所沢と大田区に行くことができました。
メンバー | |
2012年8月30日 | 安城市民会館 サルビアホール |
2012年8月31日 | 三井住友海上しらかわホール |
2012年9月2日 | 所沢市民文化センターミューズ アークホール |
2012年9月4日 | 鎌倉芸術館 大ホール |
2012年9月8日 | 大田区民ホール アプリコ |
やもりの「もり」担当。やはり「聴かせる」歌唱力は超一級だと改めて感心させられます。そして、観客を一緒に歌わせるときの手慣れたリードの仕方も、さすが、フォークの人。
やもりの「や」担当。思えば、先週まで、Will Lee & Chris Parkerと緊迫のトリオ演奏を繰り広げていた訳で、その幅の広さには改めて驚かされますが、ライヴの楽しさという根っこは変わらない。
前回のツアーに引き続き、ギターは小倉さん。様々なギター(三線も!)を弾きこなし、サウンドを支えています。
前回のツアーではパーカッション担当がおられましたが、今回は、ピアノとギターで足りないところを、藤本さんが処理。小倉さんのライヴではアシスタントして、良く一緒に演られている方です。森山さんからは、マックを操作している様を「引きこもっている」と表現されていましたが…
会場は、日本最大級のパイプオルガンが鎮座する、中々立派なホール。周囲が緑溢れる公園で、雰囲気も良い感じだ。ただ、この日は不安定な天候で、時折、激しいにわか雨が降る空模様。
場内に入ると、「ちょっと聞いて欲しい今日の出来事」を記入するコーナーがある。コンサートの中で即興で歌にする「お題」募集ということらしい。ステージは、中央にグランド・ピアノ。右に小倉さんと藤本さんの場所があり、左にはソファが置かれている。ただし、このソファは純粋に舞台装置として置かれていて、特に使われることは無い。観客の半分以上は森山さんのファンだと思われ、いつもの矢野さんのライヴの客層とはちょっと異なる。個人的には、アウェイ感を覚えたりもする。
演奏は、2年前のアルバムの一曲目からスタート。それ以降、やもりとしてのアルバム出ておらず、今回、新たに披露されたのはカバー曲ばかりだが、川村結花さんの曲は、とても良い感じだ。「てぃんさぐぬ花」は、Will、Chrisとのトリオでの演奏がCD化もされているが、やもりヴァージョンは、もっとヴォーカルを前面に出したアレンジ。小倉さんの三線も控えめだが効いている。
この日の演奏で、印象的だったのが、矢野さんのソロ「こんなところにいてはいけない」。先週のブルーノートでも聴いた曲だが、今日の弾き語りだけの演奏の方がインパクトが強かった。他の楽器が絡まない分、歌詞のメッセージがダイレクトに伝わってくる感じ。もっとも、余りに力が入ったのか、やや歌詞が怪しくなったところもあったが、そこは強引にねじ伏せての演奏。とても迫力があった。
逆に、森山さんのソロは、二年前のツアーと全く同じ選曲。これは、ちょっとつまんないかな。
「ただいまの歌」は、開場時に募集していた「ちょっと聞いて欲しい今日の出来事」を、その場でメロディーに乗せて歌うというコーナー。お二人とも器用です。
アンコールのラストは、スタンダードナンバー「Moon River」。これを、お二人のアカペラ、しかも、マイクを使わず、生声だけで披露。私の席(5列目)では、とても良く響いていたが、後ろの方は大丈夫だっただろうか?
やもりらしい、楽しさに溢れた公演だったと思うが、新作が出ていないこともあり、前回に比べると地味な印象も持ってしまった。今日のMCの中で、矢野さんにはアイディアが浮かんだのだが、やもりの二枚目が待ち遠しいと感じてしまう。
会場は蒲田駅から歩いて三分ほど。戦前に松竹蒲田撮影所が在った場所だそうだ。
ツアー最終日。MCではそれを意識した発言が何度かあったが、演奏には特に気負いは感じられず。例によって、素晴らしい歌唱と、(グダグダ気味だが…)楽しいお喋り。そんな中、「さとうきび」の演奏がとても印象的だった。さすがの歌唱力を見せつける森山さんはもちろんのこと、ピアノに専念した矢野さんの、出しゃばり過ぎず、でも、歌の情感を見事に引き出す演奏との絡みは、圧巻。
開場時にお客さんから募集した「ちょっと聞いて欲しい今日の出来事」を、その場でメロディーに乗せる「ただいまの歌」。今日の矢野さんは、笑いすぎて結局歌にすることを断念するネタがあったり、フォーマットを逸脱して歌を発展させたり、かなりやりたい放題だったような。そんな強烈なアドリブにも瞬時に対応し、的確な伴奏を付け続ける小倉さんが素敵。また、「水餃子・焼き餃子・広東焼きそば(あと、ラーメンも)」なんて言葉を歌にさせると、本当に矢野さんはイキイキするなぁ、と感心。
ホールのピアノはスタインウェイ。矢野さん曰く「世間をよく知っているタイプのピアノ」ということで、かなり気に入っていたようだ。また、ホールの響きも良好で、特に、アンコール・ラストの「Moon River」の生声がとても綺麗に聴こえた。区の公共施設だが、さすが、その行政サービスを矢野さんが絶賛する大田区なのである。
ただ、先週も感じたことだが、新作が出ていない状態での公演で、サプライズが無いのが残念だ。二枚目のアルバムとそれに続くライヴ、是非とも早く実現してもらいたいと願う。