SUMMER SONICと、リキッドルームに行くことができました。
メンバー | |
2007年7月29日 | iTunes presents LIVE from Tokyo at Apple Store Ginza |
2007年8月4日 | ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2007 |
2007年8月12日 | SUMMER SONIC 07 東京会場 |
2007年8月25日 | リキッドルーム |
ドレスアップした矢野さんに対し、Tシャツ・短パン姿でも無問題。演奏はもちろん、コンビとしての話芸にも磨きがかかったように感じます。
晴天に恵まれたサマーソニック。砂浜に作られたBEACH STAGEは、昼間は暴力的なまでの日射しにさらされていたが、夕暮れになって暑さは引き、気持ちのよい潮風が吹いている。澄み切った空の下、海の向こうには富士山のシルエットがくっきりと浮かび上がる夕焼け。ステージ・セッティングを待つ間に、空は美しいグラデーションを描きながら暗くなっていく。
富士山のシルエットが暗闇に溶け始めた頃、演奏が始まった。矢野さんのライヴにレイ・ハラカミ氏がゲスト出演するという形式の公演は何度か見ているが、ユニットとしてフル・アルバムを作ったためか、二人の組み合わせの妙が、これまで以上に発揮されているようだ。うつむいて機器を操作するハラカミ氏が繰り出す電子音と、矢野さんの生ピアノ & ヴォーカルが、CDで聴くよりも遥かに有機的に絡み合い、ビーチ全体を、トロピカルでリゾートな心地よい空間に変えている。
そんな中、日頃は矢野さんの曲を聴くことがあまり無いような観客も多いと思われる野外フェスで、ソロ曲に「さようなら」を持ってきたのは、難易度が高いのでは?と、一瞬、感じたが、野外仕様とも言えそうなエッジの効いたアレンジに惹きつけられた。
「ばらの花」では、矢野さんが間奏でピアニカを奏でるという趣向があったり、演奏での名コンビネーションとは一転、微妙に噛み合わない二人のMCに笑ったりしつつ、たっぷり一時間半、13曲 +アンコール1曲の演奏を堪能した。
yanokami初のワンマンライヴ。まずは、MASAKI SAKAMOTOによるオープニング・アクトが30分ほど。続いて、ヤノカミ ミュージックビデオコンテストの入賞者発表(優勝は、バームクーヘン)。そして、yanokamiのお二人登場。
まだ、アルバム一枚の新人バンドだけに、演奏曲は先日のサマーソニックと同じく「レパートリー全部」。今回は、ハラカミ氏に近いところに陣取ったのだが、やはり、何をどう操作すれば、あれだけの音色をライヴで操れるのか、素人には全く分からない。ただ、矢野さんのソロ作品を聴いていていつも思うのが、CDよりもライヴの方が圧倒的に素晴らしいということだが、それはyanokamiについても同じだ。これだけ電子音を多用しているにも関わらず、ライヴの方がはるかにクオリティの高い音を聴かせてくれると思う。
ただ、個人的には、サマーソニックでの演奏の方が好印象だった。もちろん、夕闇のビーチでゆるーく聴くのと、満員のライヴハウスで間近に見るのとでは印象が違って当然だが、今回の方が、微妙なずれやミスが目立ったような気がする。むしろ、ハラカミ氏のソロ曲の出来の良さが心に残る。
また、矢野さんが演奏するMIDIピアノ(?)の音色が、yanokamiとしての演奏では問題ないが、矢野さんのソロ・コーナーになると、物足りなさを覚える。ソロ二曲目に「ラーメンたべたい」、「釣りに行こう」、「中央線」のどれが良いか会場に問いかけるという展開があり、結局「ラーメンたべたい」が演奏されたのだが、曲で言えば、「中央線」派の私も、あのピアノの音色で「中央線」だと、きっとニュアンス不足で消化不良になったと思う(そのラーメン、ブルーノート東京での爆音仕様とは別の味わい深さで中々良かった)。
しかし、そうした文句も、しょせんは些細なこと。二人の紡ぎ出す音空間は紛れもなく幸せな心地よさに満ちている。本編ラスト「気球にのって」で、スクリーンに映る自分のシルエットを見ながら楽しそうにステップを踏む矢野さん、そして曲終盤でのハラカミ氏のサウンドとピアノの絡みに、今回の公演の楽しさがが凝縮されていたように思う。