき、自分の足腰が弱っているかもという方が心配だ。