矢野顕子&上妻宏光/二重奏


三味線奏者 上妻宏光氏との共演が、宮崎で開催されました。同時期に行われていた40周年記念企画『二人でジャンボリー』とは、別枠という扱いのようです。
誤りのご指摘、追加情報等あれば、送って頂けると助かります。

メンバー
2016年12月25日(日):メディキット県民文化センター 演劇ホール(宮崎県

button メンバー

上妻宏光(太棹三味線, vocal

実は、自身の公演では、ヴォーカルを取ることはほとんどなく、この共演の時だけ、矢野さんに焚きつけられているそうです。

矢野顕子(piano, vocal

以前、鹿児島での公演で(ここで焼酎の味も覚えたらしい)、会場に迷い込んだ捨て猫を矢野さん達が保護し、誰か引き取ってくれないかとコンサート中にお願いしたところ、実際に名乗り出てくれたのが宮崎の方だったということで、この土地には好印象を持っているそうです。

仙波清彦(パーカッション

邦楽囃子仙波流家元の家庭に生まれ、幼少時から邦楽を学ぶも、その枠を超え、フュージョン・バンド「THE SQUARE」や「はにわオールスターズ」の活動など、世界で活躍するパーカッショニスト。矢野さんのライヴ(1981年の「また会おねツアー」など)やアルバム(「ただいま」など)にも参加されてきました。

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button 2016年12月25日(日)@ メディキット県民文化センター 演劇ホール

buttonセットリスト

  1. こきりこ節(富山県民謡
  2. 弥三郎節(青森県民謡
  3. 上妻さん & 仙波さん / 津軽よされ節(青森県民謡
  4. 上妻さんソロ / 紙の舞(上妻宏光
  5. 上妻さんソロ / 津軽じょんがら節(青森県民謡
  6. 矢野さんソロ / ひとつだけ
  7. 矢野さんソロ / ラーメンたべたい
  8. 矢野さんソロ / GREENFIELDS
  9. 矢野さん & 上妻さん / 田原坂(熊本県民謡
  10. Solitude(上妻宏光
  11. 達者でナ
  12. 斎太郎節(宮城県民謡
アンコール
  1. ふなまち唄

buttonReport

会場は、町の中心から少し離れた、宮崎神宮の近く。美術館や図書館も集まっている総合文化公園の一角にある。ピアノはベーゼンドルファー(矢野さん自身は、スタインウェイとは異なるベーゼンドルファーの打鍵に苦労されたそうだ)。いつもの「二重奏」と違い、舞台向かって右奥に、仙波師匠用のセッティングがされている。

開演前、前方 1~5列が全て空席で、? と思っていたら、開演直前に館長登場。予約受付時のコンピューター入力の不手際で、前方の席が売り出されていなかった! こんなミスが直前で発覚するとは…。急遽、6列目の人から順に前の席に移動させようとするのだが、この会場、6列目は36番まであるが、1列目は33番までしかないので、収まらないはずだ。さらに言えば、6列目の端っこの方が、最前列の端っこより良さそうな気もする。その辺の指示が曖昧なまま、前に詰めさせようとするのは無理があるだろう。しかも、細かいところを中途半端にしたまま館長が全員の前で不手際を表明したため、後ろの方から前方 5列をめがけて駆け寄る人もいて(まあ、当然のリアクションだろう…)場内は、ちょっとした混乱になる。私は、チケット上は 9列目だったところ、6列目で鑑賞することになった。

どたばたで、15分ほど遅れて開演。ゲスト扱いかと思っていた仙波師匠は、最初から登場。普通のパーカッションとは一味違う、様々なアイテムを取り出し、巧みに二人の音の間を埋めていく。予想はしていたが、彼の参戦は大成功だ。

3曲目で、矢野さんが退場し、上妻さんと師匠の二人での演奏。民謡には珍しい三拍、6/8拍子の「よされ節」を、二人のアドリブの応酬で聴かせる。演奏しているのは和楽器だが、これはもう、超絶カッコよいジャズだ。場内、大盛り上がり。

続いて、上妻さんのソロ二曲。そして、矢野さんのソロに突入。選曲こそ、いわゆる鉄板の三曲だが、どれも素晴らしい演奏だ。特に、ホテルの朝食で食べた宮崎の郷土食「冷や汁」の事から歌い始めた「ラーメンたべたい」は、それほど崩していない雰囲気の歌い出しから、どんどん自由になっていく、すごい演奏。充実のソロ・パートだった(個人的には、最近、気になることが多かった音響も問題なかったのが嬉しい

ソロが終わり、上妻さんと二人で「田原坂」。三人揃って「Solitude」(今回のバージョンでのレコーディングを切望!)。「達者でナ」。どれも素晴らしく、本編ラストの「斎太郎節」での仙波師匠のソロでは、豚やチキンのおもちゃも楽器として繰り出す、楽しくも盛り上がる展開。

アンコールは、場内一体となって「ラッセーラ」の大合唱。最後まで、楽しさてんこ盛りで全編終了。

仙波師匠の参戦、いつになく軽やかな矢野さんと上妻さんのトーク、そして、大盛り上がりの演奏。これまでの上妻さんとの共演の中でも、最高に楽しい公演だったと思う。宮崎まで来て、本当に良かったと実感。

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